第327話 人のために
おかえりなさい♡
昨日は兄とその嫁さんと3人で焼肉を食べに行きました。
18時に焼肉店集合です。今年になり初めて会いました。
兄は従業員550名、年商35億円の食品会社のトップです。
僕は兄の会社に戻れるのか問いました。「昇の出来る仕事は無いな。だいたい手が痛いくらいで、今いる会社を辞めたいなんて言ってるようじゃ駄目だな。俺の会社の幹部連中は痛み止めの注射を打ちながら仕事してるぞ。手なんてアザだらけでも愚痴ひとつ言わないで頑張っている。昇が戻っても馬鹿にされるだけでいづらくなるだけだ。」
わかりきっていた答えに僕は言いました。「仕事が出来なくなったら、今の部屋を出て施設に入ります。兄さんには迷惑かけないようにします。」
僕の言葉に兄は無言でした。
エアコンの取り替えをした事を話した時です。11万円かかったので金銭的に苦しいと言いました。その時です。財布を取り出して、「これしかないよ。」と
1万円札をくれました。
数えると9万円ありました。
ありがたく頂きました。内心これで洗濯機が買えると思いました。
兄の会社での話になりました。ひと癖もふた癖もある連中をまとめるのが仕事だと言いました。普段からヤクザの親分になった演技をしているそうです。嫌われ役になる事も仕事だそうです。
この嫌われ役は、兄の会社にいた時は僕の役でした。
当時は仏の社長、鬼の専務と言われました。兄からは憎しみを持たれる嫌われ役にはなるなと言われました。本当に嫌われれば、辞めてしまいます。
話を聴いていると、とても懐かしい気持ちになりました。
僕の精神障害の話もしました。僕は過去7回の精神病院の入院歴があります。振り返ると定期的に事件を起こして入院になりました。
兄の会社を辞めてから、入院が無いのです。これはいかに兄の会社での過酷さがわかります。
今の生活はかなり物足りないですが、僕には丁度良いのでしょうね。兄の話はとても夢があり、聴いていてワクワクします。
もし食中毒など出したとしても、裸一貫でまたやり直せば良いんだと話してくれました。
最後に会社のトップを引退した後の事を聞かせてくれました。
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人のために。
ボランティアで良いので、人のために尽くしたいと言いました。
日本はこれから高齢化社会になります。兄はたくさんの身内の病気の世話をして生きてきました。親父、僕、姉、嫁さん、義母などです。どんな時にもへこたれず、前に進んで来ました。
僕は兄が泣き言を言うのを見た事がありません。
兄はきっと神様からの試練だと感じているようです。だから最後は病気で苦しんでいる人の役にたちたいそうです。自分の事でいっぱいいっぱいの僕には真似できません。
焼肉もお酒もとても美味しかったです。兄と食事をするとお会計は必ず全額支払ってくれます。
最後に「あんな会社(兄の会社)戻って来ない方が良いからな。」と笑顔で言いました。
恐らく次に会えるのは年末でしょう。
カラオケはリクエストすれば行ってくれるでしょうが、体調を崩すので止めました。たっぷりと2時間お話しできたので満足です。
頂いた9万円は大切に使います。
~~~~
2日連続の更新になりました。
あなたにお話を聴いて欲しかったのです。そしてあなたは逢いに来てくれました。
生きていくのは大変ですが、前を向いていきましょう。
お話しはここまでです。
どうか次もあなたに逢えますように……
いってらっしゃい♡
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