魔王少女物語
ナオキ
第1章 新天地
第1話はじめての国造り
無限に広がる宇宙、それは人界に限った事ではありません。天界・魔界・霊界にも同様にあります。魔界宇宙には星の数だけ『国』が存在し、この物語は産声をあげたばかりの国で魔王になった少女の物語・・・
魔界時間10:00 建国予定地
アリス:人界での研修も終わってようやく魔界に帰ってこられたよ〜
アリスの前に現れるヴァンパイア族の女性
ヴァンパイア族の女性:建国・御即位おめでとう御座います陛下。
アリス:ふえ?
ヴァンパイアの女性:何を呆けているのです?貴女の事ですよ?
アリス:ひょっとして・・・中央政府から派遣された秘書の方ですか?
ヴァンパイアの女性:はい、本日付で女王秘書官となります。ヴィオラ・クローズです。
アリス:宜しくお願いします。
ヴィオラ:早速ですが陛下、陛下が先ずやるべき事はこの国とその周辺国家の事を知る事です。ここは魔界宇宙で中枢にあたる『魔王界』である事は当然ご存知ですよね?
アリス:うん、魔王界の周辺に『地獄界』『獣王界』『邪神界』があるんだよね!
ヴィオラ:その通りです。『魔王』とは魔界の頂点に立つという意味ではなく、『魔界にある国を統治する王』これを縮めて『魔王』というのも当然ご存知ですね?
アリス:当然だよ〜
ヴィオラ:この国が6つに分かれる魔王界のほぼ真ん中にあるのは何故ですか?中立を選択した事と関係が?
アリス:そだよ、それに6つの国の中央にある事で交易もし易いでしょ?
ヴィオラ:正確には6つの国とその傘下の国々ですね。
アリス:うん、でも・・・・それだけに凄く栄えてるかと思ったのに、なぁ〜んにも無いんだよね〜。
ヴィオラ:私も気になって調査しました。どうやらこの国土は『どの魔王様も』選ばなかったそうです。
アリス:え?どうして?
ヴィオラ:陛下のおっしゃる通り、ここは交易に凄く適した地であり、莫大な資源が眠る地でもあります。その利点から多くの新人魔王様はここを一度選ぼうとするのですが、その周辺諸国を知り即座に諦めるそうです。
アリス:それってどういう意味?
ヴィオラ:陛下・・・まさかとは思いますが、どの『6大魔王』様の傘下に入るか迷った挙句、中立で魔王界の真ん中なら無難という理由だけで選んだんじゃないでしょうね?
目が泳ぐアリス
アリス:そ、そそそんな事・・・・すみません、ヴィオラさんの言う通りです。
深いため息をつくヴィオラ
ヴィオラ:はぁ〜・・・・・では陛下、これをご覧ください。
モニターに国と周辺諸国を映すヴィオラ
アリス:えっとぉ、農林水産超大国『カントリア王国』軍事超大国『ウエポニア帝国』科学超大国『サイエント共和国』金融超大国『バンクフルト合衆国』メディア超大国『グローバリア公国』鉱物資源超大国『フローズンダスト連邦』・・・うわぁ〜、国力100兆超えの大物ばっかり。どれも『6大魔王』のNo.2の国だ。
ヴィオラ:ご理解頂けましたか?これが新人魔王様達がこの地を『諦める理由』です。この地はこれら『超大国クラス』が喉から手が出るほど欲しがる地なのです。故に一度決めてもこの6つの国から戦争を仕掛けられ惨敗しているのです。
魔界の戦争は武力によるものによるものではなく、如何に人間に魔界と親交を深め、その国の『親善大使』若しくは『移住』させられるかで競うもので、その人間の『良心ランク』が高ければ高いほど有利になり勝てるのが魔界での『戦争』なのです。
アリス:あうぅ、前途多難だ〜
ヴィオラ:最初の内は心配には及びません。
アリス:そ、そうだった!この地は未だ中央政府から保護されてるんだった‼︎
ヴィオラ:その通りです。この保護期間の内に多くの『良心ランクA以上』の人間に一人でも多く来てもらい、同時にこの国を発展される事です。
アリス:よ〜し!やるぞぉー‼︎
ヴィオラ:その前に『足場固め』からですよ陛下、まずはこの国の事を把握しておかないと。それに閣僚人事等やる事は沢山ありますよ。
アリス:あ〜、うん、頑張るよ。
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