第62話 自分の時間

 お帰りなさい♡


 昨日は沢山の応援コメントありがとうございます。1話で9人のメッセージを頂いたのは初めてです。


 とても嬉しくて泣いてしまいました。


 人生の時計は1度しかネジを巻かないというお話を知っていますか?


 その針がいつ止まるか、遅れるか、それとももっと早くか誰も知りません。今だけがあなたの時間です。生きて、愛して、心を尽くして働きましょう。


 明日があるとは思ってはいけません。何故なら、その時、人生の時計は止まっているかも知れないのですから……


 このお話は僕の亡くなった師匠から聞きました。自分の時間には限りがあります。大切に使える様になれたら良いですね。


 それでは今日も【生きてる証しが欲しいから】始まります。




♦♦♦♦




 今日のタンポポの作業は、廃油の回収でトラックとバンが出るのでその準備から始まりました。空の20ℓのポリタンクと10ℓのポリタンクを積み込みます。


 毎週水曜日は共同事業という名で呼んでいる場所に廃油を回収に行きます。運転はそれぞれ職員が、その助手にメンバーが1名ずつ乗り込みます。


 僕は工場に残り作業しました。


 まずはステンレス缶に入っている廃油をBDFを作る機械に移す作業から。BDFとは廃油で作るガソリンのようなものです。タンポポのトラックはこのBDFで走っています。


 「ほじほじ、しよ~」


 施設長の言葉に、あぁあれかぁとメンバーが言いました。そうです。クレートの底に入り込んだ石鹸をほじくり出し、綺麗に洗うのです。


 今日は通所メンバーが少なくて工場に残ったのは、僕を入れて3人でした。この「ほじほじ」する作業、地味で根気が要ります。そして手首と指が痛くなります。


 間に10分の休憩を2度入れて午前の作業が終わりました。


 お楽しみのお弁当です。メニューは豚カツ煮風に肉茄子炒めでした。毎日食べても飽きません。美味しく頂きました。


 午後も引き続き「ほじほじ」しました。


 1時50分になり、散らばった石鹸を綺麗に掃除して、2時の終了時間になりました。時間が経つのが異様に早いです。


 今日も通常作業なので2,100円の報酬です。


 明日の木曜日は混合作業は有りません。生産調整ですね。来週の木曜日から3週連続で混合作業があります。声がかかれば1日通しでやるつもりでいます。


 稼げる時に稼ごうと思います。




♦♦♦♦




 自分の時間と言うと、自由に使っていい遊びの時間だと勘違いしてしまいそうですが、働いている時も自分の時間なんですね。


 僕の場合は自分で選び、タンポポに来ています。これは紛れもなく作業に真摯に取り組む自分の時間です。


 54歳になり、これから同年代の人達の死を目の当たりにして、自分にも死が近いのだと感じる様になるのでしょう。


 時計のネジはいつ切れるのか?


 それは、僕のこれからの生き方にかかっているのでしょう。自殺する事を考えているうちに本当の死が訪れると思います。


 僕のお話を聴いてくれる、あなたの存在はとても大きいのです。


 あなたが来てくれないとこのお話しは完結します。応援よろしくお願いします。


 どうか明日もあなたが逢いに来てくれますように……♡


 

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