第312話深海の法王テイオウホエール
アオイ:フォートレストータス・アイランドクラブからのSOSを受けてビーストガーディアンズが出動します!そこに最近影が薄くなってきてるあの人が新隊員に加わるらしいのですが。さて、皆さんはわかりますか?
魔界時間21:00 シンエン海域深海6500億m地点
サブマリンマンタに乗るビーストガーディアンズと合流する2匹
ハル:・・・はい、伝えます。フォートレストータスはこう言っております『我等の窮地によくぞ駆けつけてくれた。小さき英雄達よ』と。
ちびっ子3人:ふえ?
ハル:ええと。よく来てくれた、ありがとうヒーロー達と言ってるんですよ♪
ちびっ子3人:ヒーロー!
ハル:・・・わかりました。アイランドクラブはこう言っております。『どういうわけか。テイオウホエールの奴、所構わず色んなモン吸い込んでは深海を爆走してやがるんだ。正直俺達じゃお手上げだ。期待してるぜ!ヒーローさん達よぉ♪』だそうです。
オリビア:テイオウホエールの吸引行動は周囲の空間プランクトンという次元エネルギーを帯びた微生物を食べるための行為。確かに頻度が高いようね。
リネフィ:生物の異常行動には必ず『理由がある』多分体内に何か『本来いない筈の何か』がいるんじゃないかしら。
晃斗:例えば?
リネフィ:テイオウホエールの食当たりとか?
杏:しょくあたり?
リタ:リタ、しってる。しょくあたりっておなかこわすってことでしょ?
小雪:そうなんだべか?
ハル:流石はリタ様。その通りでございます♪
杏:おなかこわすって、おなかイタイイタイです!
オリビア:食当たりなら相当暴れる筈。となれば爆走するなんてあり得ない。ましてや吸引行動もね。
モニターに映るジュリア
ジュリア:それについて我が国の環境観測所から報告があって。テイオウホエールの吸引行動の後の空間プランクトンの数が通常の5倍減っています。
オリビア:体内の異物、空間プランクトンの大量摂取、そして何処かに向かって爆走する行為・・・まさか!
リネフィ:オリビア、アンタが考えてるの相当ヤバイと思うけど。言っていい?体内の異物の正体。
晃斗:それは一体・・・
オリビア:ハイビス大統領閣下、正直に言ってください。もしかしてテイオウホエールの体内から『時空エネルギー反応』が出てるのではありませんか?
ジュリア:・・・・・・・
オリビア:もしそうならこの国だけの問題ではすみませんし一刻を争います。答えてください‼︎
ジュリア:・・・・・・はい。オリビアさんの言う通り。テイオウホエールの体内から微量の時空エネルギー反応が確認されました。
リネフィ:最悪の事態ね。
晃斗:今のテイオウホエールは『生きた空間力潜水艦』いや。『空間力爆弾』って事か。
アオイ:人間の皆さんに分かり易く言うと例えるなら『生きた原子力潜水艦』『原子力爆弾』という事ですよ。
ミリア:うぅ、今度は爆弾の中って事ですかぁ。
エリカ:(私は正直ミリア(裏)の方が危険だと思う)
桜:それで、今回の作戦は?
オリビア:今回は桜、ミリアさん、そして援護魔法にエリカさん。回復役に杏姫。そして『新隊員』が前線として合流予定よ。
桜:新メンバーかい?
オリビア:ミリア(裏)について心当たりがあるって言ってたわ。
ミリア:(裏)?
オリビア:コホン!じゃあ改めて作戦内容を説明するわ。今回はテイオウホエールの体内に潜伏している
晃斗:時空河豚。体内に時空エネルギーを持った魚だな。
リネフィ:ええ。時空河豚は本来ティアマット族の純血種、時空枢機卿ウォッチマン公爵の領内にしか生息してないの。そこは時空河豚の餌である時空エネルギーが豊富にあるから。
オリビア:当然、時空エネルギーの無いこの海域では生存不可能。そこへテイオウホエールがいつもの様に食事してるところ・・・
晃斗:突如転移してきた時空河豚の群れを誤飲した・・・か。
リネフィ:幸い彼の・・・あ、アレ雌だった。彼女の体内には時空河豚を刺激するものはないから『今のところ』問題ないんだけど。いつ何かの弾みで爆発しようものなら・・・・
桜:考えたくもないけど、次元大震災クラス・・・いや、それ以上の大災害を引き起こしかねない。
オリビア:例によってタイムベルト領主ジーク・T・ウォッチマン公爵には許可を得てるわ。
リネフィ:時空河豚を殲滅させるには迅速な解体が求められる。
桜:ああ。だからミリアか。
ミリア:え?え?
オリビア:新隊員は既に体内に潜入しているわ。皆んな、準備は良い?
潜入チーム:おー‼︎
リネフィ:ハル、テイオウホエールとの距離は?
ハル:間も無く転送可能です!
オリビア:今回は次元エネルギーを使った道具は一切使えない。つまり・・・
晃斗:原因を取り除くまで出られないって事か。そういう事ならこの子は置いていった方が良くないか?
オリビア:それについては新隊員が守ってくれるわ。なにせ・・・ううん。それは合流してからのお楽しみ。
ハル:転送可能海域に到達しました!
オリビア:それじゃあ皆んなの健闘を祈るわ!
魔界時間21:45 テイオウホエール体内
ウトウトする杏
ミリア:杏ちゃん眠そうだよ〜。
桜:無理もないさ、良い子もう寝る時間だからな。
晃斗:ミリア、その子を背負ってくれ。
ミリア:わかった。
エリカ:行こう!
30分後テイオウホエール胃袋エリア
エリカ:うわぁ、まるで海ね。あ、島まである。
晃斗:気をつけろ、海水も混じってるがかなり強力な胃酸だぞ。
用意した耐酸ボートで島へ向かうメンバー
エリカ:本当に島ね。
ミリア:あ、あそこで誰か釣りしてる。
桜:テイオウホエールの吸引行動に巻き込まれたんだろうね。それにしても呑気だね〜。
天使族の女性:お〜!また釣れた・・・って。まぁた河豚だよ。およ?
ミリア:あれ?貴女確か、アリスさんトコの名前は・・・そう!ピエトラ!
ピエトラ:だいせ〜いか〜い♪
ミリア:どうしてまたこんな所にいるの?
ピエトラ:それがね〜、君達の新メンバーと一緒にサブマリンマンタってヤツに乗って途中ボクの目的の島に降ろしてもらったのは良いんだけど。その1時間後にでっけえクジラに飲み込まれてこのザマってわけよ♪
ミリア:大きいクジラってテイオウホエールの事だね。
ピエトラ:今んトコ滞在用の食料で食い繋いでるけど、流石にヤバイと思って釣りしてたら見た事ない河豚ばっかり釣れるわ調理法知らね〜わでもう大変だよ〜。
ミリア:それ結構捌くのにスピードを求められる魚なんだ〜。そうしないとうっかりモタついてたら大爆発するよ〜。特にその赤い角みたいなのは触るのNGだよ〜。猛毒だから。
ピエトラ:つくづく危ね〜魚だなコレ。
晃斗:おい。良い報せと悪い報せがあるが、どっちが聞きたい?
桜:良い報せから聞いた方が身のためだよ。
ミリア:じゃあ良い報せを。
桜:良い報せは新メンバーが近くにいる。この気配は『あの人』だから間違いなく味方だよ♪
エリカ:それじゃあ悪い報せは?
晃斗:時空河豚の群れに囲まれた。
ミリア&エリカ:えーーーーーー⁉︎
杏:う〜ん。うるさいです!
ミリア:あ、ごめん。起こしちゃった?
晃斗:あの一際デカイのが時空河豚の群れのボスか。
ピエトラ:ところで、このクジラ。爆走してるって聞いたけど、どこ向かってるの?
ハル:・・・・はい。彼女が言うには『その河豚達は危険です。万が一が起こっても良い様に安全な海域まで移動しています。どうかその間に河豚達の事をお願いします』と言ってます。
ピエトラ:クジラの言う事わかるのかぁ。スゲー♪
ミリア:エリカさん。私の調理セットを・・・早く!
エリカ:え?ええ。(正直渡したくないなぁ)
包丁を持って人格が変わる
ミリア(裏):さて、始めるか。貴様等を・・・捌く!
少女の声:やっぱり。その紅く鋭い眼光、間違いない。久し振りだね『団長』
ミリア(裏):アリスか。随分見ないうちに性格が丸くなったな。やはりあの爺さんのもとに送ったのは正解だった♪
杏:ねえしゃま♡
桜:え?アリス⁉︎
エリカ:じゃあ新隊員って。
アリス:そう、私だよ♪
桜:アリス、ミリア(裏)が誰だか知ってるのかい?
アリス:ミレイ・アクガリタル。それが、ミリア(裏)の正体だよ。
桜:ミレイ・アクガリタル?ミリアの身内かい?それに団長って。
アリス:ああ。今の苗字じゃピンとこないね。じゃあ、ミレイ・リーズレットと言えばわかる?
桜:え⁉︎ミレイ・リーズレットっていったら『隻眼の神風』で有名な伝説の傭兵の?
アリス:そう。私の一個前の団長、それが彼女。ハルが見せてくれた映像のあの速さと技のキレで確信したんだよ♪
ミレイ:やれやれ、こんなにも早くバレるとは。
アリス:ミリア姐さん守るために凶弾に撃たれて死んだって聞いたけど?
ミレイ:アンタがまだ黒翼の剣に居た頃あの子はもうアンタの2つ上だった。流石にいつまでも表の家業の料理人との両立が難しくなってね。引退前に因縁ある奴はあらかた片付いたが、流石に油断した。とっさにこの包丁に宿ったってわけだ。
桜:じゃあミリアは人格が変わったんじゃなくて・・・
ミレイ:私があの子の身体を借りてるってわけさ。
桜:どうりであんな尋常じゃない動きするわけだ。
ミレイ:さて、詳しい話はこいつ等片付けてからだ。アリス、新隊員になったからには手伝いな!
アリス:了解♪
ミレイ:桜、アンタはあの親玉の角を撃ち抜け!エリカ、アンタはその前に1匹残らず結界張りな!その後アリスはそのパラライズナイフで麻痺させてその後私が捌く!
杏:あんずはなにするです?
ミレイ:お嬢ちゃんはあちこちに出来てるクジラの傷を治癒魔法で治しな♪
杏:あい!
一方大統領官邸
ジェシカ:ねえ。このテイオウホエールの進路。ヤバくない?
ジュリア:はい、非常にマズイです。このまま進めば次元エネルギー生成プラントのあるエネルゴン島に突っ込みます。
ジェシカ:ただでさえヤバイ爆弾抱えてるのにそこに次元エネルギー生成プラントなんかに突っ込みでもしたら・・・
ジュリア:シーラント諸島連合国だけでは済まなくなります。
ジェシカ:作戦終わるまで通信出来ないんでしょ?
ジュリア:ええ。次元エネルギーを含んだ電波を時空河豚が受けでもしたら即大爆発です。
自然観測所から通信が入る
オペレーター:テイオウホエール次元エネルギー生成プラント到達まで残り1000m!
ジェシカ:もうダメだーーー!
オペレーター:テ、テイオウホエール。残り50mで停止し元いた海域に向け旋回を開始。移動を始めました!
ジュリア:た、助かった?
アリス:あー、あー。こちらアリス。ミッションコンプリート♪
大統領官邸内に歓喜の声が響き渡る
ジュリア:皆さんご苦労様でした。詳しい話を聞きたいのでお待ちしております。
潜入チームが戻る
オリビア:さあ!トワイライト島に戻るわよ♪
全員:おー!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます