第331話異世界からの来訪者

 アオイ:台風を操る巨獣アラシノオトシゴと刻を操る巨獣クロノゴン。この2匹の仲の悪さの原因を直接確かめるべく杏ちゃん達はアラシノオトシゴの所へ向かうのでした・・・おや?そこに誰かがいるようですね。誰でしょう?


 人界時間22:00 王国某所


 憲兵長:見つけたぞ!盗賊風情が手こずらせやがって!


 盗賊の女性:あ〜らら。見つかっちゃたわね〜♪


 アオイ:この方は人間族の盗賊のテノテノさん。私利私欲に溺れる悪しき王侯貴族から盗み貧しき人々を救う言わば『義賊』ですね♪


 憲兵長:貴様は既に囲まれている。もはや逃げ場はないぞ〜♪


 テノテノ:それはどうかしら〜♪


 塔から飛び降りるテノテノ


 憲兵長:なあ⁉︎


 テノテノ:じゃ〜ね〜♪


 魔界時間16:35 リンネ島近海 クロノライズ島


 テノテノ:おや?ここは何処だい?


 島の海上で眠るアラシノオトシゴ


 アラシノオトシゴ:グフォ〜!グフォ〜!


 テノテノ:な、なんだあの馬鹿でかい怪物は⁉︎ドラゴン?


 マル:ピイ!


 アオイ:この子はオーロラフェニックスの雛でマルちゃんです。


 杏:いたです!


 アオイ:この子は主人公アリス・シルフィード女王の妹さんで杏姫です。


 ハル:アラシノオトシゴに間違いありませんね姫様。


 アオイ:この方は杏ちゃんの4人の従者の1人でヴァルキリーのハルさんです。


 リタ:おさけくちゃ〜い!リタおさけきらーい!


 アオイ:この子は人間の女の子でロシア出身のリタ・ヌルマユちゃん。


 小雪:ぐっすりねてるべ。どうやっておこすだか?


 アオイ:この子はフローズンダスト連邦の魔王クラウド・アイゼンフリーズ大統領の娘さん。


 小無知:アラシノオトシゴは冷たいもので酔いをさますのよ。ついでにスッキリ目を覚ますわよん♪


 アオイ:この方は旅の絵師で小無知さん。種族は雪女族ですよ。


 小雪:しんせつにありがとだべ♪


 小無知:お姉さんは可愛い女の子の味方よん♡


 ハル:というより貴女どうやってここに?ここは上空20000mですよ?


 小無知:なんかねぇ、あの島に美味しいランチが食べられるお店があったんだけど、あの子が酔っ払って寝てるから島の人達皆んな逃げちゃってどうしようかしらと空を眺めたら可愛い女の子達の気配を感じたから来ちゃった♡


 ハル:『来ちゃった♡』って。


 杏:う?あたまのところにだれかいるです。


 小雪:あ、ホントだべ。


 リタ:いってみよ。


 杏:マル、ちゃくりくです!


 マル:ピッピィ!


 杏:こんにちはおねえしゃん!


 テノテノ:はい、こんにちは・・・ってそうじゃなくて!


 杏:う?


 ハル:失礼ですが、貴女は人間ですね?


 テノテノ:え?ええ。


 ハル:いつ頃からここに?


 テノテノ:ついさっきよ。


 ハル:ではいきなりここへ来てさぞ困惑しておられるでしょう。先ずここは魔界です。貴女方人界の宗教では地獄とも言います。


 テノテノ:魔界!ここが⁉︎教会の連中が言ってたのと全く違うな。平和というか、のどかというか。ま、こんな馬鹿でかい奴が寝てる時点でアタイの知る世界じゃないのは確かだけどね。


 小無知と小雪の出した氷で目を覚ますアラシノオトシゴ


 アラシノオトシゴ:グルォーーーン!


 テノテノ:うわ!目を覚ました!


 ハル:ご安心ください。アラシノオトシゴはこんな感じですが台風を作り出し身に纏う以外は人畜無害です・・・・え?『おどれ等は誰じゃ?なんでおどれ等はここにおるんじゃ?』ですか?


 テノテノ:コイツが言ってる事がわかるのかい?


 ハル:ええ。私達ヴァルキリーはどうやら巨獣の脳波と相性がいいみたいで、容易に翻訳できます。


 ウグイス:広島弁かよ。


 アオイ:こちらの方も杏姫の従者の1人でヴァルキリーのウグイスさんです。


 杏:ドラゴンさんにききたいことがあるです!


 アラシノオトシゴ:グフォ、グフォ〜ン♪


 ハル:・・・はい。彼はこう言ってます『わしぁは今気分がええじゃけぇ。何でも聞いてつかぁさい♪』だそうです。


 リタ:どうしてクロノゴンさんとなかわるいんですか?


 アラシノオトシゴ:グオ、グオオーン、グオ!


 ハル:ふむふむ『アイツは事もあろうにわしのシマを荒らしおったんじゃ!じゃけぇ、文句言ったらわけわからん事言って喧嘩売ってきおったんじゃ!』と言ってます。


 小雪:う〜ん。もしホントにクロノゴンさんがわるかったらすなおにあやまるんじゃないだか?


 アラシノオトシゴ:グ・・・・グォ。


 ハル:『そ・・・それもそうじゃ』だそうです。


 テノテノ:ちゃんと本人に確かめたのかい?


 アラシノオトシゴ:グ、グルォン。グオーーーン。


 ハル:『そ、その時のわしぁ頭に血が上ってよく覚えとらん。なにせ巣も荒らされてたけぇ〜のぉ〜』と言ってます。


 小無知:果たして本当にクロノゴンの仕業なのかしらん?


 アラシノオトシゴ:グオーーーン!グオン!


 ハル:『間違いない!わしも、わしの眷属もこの目でハッキリ見たけんのぉ!あれは見間違うわけがない!』だそうです。


 テノテノ:これはそのクロノゴンとかいう巨獣の言い分も聞いてみる必要があるねぇ。で?何処にいるんだい?


 ハル:刻を操り刻を駆るクロノゴンは現在こちらに向かっておりますが、ここに現れるまで後1日かかります。


 テノテノ:・・・・よし!ここは当人が来るまでに事件当初の現場を見てみよう。そこにヒントがある筈だよ。


 小無知:テノテノさん・・・だっけ?貴女何してる人?


 テノテノ:ん?アタイかい?アタイは盗賊だよ。


 小無知:盗賊⁉︎てっきり探偵さんかと思ったわん♪


 テノテノ:そうかい?


 小無知:それじゃあ現場検証開始よ〜ん♪


 ちびっ子3人:おー♪







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