第333話事情聴取!刻の龍王クロノゴン
アオイ:降魔日食の日が刻一刻と迫る中、2匹の仲の悪い原因を探るべく杏ちゃん達はクロノゴンの居る宙域へと向かうのでした。
魔界時間19:00 シーラント諸島連合国 宙域時空間
杏:いた!あそこです!
テノテノ:アラシノオトシゴ、分かってると思うけど・・・
アラシノオトシゴ:グ、グオン。
ハル:えっと『なるべく善処する』だそうです。
テノテノ:はぁ、アンタねぇ。真実が知りたいんじゃなかったの?
アラシノオトシゴ:グオン、グルォングオ。
ハル:『わしかてそれくらい分かってる。じゃけぇ、奴と顔合わすと直ぐ喧嘩になるんじゃあ』と言ってます。
テノテノ:どちらか我慢しないと話が進まないでしょうが!いい?絶対に堪えるのよ!
杏達の前に近づくクロノゴン
クロノゴン:グォングォン?グゴ〜ン。
ハル:えっと『君達は誰かね?ここは君達が容易に踏み入れてはいけない領域だ。危険だから今の内に帰りたまえ』だそうです。
アラシノオトシゴ:グオン、グォーーングオングオ、グオン!
ハル:『コイツ等がおどれに用があるから危険を承知でわざわざ来てやってるっていうのに、随分な物言いじゃのぉ!』と言ってます。
ウグイス:なにもドス効かせて言わなくてもいいじゃねぇか。
ハル:この方が伝わり易いと思って。
クロノゴン:グオ、グオーーングオン。グオングオ♪
ハル:え〜、これを訳すんですか?えっと『やれやれ、何処のチンピラかと思ったらアラシノオトシゴか、君も相変わらずだね。もう少し言葉遣いというものを学んだらどうだ♪』だそうです。
アラシノオトシゴ:グオ!グオーーーン!グオン!
ハル:これも訳すんですか〜?もぉヤダ・・・はいはい、訳しますよ『おどれ〜!言わせておけば!人のシマ荒らしておいてよくもいけしゃあしゃあと言えたモンじゃのぉ!』ですって。
一触即発ムード
テノテノ:ハイハ〜イ!喧嘩しようとしない!アンタ等の言い分と真相を確かめに来たんでしょう?いきなり喧嘩腰でどうするの!
杏:おはなしきくです。ケンカはだめです!
アラシノオトシゴ:グオ、グオ〜ングオン。
ハル:えっと『そ、そうじゃった。すまんかったのぉ、お嬢ちゃん達』ですって。
テノテノ:じゃあアラシノオトシゴから聞いた内容を確認するわよ?
2匹:グオ。
テノテノ:事の発端は今から1000万と12年前、クロノゴンがアラシノオトシゴとその眷属の専用の餌場であるサトウキビ畑を荒らして逃走。その様子を本人とその眷属が目撃した・・・と。
アラシノオトシゴ:グオングオ〜ン。
ハル:『そうじゃその通りじゃ』
テノテノ:その時クロノゴンに問い正した際、クロノゴンはその時間帯はまだ巣に帰っている最中で、途中報告に向かったクロノゴンの眷属からの報せでアラシノオトシゴがクロノゴンの巣を襲撃したと。
クロノゴン:グオン!
ハル:『その通りですよ、人間のお嬢さん』
テノテノ:しかし、クロノゴン本人は目撃しておらず、その時目撃したのは眷属だけだった・・・と。
クロノゴン:グフォ。
ハル:『ええ。』
テノテノ:ハルさん。オリビアさんに繋いでくれる?
モニターに映るオリビア
オリビア:どうしたの?
テノテノ:1つ質問があるんだけど。
オリビア:私でわかる事なら。
テノテノ:降魔日食の周期ってどれくらい?
オリビア:降魔日食の周期は1000年に1度よ。
テノテノ:その間クロノゴンがシーラント諸島連合国に出入り出来たりする?
オリビア:答えはNOよ。クロノゴンは時空間こそ自由に行き来する事は出来ても出入りは日食のある地域だけ。魔界の場合は降魔日食だから、一度クロノゴン専用のタイムゲートが閉じてしまうと次の1000年後じゃないと絶対に無理よ。
テノテノ:絶対に?万に1つの例外も?
オリビア:無いわ、ただの一度たりともね。
テノテノ:という事は1000万と12年前って中途半端な時期に現れるという事は有り得ないし、犯行はその時点で『絶対に不可能』って事になるわね。
アラシノオトシゴ:グオ、グオン?
ハル『ほいじゃあ、わし等が見たコイツは何だったっていうんじゃあ?』
テノテノ:それを確かめる必要があるわね。
ハル:テノテノ様、そろそろ引き返さないと二度と戻れなくなります。
テノテノ:え!もうそんな時間⁉︎わかったわ。それじゃあ皆んな!事件現場を調べるわよ!
小無知:貴女ホントに探偵みたいねん♪
クロノゴン:グオン。
ハル:『そこの人間のお嬢さん』
テノテノ:ん?
クロノゴン:グゴグオン。
テノテノに鱗を差し出すクロノゴン
ハル:『これを持って行くといい。私も真相を知りたい。これで君達の会話やその風景を見る事が出来る。私との会話も可能だ。逆にこっちの様子も見れる』
テノテノ:わかった。じゃあ皆んな、戻るわよ!
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