第146話 残業の不参加

 お帰りなさい♡


 今日も朝から猛暑でした。このまま梅雨はあけてしまうのでしょうか。


 アルコールを2日間抜きましたが、もう飲みたくなってきました。その気持ちをコーラで散らします。僕は意思が弱いので、飲んでしまうかもしれません。アルコールを飲む事くらいしか楽しみが無いと気づきます。


 でも頑張って禁酒します。


 そうなんです。小説を書き始めたのです。あなたに読んで欲しいのです。あなたの「頑張れ!」の声が聴こえました。僕は書くのがとても遅いので気長にお待ちください。


 それでは今日も【生きてる証しが欲しいから】始まります。


~~~~


 今日のタンポポは、水曜日なので共同事業と呼ばれる廃油の入ったポリ缶と、空のポリ缶を入れ替える作業があります。


 トラックでドライバーの職員とメンバー1名が出ます。


 準備体操を終え、昨日回収した廃油の入った一斗缶を降ろす作業から始まりました。週に1度、水曜日に来る幻聴の強い男性も元気に来ています。


 一斗缶を全て降ろすと、トラックの出る準備をしました。10ℓと20ℓのポリ缶を積みます。そして少しの配達する製品を積み込み、準備完了です。


 トラックを出した後、製品作りが始まります。


 施設長が「粉砕のやりたい人!」と言うので、僕は元気に「はいっ!」と手を上げました。「龍神さんゴメン。龍神さんにはやって欲しい事があるの。」いたずらっぽく笑う施設長。


 それはホッパーでした。


 像の鼻を使い計量する作業です。僕の知る限り、メンバーの中でホッパーが出来るのは、僕ともう1人のメンバーだけです。もう1人はシーラーと呼ばれる粉石鹸の入ったビニール袋の口を閉じる作業をします。


 必然的に僕がホッパーをやる事になりました。


 2㌔の製品を400個作りました。一度に400個作るのは初めてです。黙々と像の鼻を使い計量していきます。


 間に10分休憩が2度入ります。


 「12時までに全部計量出来れば良いね!」施設長が僕を煽ります。ピッチを上げながら淡々と計量していきます。


 12時ジャスト、400個の計量が終わりました。


 「凄い!やるじゃん。」施設長は満足そうな笑顔で僕を称えてくれました。


 そしてお昼ご飯です。お弁当のメニューはカツ煮と肉茄子炒めでした。食べ終わると1階の休憩室で煙草を吸いました。


 幻聴の強い男性が1人でポツンといたので、お話をしました。


 年齢は31歳とまだ若いです。僕が話すと、どうしても女関係になってしまいます。男性は女性と付き合った経験が無いそうです。彼女が出来れば病気が治るのにと、力なく語ってくれました。趣味はテレビゲームだそうです。タンポポにはゲーム好きのメンバーが多いのですぐに打ち解ける事が出来るでしょう。


 応援しています。


 13時から午後の作業開始です。2㌔を紙袋に入れる作業です。13時30分に終わり、5分休憩です。それから2㌔のピッキング作業になりました。


 どう考えても14時に終わりません。職員のリーダーが残業できるメンバーを募ります。僕以外のメンバー、全員残業すると言いました。


 30分位の残業です。お金に換算すると300円です。


 しかし僕は辞退しました。バスが無いのです。この炎天下の中、歩いて30分はきついです。僕1人残業しなくても作業に何ら支障無いです。


 14時に1人タンポポを後にしました。


 今日は平常作業なので報酬は2,100円です。無理せずいきましょう。


♦♦♦♦


 残業の不参加。


 とても後ろ髪を引かれる想いでした。しかし無理をして具合が悪くなっても誰も助けてくれません。僕はもう若く無いのです。身の丈を知りしっそりと生きれれば良いのです。


もう54歳なのです。


 たらればはいけませんが、日の出屋にいたら後輩を指導する立場でしょう。もう涙も出ません。あるがままに自然体で生きていきましょう。


 今日も最後までお付き合い頂きありがとうございます。


 明日もあなたの帰りを待っています。


 行ってらっしゃい♡


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