第11話開戦!国土争奪戦争(前編)

 国の基盤が間一髪で盤石のものとなったシルフィード王国。遂に『国土争奪戦争』開戦となる・・・


 魔界時間8:13 シルフィード王国首都アイリス 国際次元空港到着ロビー


 アナスタシア:アリス〜!


 アリス:お帰りアナスタシア♪この人達が?


 アナスタシア:そう!『国土争奪戦争』に参戦するお2人よ。


 聡明な初老の男性:はじめましてシルフィード殿、及ばずながら参戦させてもらいますぞ。


 気品ある穏やかな女性:私も参戦しますわ。夫共々よろしくお願いしますね♪


 アリス:ようこそ御二方、シルフィード王国女王、アリス・シルフィードです!


 聡明な初老の男性:お若いと聞いておりましたが、想像よりも随分とお若い。しかしながら私には判る。貴女は他に類を見ぬ『名君』の器を持っている様だ。貴女の様な女王に統治されている国民はさぞ幸せであろう。周りの者達を見れば一目でわかりますぞ♪


 アリス:えっへへ〜!有り難うございますぅ〜♡


 ヴィオラ:長旅でお疲れでしょう?早速城の方へご案内致します。


 魔界時間9:00 王城謁見の間


 聡明な初老の男性:それにしても『飛行機』とやら、本当にあの鉄の塊が空を飛ぶとは驚きです。


 ヴィオラ:魔界は空間転移という技術で移動するので基本『乗り物』は必要ないんです。ただ、星から星、ここからあなた方の別次元の宇宙に行くときは流石に乗り物が必要ですけど。


 玉座の目の前のモニターに映るグローバリア公王


 グローバリア公王:これはこれは、お初にお目にかかる!


 聡明な初老の男性:あの御仁は?


 アリス:今度の国土争奪戦争の対戦国、メディア超大国『グローバリア公国』公王チャールズ・グローバリア13世ですよ。


 聡明な初老の男性:メディア?


 アリス:う〜ん、貴方のトコでいうところの『情報』ですね。グローバリア公国は魔界宇宙一あらゆる情報が集まる国なんだよ。


 グローバリア公王:ふむ?貴殿の参戦者はその『2人』か?


 アリス:?


 グローバリア公王:あぁ〜、いや、こっちの話だ。では後程・・・


 通信を切るグローバリア公王


 アリス:ただの・・・挨拶?


 ヴィオラ:さぁ?


 アリス:さぁ皆んな!初めての国土争奪戦争、気合い入れていくよー!


 一同:おーーーーー‼︎


 魔界時間11:00 シルフィード王国・グローバリア公国国境 ワイズ大平原


 司会:全魔界宇宙の国土争奪戦争ファンの皆様こんにちは!今回はここ、新興国シルフィード王国と皆さんご存知メディア超大国グローバリア公国国境ワイズ大平原から生放送でお送りします!


 武崎アナ:実況は私、OHN(オールヘルネット)テレビアナウンサーの武崎(たけざき)と、解説は国際政治学者の風間 仁(かざま ひとし)博士がお送りします。早速ですが風間博士、今回の戦争どの様に見ますか?


 風間博士:そうですね、今回の戦争、見方によればグローバリア公国の有利でもあり、不利でもある一戦と言えますな。


 武崎アナ:と、言いますと?


 風間博士:今回の国土争奪戦争の対戦国のシルフィード王国の国力は1000で国家ランク圏外の新進気鋭といえど最小国。それに対してグローバリア公国は国力130兆の国家ランクSSの超大国クラス。国土争奪戦争法により『魔王具』の使用は禁止となります。


 武崎アナ:なるほどぉ〜、相手国の良心ランクのS以上の人間が2人以上参戦すれば

 逆転勝利される可能性もあるからなんですねぇー!


 風間博士:その通りです。


 武崎アナ:果たして勝者はどちらの国か?いよいよ開戦です!


 審判:ではシルフィード王国、『深淵の森』のエリアフラッグと外交大臣『旭野 薫』を前へ!


 深淵の森の権利書であるシルフィード王国の国旗のエリアフラッグを持ち壇上に上がる薫


 審判:続いてグローバリア公国、『朝霧の里』のエリアフラッグと『蜃気楼衆』代表『頭領 アズサ』前へ!


 朝霧の里の権利書であるグローバリア公国の国旗のエリアフラッグを持って壇上に上がるアズサ


 審判:では先行、グローバリア公王陛下、先鋒を・・・


 グローバリア公王:では吾輩の先鋒はこの者だ。


 鎧を着た金髪の女性が前へ出る。


 観客:おーーーーーーーーー‼︎


 武崎アナ:な、なななぁ〜んとーーー!グローバリア公国が先鋒として出したのは誰もが知る『ジャンヌダルク』だーーーー‼︎


 アナスタシア:ジャンヌダルク?


 武崎アナ:知らない方の為に閻魔庁からの情報をお伝えします。ジャンヌダルクとは、人界歴1412〜1431年に活躍したフランスという国の英雄で、フランスの危機を救ったものの、イギリスという国に捕らえられ処刑された悲劇の英雄とされており、その良心ランクは〜・・・・Sであります!


 アナスタシア:良心ランクSですって⁉︎


 アリス:大丈夫!こっちには『切り札』があるでしょ?


 アナスタシア:そ、そうね。


 武崎アナ:これはいきなり大物が出てきましたねぇ〜、解説の風間博士?


 風間博士:そうですね〜。


 武崎アナ:これはどういう事なのでしょう?


 風間博士:おそらく、今回魔王具『万里の見聞録』がルール上使えない為最初で引き離しつつ相手の出方を見て攻める戦略でしょう。


 武崎アナ:な、なるほど〜。おっとぉ〜、どうやらシルフィード王国の番の様です。


 審判:では後攻シルフィード女王陛下、先鋒を・・・・


 アリス:それではこちらは彼女を・・・


 前へ出るアナスタシア


 武崎アナ:おっとぉ、こちらは何方でしょう?少々お待ちください・・・お待たせしました。たった今入った閻魔庁からの情報によりますと、この方は異界なNo.200地球の大国グラスト王国の王国騎士団の団長で勇者であり、その良心ランクはAA!こ〜れ〜は惜しい‼︎グローバリア公国が大きくリードだーーーー‼︎


 グローバリア公王:フッ、とんだ取り越し苦労であったか♪


 審判:ではグローバリア公王陛下、次鋒を・・・


 グローバリア公王:これでチェックメイトだな♪



 壇上に上がる眼鏡のインド人の老人


 武崎アナ:なぁ、なぁんとーーーーー⁉︎グローバリア公国次鋒は伝説の偉人ま、『 マハトマ・ガンジー』だーーーーー‼︎


 気品ある穏やかな女性:ガンジー?どんな方かしら?


 武崎アナ:それでは再び知らない方の為に閻魔庁からの情報をお伝えします。マハトマ・ガンジーとは、人界歴1869〜1948年に弁護士・宗教家・政治指導者として活躍したインドの偉人。非暴力を武器に闘いインドの救世主となった人物。良心ランクは驚異のSS!更に引き離されたーーーー!


 審判:ではシルフィード女王陛下、次鋒を・・・


 アリス:我が国の次鋒はこの方です。


 壇上に上がる気品ある穏やかな女性


 武崎アナ:おおっとぉ?この方は何方でしょう?・・・あ、たった今閻魔庁から入った情報によりますと、この方はグラスト王国王妃マリア・グラスト様、王国とその近隣諸国で病魔が襲った。その時たった一人で立ち向かい、元医学博士であるこのお方は病気の特効薬を開発し、1000万人の命を救った『奇跡の聖母』の異名を持ったその良心ランクはなんと、SSだーーーー‼︎


 グローバリア公王:フッ、これでもう終わりだ。何故なら向こうの参戦者は『2人』なのだからな♪次は良心ランクは低いが、これで『勝ち』だ!


 審判:それではグローバリア公王陛下、大将を・・・


 グローバリア公王:大将はこの者だ・・・


 壇上に上がる髷に和服の男性


 武崎アナ:おっと?この方は確か・・・『伊能忠敬』であります。これはどういうことだ〜?



 聡明な初老の男性:伊能忠敬?


 武崎アナ:では知らない方の為に閻魔庁からの情報を、伊能忠敬とは、人界歴1745〜1818年に活躍した日本という国で最初に正確な地図を作った偉人、しかしながらこの方の良心ランクはA、これはどういう事でしょう?


 風間博士:これはもう勝敗はグローバリア公国にありと考えていいでしょうな。グローバリア公王の『魔王具にも記せない人物』という公王にとっての『突発的なアクシデント』でもない限り・・・


 審判:それではシルフィード女王陛下、大将を・・・


 グローバリア公王:フン!いるわけがなかろう♪


 壇上に上がる聡明な初老の男性


 グローバリア公王:な⁉︎そ、そんな・・・馬鹿な⁉︎


 後編へ続く・・・・・

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