第694話 ぐちゃぐちゃなお弁当

 おかえりなさい♡


 平日は姉が僕の食べるお弁当を2個持ち帰って来てくれます。


 連日晴れの日が続き、姉は頑張って仕事に行っています。帰ってくると僕の部屋の呼び鈴を鳴らし、お弁当が来た事を知らせてくれます。僕は自転車置き場に行き、自転車のかごの中にあるお弁当を取り、部屋へ戻ります。


 最近になってから、ビニール袋に入れられたお弁当がぐちゃぐちゃになっている事が多くなりました。片道自転車で15分くらいかかります。ガタガタ道を走るのでお弁当が駄目になるのでしょう。


 おかずがカレーやシチューなどであると悲惨です。


 全部飛び散って残飯みたいになります。それでも僕は喜んで食べていました。ぐちゃぐちゃとはいえ食べられるからです。姉も意地悪してお弁当をぐちゃぐちゃにしている訳ではないと思います。


 今月は15日が土曜日で、支援金の振り込みを14日の金曜日にしてもらえる様にメールで兄にお願いしました。当日僕はお弁当を食べてから支援金を下ろしに行く予定でした。


 お弁当が来て僕は愕然としました。お弁当から汁がこぼれ、ビニール袋の中はびちゃびちゃになっていました。過去最悪と言っていい程、無残な状態でした。とても食べられません。


 僕は悲しくなりました。


 キッチンにお弁当を置いて食べるのをやめました。支援金を下ろしに川崎駅まで行くので僕は外食をする事にしました。


 銀行でお金をおろしいつもの中華屋でニラレバ炒め定食を食べました。夕食はいつもの市場で買って帰ろうと決めていました。手羽先の唐揚げが安くて美味しいのでそれを探しました。時間が早いので、まだできていませんでした。


 家に帰ればお弁当があります。おかずは駄目でもご飯は食べられます。僕は何も買わないで家に帰る事にしました。夕食は買い置きしてあるウインナーとレタスサラダと卵かけご飯にしました。


 そして姉にメールしました。お弁当がぐちゃぐちゃで食べられない事と、お弁当の乗せ方が悪いのではないかと言う事を書きました。


 返信がありません。


 僕の部屋の呼び鈴が鳴りました。姉が納豆と人参をあげるからと僕のところに来ました。「メール見た?」と聞くと「見てない」と言いました。


 僕はお弁当が最近ぐちゃぐちゃで食べられない事を話しました。「アハハ」と笑うので、笑っている場合では無いと僕は言いました。


 僕はビニール袋にお弁当の入れ方が悪いのではないかと言いました。入れ方を説明すると「わかった、来週からそれでやってみる」と言われこの話が終わりました。


 僕は姉が「持って来てもらえるだけ有り難いと思え」と言うと思っていました。話し合う事の大切さを教えられました。来週からぐちゃぐちゃなお弁当で無い事を願います。


 今日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 お話しはここまでです。


 どうか次もあなたに逢えますように……


 いってらっしゃい♡

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