第97話 笑顔で…

 お帰りなさい♡


 あなたは、いつも笑顔で僕に逢いに来てくれます。


 その笑顔、真似が出来ません。僕の笑顔は卑屈で、今にも泣きそうです。産まれてこのかた、心の底から嬉しいと、笑った事がありません。


 いつもどこか、後ろめたさがあります。これは僕の親父の影響が大きいのでしょう。物心つく頃から、教育という名の虐待を受けて育ちました。


 そう思うようになったのは、バーバラ・Cさんの「目に見える不幸がうらやましい。」を読んでです。そして確信したのです。僕は親父に虐待されていたのだと。


 54歳の今でも、どうしたら笑顔になれるか模索中です。


 タンポポにいる時も、ほとんど喋りません。話がしたくても、何をどうすれば良いのか分かりません。作業中も他のメンバーは喋りますが、気が散るので僕は口を利きません。話かけられても、相づちをうつ程度です。


 子供の頃から、僕が喋ると「うるさい!黙れ!」と言われ殴られました。そんな感じなので、僕の心はいつもピリピリしていて、とても暗い性格になりました。


 でも、親父の事は恨んでいません。恨んだところで何も解決しません。とても不器用な男だったのだと思い全てゆるします。


 亡くなった親父には産んでくれた事に感謝しています。せめて親父が生きているうちに、言葉にして感謝の気持ちを伝えたかったです。


 それだけが心残りです。


 あなたは笑顔で家族と接していますか?


~~~~


 今日のタンポポの作業は、共同事業と呼ばれている場所の、廃油の回収作業の準備から始まりました。運転は職員と添乗に1名メンバーがつきます。


 僕は工場に残り、通常作業です。


 クエン酸の製品を作りました。僕は珍しくシーラーと呼ばれている、製品の口を閉じる作業をしました。200個作りました。間に2度、10分休憩が入ります。


 それから5㌔×2袋の段ボール箱を60箱作ります。


 途中で12時のお昼休みになりました。お楽しみのお弁当です。メニューはハンバーグとアジのカレー天ぷらです。アジがとても美味しかったです。


 13時から午後の作業です。


 5㌔の続きでした。60箱作り終わると、それを2階に上げました。残りの時間はチラシ折でした。


 時間は14時です。無事に作業終了です。平常作業なので報酬は2,100円でした。


 明日は午後からの混合作業のメンバーになっています。


 残業があり、更新時間が遅れます。それでも19時頃までには、更新出来ると思います。遊びに来て下さいね。


♦♦♦♦


 笑顔で…


 不器用な笑顔ですが、心を込めてお話しましょう。口角を上げるだけで、メンタルにとても良い影響を与えると聞きました。


 僕も真似してみましょう。


 あなたが来てくれる事で僕は笑顔になれるのです。これはもう、本当に自然と笑顔になれるのです。


 あなたは僕にとって大切な戦友なのです。一緒に僕の心の底にある自殺願望と闘って下さい。そして僕に本当の愛を教えて下さい。


 お話を聴いてくれるだけで救われるのです。お願いします。


 今日も最後までお付き合い頂き感謝です。


 もう1日生きていけそうです。ありがとうございます。


 どうか明日もあなたが逢いに来てくれますように……♡

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