第10話 炊き出し
このお話は一昨年の11月までさかのぼります。
当時タンポポのメンバーに前田さん(仮名)がいました。36歳のバツイチで1人子供がいます。病名は統合失調症です。
重度のパチンコ依存症者で障害年金が振り込まれた翌日、お金を下して1日で8万円負けてしまいます。ある施設に入居していたのですが生活保護を受給出来る様になり施設を出てワンルームマンションに一人暮らしを始めたばかりでした。
それまでは施設でお金の管理をしてもらっていたのを、自分で管理する事になった矢先の事でした。食費がありません。
川崎市では毎週土曜日に多摩川の土手の水門でホームレスを対象にパンの配給があります。月末の土曜日だけカレーの炊き出しがあり、寄付された洋服も頂けます。
その翌日にはキリスト教会で無料で食事が食べられると聞きました。
このイベントに前田さんが参加すると聞き僕も連れて行ってくれる様に頼みました。僕もいつホームレスになってもおかしく無い状態なので。
まずはカレーの炊き出しから。
ホームレスの参加者は70名くらいいました。準備をするのを手伝うと炊き出しの終わった後、パンが貰えるので参加しました。
職員の指導で炊き出しが始まりました。テントが立てられその中に本部がありました。炊き出し初参加の人が呼ばれ行くとアンケートを書かされ、A4くらいの番号が書いてある紙を持ち写真を撮られました。登録するらしくこれには少し抵抗がありました。
カレーを調理している間に、土手沿いの大掃除をしました。1人1枚のゴミ袋を渡されゴミを拾います。
カレーが出来てテントの前に全員集合すると、先に洋服の支給になりました。初参加の者は前に出て下さいと言われ、出ると僕と前田さんの2人しかいません。
着れそうな服を選び先ずは1着頂きました。
それから常連のホームレスの人達が選んでいきます。1通り終わると2度目に選んで良いと言われもう1着頂きました。これを何度も繰り返し欲しい人がいなくなるまで続きました。それでも沢山の服が残っていました。
そしていよいよカレーの支給が始まりました。これも初参加の人が1番最初に頂けます。僕も前田さんもご飯を大盛にしてもらい川沿いでの立ち食いです。
カレーは出来立てでとても美味しく頂きました。
具材が無くなるまでおかわりして良いらしく、もう1杯ずつ食べました。食べ終わると最後に夕食用におにぎり2個と砂糖や飴など袋に詰めて頂きました。
後かたずけの人達が残り、解散となります。
みんな慣れていて、手際よくあっという間に終わりました。そしてご褒美のパンの配給です。大手スーパーのパンでした。
僕は偏見があり配られるのはもしかして賞味期限切れのモノでは?と思いましたが安心して下さい。きちんとした商品でした。
僕はパンケーキを頂き、前田さんはロールパンを選びました。
これで炊き出しの全てのスケジュールが終わりになりました。
明日はキリスト教会です。
イエス・キリストには興味があり1度参加したいと思っていたのです。前田さんは参加した事が有り、ちょっとお祈りしてご飯食べるだけだからと言いました。
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さて、今日はお話しが長くなりました。キリスト教会のお話しは明日書き込みたいと思います。
実は今日、今年になり初めて久し振りにキリスト教会に参加したのでした。毎週日曜日に礼拝があります。参加者はほとんどがホームレスの人達です。
読んで頂き、☆レビュー、コメント頂けると1日頑張れます。
今、カクヨムのジャンル別ランキング週間5位に【生きてる証しが欲しいから】がランクインしています。これは読んで頂いている方々のお陰様です。感謝の気持ちで一杯です。
自殺願望は消えませんが今を嚙みしめ生きていきます。
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