第7話勇者の出現

 財政大臣 鈴峰 麗華(すずみね れいか)と新たに入閣した科学大臣ソフィア・クルーガーの協力により都市開発と国の科学水準は格段に上がり、シルフィード王国も軌道に乗り始めたある日、軍務省より気になる報告があった・・・


 アリス:金融機関と企業の誘致も出来て建設ラッシュが凄いねぇ〜


 麗華:それが『発展する』ゆう事どすぅ〜♪


 ソフィア:さてぇ〜、お次はなんだい?


 静香:ごめん、ちょっと良い?


 ソフィア&麗華:?


 アリス:どしたの?静香ちゃん。


 静香:巡回中の兵士からの報告があって、兵士が言うには『勇者』を名乗る人間が現れたそうよ。


 アリス:ゆ、勇者ぁ〜⁉︎


 麗華:何処におるん?


 静香:『深淵の森』よ。


 アリス:深淵の森って国立自然公園の?


 ソフィア:そういや、誰かいるような気配があったがありゃ、気のせいじゃなかったか。


 静香:今調査隊を編成して調査にあたらせてるわ。


 一方、魔界時間9:08 シルフィード王国国立自然公園『深淵の森』


 調査隊隊長:この辺りか、『勇者』を名乗る人間の目撃情報のあったのは。


 隊員A:ハッ、目撃者は付近の集落に住むゴブリン族の老夫婦で、ここ深淵の森を夫婦で散策中襲われそうになり、敵意がない事を知るなり姿を消したとか。


 調査隊隊長:老人子供には手は出さない・・・か。


 隊員B:報告!


 調査隊隊長:どうした?


 隊員B:首都周辺にて『勇者』の目撃情報あり‼︎


 調査隊隊長:何⁉︎


 同時刻 首都近郊 国立中央銀行建設現場


 先輩作業員:この国も大分国らしくなったな♪


 後輩作業員:そうっスね、この銀行が出来ればそれを中心にもっと発展出来るんスよね♪


 自称勇者:ちょっといいか?


 先輩作業員:ん〜?兄ちゃん珍しい格好してんな、コスプレってヤツかい?


 自称勇者:あの城の主人(あるじ)は誰だ?


 後輩作業員:誰って、そりゃアンタ、『魔王様』に決まってるだろぉ。


 自称勇者:・・・・そうか


 足早にその場を去る自称勇者


 先輩作業員:ちょっとアンタ!あ〜、行っちまったよ。


 後輩作業員:どうします先輩。


 先輩作業員:取り敢えず通報しとくか。


 デバイスをとり、通話する先輩作業員


 先輩作業員:あ〜、軍務省の方ですか?実は先程ですね〜・・・・


 同時刻 王城 大会議場


 静香:たった今銀行建設現場作業員から通報があったわ。例の『勇者』を名乗る人間が真っ直ぐにこの王城に向かっているそうよ。


 ヴィオラ:如何致しましょう陛下?


 アリス:勇者かぁ〜、実在してたんだねぇ。


 ヴィオラ:まぁ、人界宇宙は多次元で構成されているので実在してても不思議ではないでしょう。


 アリス:じゃあ、『客人』として迎え入れよう♪


 静香:アリス!それ本気で言ってる?


 アリス:本気だよ、1人でも多く人間達の魔界に対する『誤解』を解くチャンスだと思わなきゃだよ。お願いねヴィオラ♪


 ヴィオラ:陛下の御心のままに。


 魔界時間10:10 王城 正門


 自称勇者:魔王城という割には禍々しさを一切感じられない城だな。


 王城の門が開く


 ヴィオラ:お待ちしておりました『勇者様』どうぞこちらへ、女王陛下がお待ちです。


 王城謁見の間


 アリス:ようこそシルフィード王国へ♪アタシがこの国の女王様やってるアリス・シルフィードだよ〜。


 自称勇者:君がこの魔界を統べる魔王!


 アリス:う〜ん。半分正解半分不正解。


 自称勇者:?


 麗華:なかなか綺麗な面立ちの勇者はんどすなぁ〜、まるで女の様やわぁ


 アリス:魔王っていうのは『魔界の中にある国の王様』の略でぇ、魔界全ての王って意味じゃないんだよ。『お姉さん』


 静香:ええ⁉︎女?


 アリス:もしかして静香ちゃん気付いてなかったの?


 ソフィア:胸もサラシと鎧で押さえつけてるけど、ありゃ人間の中じゃ相当大きいよ〜


 静香:き、気付かなかった。


 麗華:やれやれ、静香はんもまだまだどすなぁ〜


 自称勇者:私をどうするつもり?


 アリス:どうもしないよ、ただ私達はお姉さん達人間が持つ魔界の『誤解』を解きたいだけだよ。


 自称勇者:誤解?


 アリス:うん、兎に角難しい話は明日にして今日はこの城に泊まってきなよ。客室用意するから。ヴィオラさん、案内してあげて。


 ヴィオラ:仰せのままに。






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