第8話公国の影
国賓として迎え入れられた自称勇者の人間、彼女の口からある『目撃情報』が語られる。
自称勇者王城滞在2日目 魔界時間8:00 王城客室
自称勇者:この国に来て2日目、アリスの話で私は・・・いえ、私達人間は魔界に関して誤解していた。
自称勇者就寝前 王城女王寝室
自称勇者:アリス、ちょっと良い?
アリス:ど〜ぞ〜
自称勇者:寝るとこだった?
アリス:今一通り終わったトコ♪どしたの?
自称勇者:あ〜、自己紹介が未だだったなぁ〜っと思って。
アリス:そんなの明日でも良かったのに、疲れてるでしょ?
自称勇者:大丈夫よ。私はアナスタシア、アナスタシア・ディバリィ。グラスト王国騎士団団長。
アリス:う〜ん聞いた感じ中世の国っぽいけど、聞いた事ない国名だなぁ。多分私が研修で行った人界とは別次元の世界かも。
アナスタシア:別次元?
アリス:うん、人界は複雑でね。天界や魔界、霊界と違って色んな次元の宇宙で構成されてるの。
アナスタシア:成る程、それで話が合わなかったのね。
アリス:そだね。
アナスタシア:それと気になる事があるの。
アリス:何〜?
アナスタシア:深淵の森って木こりがいる事ってある?
アリス:あそこは国立自然公園だから伐採は禁止されてる筈だよ。定期的に警備兵が森全体を巡回してるし。
アナスタシア:じゃあ、あの背の低い中年の木こりは?
アリス:背の低い中年の木こり・・・ソレ多分ドワーフ族だね・・・・ちょっと待ってて。
アナスタシア:?
机のモニターからシオンを呼ぶアリス
アリス:シオンちゃん、深淵の森周辺ってドワーフ族って住んでたっけ?私の記憶じゃ住んでなかったと思うんだけど。
シオン:・・・・・・・・
シオンのアホ毛が左右に動く
アリス:やっぱり。深淵の森って『あの国』の国境付近だよね?
シオン:・・・・・・・・
アリス:やっぱそうだよね!メディア超大国『グローバリア公国』て事はそのドワーフ族は。
シオン:・・・・・・・・
アリス:グローバリア公国領『朝霧の里の蜃気楼衆』
アナスタシア:蜃気楼衆?
アリス:ドッペルゲンガー族で構成される潜入調査を得意とする特殊部隊の住む里のスパイ集団、それが『蜃気楼衆』だよ。
シオン:・・・・・・・・・・
アリス:そだね、『領土拡大戦争』の偵察だね。
アナスタシア:せ、戦争⁉︎
アリス:ああ、戦争っていっても、魔界の戦争は武力によるものじゃなくってね・・・・・
魔界での戦争を説明するアリス
アナスタシア:そんな形の戦争があったなんて。じゃあ私、グラスト王国代表の親善大使になるわ。
アリス:ホント!
アナスタシア:この国は良いトコだし、住んでる魔族も親切で優しいし。何より寄ってたかって戦争仕掛ける超大国の傲慢な態度が許せないからね!保護期間が終わるまでにとっておきの人達をここに呼ぶわ‼︎
アリス:あ、ありがと〜♡
アナスタシア:じゃ、おやすみ。
アリス:うん、また明日ね〜♪
そして現在・・・・
アナスタシア:魔界の真の姿、あのお方なら必ず分かってくれる筈。建国以来歴代最高と言われた稀代の名君である『チャールズ・グラスト国王』ならきっと!
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