第332話市街地探索チーム(晃斗編)

 アオイ:リンネ島市街地を東部と西部の2チーム分けて探索しています。今回はその西側をみてみましょう。


 東部探索同時刻 市街地西部


 晃斗:こっちは歓楽街か。


 アオイ:この方はビーストガーディアンズのメンバーで鷹橋晃斗たかはしあきとさん。種族は狼男で愛刀『牙狼景光がろうかげみつ』を得物に持つ元巨獣ハンターの剣士さんです。今回は西部探索チームのリーダーをやるようですね。


 鬼鉄:元々観光地ですからね、ショッピングモールや飲食店やお土産屋さん、夜はカジノにBARそしてショーパブとかありますね。


 アオイ:彼はこの章が終わったらワイバニア芸術文化大学附属高校に転校する鬼族と雪女族のハーフで神野鬼鉄かみのきてつ君。凄い秀才なのですよ〜♪


 エナ:この近海の島々の中では空間転移システムの中継基地であり、一番の観光地だったからねぇ。当時のこの国の経済にとってはかなりの痛手だった筈よ。


 アオイ:この方は魔界宇宙有数のIT企業クロノライド社の社長エナ・オガタさん。種族は妖狐族です。


 晃斗のデバイスに通信が入る


 ジェシカ:ハーイ!皆んな元気〜?ジェシカだよ〜♪


 アオイ:この方はシーラント諸島連合国の双子の魔王、姉で金角族のジェシカ・ハイビス大統領です。


 ジェシカ:君達は今何処にいるの?


 晃斗:今目の前に巨大カジノが見える。


 ジェシカ:ふむふむ、リンネ島最大のカジノ『メガロカジノ』だね。だったらそこのオーナーの許可はもらってるからそこのカジノの最奥に保管されている『鍵』を入手してくれる?


 晃斗:鍵?


 ジェシカ:うん、遺跡の入り口に入るのに必要なんだ〜。もう1つ鍵があるんだけど、今その鍵がある島、『クロノライズ島』にあるんだけどね。そこに酔っ払って寝てるアラシノオトシゴがいるのよ〜。


 エナ:うわぁ、そりゃあ下手に起こすと危険だねぇ


 ジェシカ:しかもアラシノオトシゴが寝てる海の真下にある海底祭壇に祀られてるから尚更難しくてねぇ。


 一方クロノライズ島海岸


 テノテノ:へぇ〜、魔界の海って凄く透き通ってるんだねぇ・・・ん?あの祭壇みたいなのは?


 アラシノオトシゴ:グオン、グルォーン。グオン?


 ハル:アレがそうですか。


 テノテノ:彼何て?


 ハル:はい。『ありゃあ、リンネ島の遺跡の最奥にある宝物殿に入るのに必要な鍵じゃあ。詳しいことは知らんが、あの遺跡には鍵が2つ必要と聞いいてるぞ。今おどれ等が必要なモンだろ?』と言ってます。


 アラシノオトシゴ:グォーーーングオン、グオン?


 ハル:はい、伝えます。『わしが取ってくるけぇ、待っとってつかぁさい。要るんだろ?』と言ってます。


 杏:ドラゴンさんありがとです♪


 再び市街地西部 メガロカジノ最奥保管庫


 晃斗:これか、意外と大きいな。


 エナ:鍵って言うから手のひらサイズかと思ったら。


 鬼鉄:どちらかと言うと鍵と言うより『杖』ですね。形からしてもう1つの鍵と合わせる仕組みになってるようですね。


 晃斗:対になってる鍵・・・か。


 エナ:でも何でカジノなんかにあったんだろ?


 ジェシカ:そこの歓楽街を統治してたのがその島の地元有力者だったからだよ。その名家が代々預かっていたらしいよ。


 晃斗:そういう事か。


 ジェシカ:およ?ジュリア?・・・・うん・・・うん・・・了解〜♪


 晃斗:どうした?


 ジェシカ:妹から連絡あって、市街地東部の調査が終わって必要な資料も揃ったから一旦合流して・・・ん?は〜い・・・え?そうなの⁉︎・・・・わかった。


 晃斗:ん?


 ジェシカ:あ〜、あのね。アラシノオトシゴに事情を聞きに行った杏ちゃん達がもう1つの鍵を入手したんだって。


 晃斗:ではいよいよ遺跡調査開始か?


 オリビアに切り替わる


 オリビア:その前に一旦戻ってきて。クロノゴンが予想以上の速さでこちらに向かってるの。このままじゃ遺跡が正常に機能しなくなるわ。


 鬼鉄:そうなるとどうなるのですか?


 リネフィ:あの遺跡とクロノゴンの発する時空エネルギーがリンクして初めて遺跡が正しく機能するの。でもクロノゴンの放つ時空エネルギーの『質』が未だ目標値に達してない。


 鬼鉄:つまり、波長の合わないままでは最悪暴走の可能性もある・・・ですか。


 オリビア:その通り。だから『足止め』して到着時刻を調整する必要があるの。


 鬼鉄:それはどうやるのですか・・・あ!アラシノオトシゴですね。アラシノオトシゴはクロノゴンの気配を他の生物よりもいち早く正確に察知出来る。彼に探してもらって足止めさせるという事ですね?


 オリビア:へぇ〜!やるわね、その通り♪


 リネフィ:ただ。知っての通り、クロノゴンとアラシノオトシゴはすこぶる仲が悪い。目を合わせればまさに一触即発ムードになる。最悪大喧嘩もあり得るわ。


 割って入る杏


 杏:あんずたちがいくです!


 テノテノ:丁度本人達を交えて現場検証がしたかったし。時間稼ぎが必要ならクロノゴンの言い分から先に聞いたら時間稼ぎになるんじゃないかい?


 ハル:こういうのは喧嘩防止に第三者を交えて本人達がじっくり話し合うのが得策かと。


 オリビア:それ良いわね♪・・・・って、そっちはどちら様?


 テノテノ:人界の盗賊テノテノ、人間さ。


 オリビア:と、盗賊⁉︎・・・コホン!ま、まぁ、それでいきましょう。


 杏:ケンカしないようにドラゴンさんにはあんずたちがのっていくです!


 小雪:オラたちがいればだいじょうぶだべ〜♪


 リタ:リタしってる。『じじょうちょうしゅ』ってゆ〜んだよね♪


 小無知:私も付いてるから任せて〜♪


 オリビア:じゃあ皆んな、頼んだわよ!













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