第10話公王グローバリア

 魔界宇宙中央政府による魔王初心者保護期間の終了が間近に迫り、国土争奪戦争の対戦相手が告げれる。それはアリス達の予想した通りの『あの国』であった。


 魔界時間9:30 女王執務室


 執務室の机のモニターに映るオペレーター


 オペレーター:陛下、中央政府より専用回線でアクセスを求めておりますが如何致しましょう?


 アリス:繋いで〜♪


 オペレーター:承知致しました。


 モニターに映る中央政府高官


 中央政府高官:この度はシルフィード王国建国おめでとうございますシルフィード女王陛下。


 アリス:ありがとうございます!


 中央政府高官:早速ですが、当局の調査により貴国は国力998。間も無く国力1000に到達するので中央政府の保護期間が終了する事をお知らせに上がりました。これにより、『国土争奪戦争』への挑戦権が使用可能になります。


 アリス:同時に戦争を仕掛けられるって事だよね。


 中央政府高官:その通りです。ルールはご存知ですね?


 アリス:うん!大丈夫。準備も進んでるよ♪そろそろウチの国への宣戦布告の申請書がそっちに届いた頃じゃないかな?メディア超大国『グローバリア公国』からの。


 中央政府高官:ど、どうしてそれを⁉︎


 アリス:実はね・・・・・


 これまでの経緯を説明するアリス


 中央政府高官:グローバリアの特殊部隊による偵察・・・既に動いていたとは。対戦国を予想して直ぐに動くその対応能力の高さ、頭の下がる思いです。


 一方 グローバリア公国 グローヴサーフ宮殿


 グローバリア公王:フフフ、また愚かにも『彼の地』に国を築いた者がおるそうだな?ハーメル。


 宰相ハーメル:陛下の魔王具『万里の見聞録』のお陰で遅れをとらずにすみましたな。


 グローバリア公王:しかし、相手国は国家ランク圏外。吾輩の魔王具は使えん。まぁ、あんな弱小国軽く揉んでやるワイ!


 宰相ハーメル:前回は深淵の森を手に入れた直後に軍事超大国『ウエポニア帝国』が相手国の首都を陥落させてしまいましたからな。


 グローバリア公王;あのマヌケがいきなり首都を陥落させたから獲得した吾輩の深淵の森が無かった事になってしまったワイ。


 宰相ハーメル:『エリアフラッグ』の無い国土は如何にその国の国土といえど、別の国が首都陥落させると無効になるのがルールですからな。


 グローバリア公王:あの新米魔王の小娘がちゃんとエリアフラッグを立てておらんのが悪いのだ!


 宰相ハーメル:もしこれが彼女の、先代新米魔王の『策』だとすれば相当なやり手かと。


 グローバリア公王:うむ。吾輩もそう思って我が国に迎え入れようとしたが、未だ行方が分かっておらん。確かその者の名は『旭野 薫』だったか。どれ・・・


 魔王具『万里の見聞録』を開くグローバリア公王


 グローバリア公王:・・・・・・・⁉︎


 宰相ハーメル:如何なされました?


 グローバリア公王:居た!今まで何度も魔王具を使っても見付からんかった薫が見付かったぞ!


 宰相ハーメル:して、何処に?


 グローバリア公王:むむむ〜!今は今度の女王の下に仕えておる‼︎


 宰相ハーメル:ななんですと⁉︎


 グローバリア公王:あんの小娘〜、なかなかやりおるわ!ならば薫共々深淵の森も喰らってやるわ‼︎


 シルフィード王国 王城 女王執務室


 アリス:じゃあ薫ちゃんはこの国の魔王だったんだ。


 薫:『元』だがな。


 アリス:グローバリア公国に負けちゃったんだよね?


 薫:ま、結果的には深淵の森を取られずに済んだ。


 アリス:グローバリア公王の『目的』を知ってウエポニア帝国に宣戦布告したんだね?


 薫:あぁ、一度に2カ国までなら宣戦布告がルール上可能だからな。それに深淵の森をグローバリアに取られたくないというの点で私とウエポニア皇帝の利害が一致したのだ。


 アリス:それで魔王の資格を返上して国力を差し出す事を条件に『八百長戦争』したんだ。


 薫:あぁ、結局『国土争奪戦争統合管理局』にバレて資格剥奪そしてウエポニア帝国は私が差し出した国力を没収されて100年間宣戦布告禁止という処分が下されたというわけだ。さて、後はアナスタシアの帰りを待ちながらギリギリまで力をつけて開戦を待つばかりだな。


 アリス頼りにしてるよ薫ちゃん♪


 薫:あぁ、任せろ!グローバリアのジジイに一泡吹かせてやる‼︎






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