第7話 工賃支給日
今日の作業はトラックに乗り石鹸の配達でした。
粉石鹸5㎏×2袋の段ボール箱、140ケース積み込み10校の小学校に配達します。ドライバーは職員の中山さん(仮名)です。
タンポポの職員は10名いますが全員女性です。僕が入った時、1名だけ男性が在籍していましたが今は退職していません。男勝り(すみません)の方が多く力仕事の多いタンポポの作業も難なくこなします。
トラックの配達はドライバーの助手として基本2名メンバーが同乗します。僕ともう1名は29歳の坂東さん(仮名)です。イケメンです。
タンポポのメンバーは全員男性で坂東さんは最年少です。病名は躁鬱病です。
僕のタンポポでの1番のお気に入りなのですがなかなか心を開いて貰えません。
二人でカラオケとか食事とかして親交を深めようと努力しています。いつの日か女性を誘い合コンするのが目標です。
今日は野川近辺の配達でした。
昼食はタンポポの中継地点であるセカンドと呼ばれる所で食事をしました。セカンドで働いている職員も精神障害者に理解があり心の優しい人ばかりです。
今日は楽で午後1時半には配達が終わり帰りの途につきました。
トラックの作業は時給が100円アップして700円になります。それとお昼時間も加算されるので普通の工場での作業よりも稼ぐ事が出来ます。
工場に帰ると2時を過ぎていました。9時半から計算されるので今日の作業は4.75時間でした。お金に換算すると3325円です。ちょっと物足りないですね。
今日は1月分の工賃の支給日でした。お給料と言わず工賃と呼んでいます。
僕は1月、インフルエンザB型にかかり、2週間休んだのでした。ただでさえ正月明けで休みが多く苦しい月になりました。
受け取ったのは18375円でした。また貯金を切り崩さなければなりません。
就職して早くタンポポを卒業しなくてはと焦りますが、居心地が良いのです。せめて障害者の就労A型になり月8万稼げれば良いのにと考え施設長に相談しています。
僕は元々営業のプロとして日の出屋で20年以上飛び込みをしていたので自信はあるのです。月8万円でプロの営業を雇えるのなら安いと思うのですがどうなんでしょう?
躁状態になり精神病院にお世話になる可能性が有るので怖いですけど。
自殺願望は消えません。
「もう頑張って来たから良いよね。」と心がささやくのです。
生きてる証しを探し求め今もなんとか過ごしているのです。
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