第137話次元刑場に立ちはだかる壁

 天魔大戦時代、旧天界軍の処刑場として使用されていた超巨大ワームホール。次元工学の権威の1人若生翔太(わこうしょうた)博士はこの超巨大ワームホールの真下にある遺跡について、魔界の現代科学の観点では『建設不可能』という見解をしていたが、『ガイアの揺かご』より新たにその謎を解く『鍵』がある事を知る。


 魔界時間18:32 王都アイリス王立研究所


 モニターに映るフォートレット皇后


 フォートレット皇后:ええ、間違いありません。陛下を締め上げて吐かせたので。ね?陛下。


 意気消沈しながら語るウエポニア皇帝


 ウエポニア皇帝:う・・・うむ。


 ソフィア:締め上げるって、相変わらずというか、顔に似合わずエゲツない事するな。


 翔太:それが事実なら次元刑場にある超巨大ワームホールの謎が解明できますよ!


 アリス:どうしてあのワームホールの真下に遺跡が建設出来ないの?


 翔太:あのワームホールは皆さんが知ってるワームホールとはかなり異なるのです。通常ワームホールは必ず『入り口』と別の場所にある『出口』で構成されていますよね?


 アリス:うん、それは学校で習った事がある。


 翔太:そうですね。そこまでは中学の科学の教科書に記載されています。ですがこの次元刑場のワームホールは入り口こそあれども、『出口』が無いのです。しかもこのワームホール。『両方から入れる』のです。


 アリス:両方から⁉︎


 翔太:通常ワームホールの入り口は片側しか入れず、反対側から入ろうとしてもすり抜けてしまう。ここまではいいですね?


 アリス:うん。


 翔太:ところがこの件のワームホール。両方から入れる上に『惑星吸引クラス』のブラックホールの性質を併せ持っています。


 アリス:あ、察し。だから旧天界軍は処刑場として利用してたんだ。それにそんな物騒な物があったら真下に遺跡なんて建てられないもんね。


 翔太:そう、それこそが次元刑場真下に魔界の現代科学では建設不可能という理由なのです。


 アリス:でも、それを『可能にする道具』が『ガイアの揺かご』にあるんだよね?


 フォートレット皇后:そうです。我が国にあった文献によればその道具があれば次元刑場にある超巨大ワームホールを一時的に活動停止させる事が出来るそうです。


 アリス:成る程ねぇ。それ使って遺跡を建設したんだ旧クラウント王国は。


 ソフィア:ただ、その道具が面倒でね。


 アリス:物凄く危ないトコにあるとか?


 ソフィア:いや、仕組みを調べないと判らないが、大きさの割にはとんでもなく重いんだよ。


 アリス:どん位?


 ソフィア:測定器の計測結果は250億tしかも丁度そこの小瓶と同じサイズだよ。


 アリス:あのサイズで250億t⁉︎


 翔太:実物を見ないと何とも言えませんが。話を聞く限りおそらくそれは、重力制御型の防犯装置だと思います。


 ソフィア:解除は可能かい?


 翔太:やってみせますよ♪


 ソフィア:頼もしいねぇ♪


 アリス:じゃあ2人共お願い出来る?


 ソフィア:聞くまでもないさ♪


 翔太:お任せ下さい!






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