第233話勇者の好敵手

アオイ:仲間が全員魔界に転移しているという事を予想したリズさん。八咫烏文庫本社に戻った彼女達のもとに人界から転移した人間の情報が舞い込んできたようです。果たして誰なのでしょう?


魔界時間13:00 帝王都サタンヘイルダム 商業エリア


八咫烏文庫本社内 週間グローバルジャーナル編集部


桃:ただ今戻りました。


先輩記者:お!桃缶!お前宛に手紙が届いてるぞ。


桃:だから〜。いい加減桃缶って言うの止めてくださいよー!


先輩記者:いいじゃないか。ホレ。このネット社会のご時世に珍しいな。


桃:誰からだろ?・・・・あ。瑠空さんからだ!・・・え〜っとぉ。


『次元鉄道超大国トレイント共和国に人界から転移してきた人間の噂を耳にしました。私は未だグリーンヒル王国の医療支援活動で手が開きません。事実確認をお願いします。 瑠空るあ・カリント』


リズ:トレイント共和国?


桃:空間転移技術がまだ今くらい発達してない頃、魔界宇宙全土で魔族の次元交通の要だった国だよ。今じゃ観光目的で使用するだけになったけどそれでも観光資源として潤っている国なんだ♪魔界の鉄道ファンの聖地としても有名な国ですよ。


リズ:そこに誰かいる・・・か。


桃:思い当たる節は?


リズ:一応心当たりはある。多分『彼女』だ。


桃:取り敢えず行ってみる?


リズ:ああ。


桃:というわけで編集長。


ジェームス:くれぐれも国土争奪戦争に関する情報収集は控えるように。


桃:は〜い。


6時間後 トレイント共和国首都ステーショナリア


リズ:線路を走る大型の鉄の乗り物。成る程、これが『鉄道』か。


桃:今私達庶民が使う乗り物と言えば星間航行する次元航空だけだからね。鉄道は贅沢な旅行する時位しか乗らないですし。


リズ:確かに。私達がよく使うのはトランスポーターだしな。で、例の人間の情報ではどの辺りになるんだ?


桃:え〜っとぉ・・・首都中央駅から3番街方面の列車で2駅先の曲輪くるわ駅で降りた先のロール芸能って芸能事務所らしいですよ。


リズ:芸能事務所?


桃:ほら、テレビで活躍してる芸人さん、俳優さんやモデルさんなんかが所属している事務所の事ですよ。


リズ:そこに居るのか。


桃:編集長がそこにアポ取ってくれたみたいですよ。


リズ:じゃあ直接行けばいいわけか。


桃:そうですね。じゃ、行きましょうか♪


3分後 曲輪町 ロール芸能


桃:すみませ〜ん。ここに所属している人間さんの件で来ました。


受付:八咫烏文庫の方ですね。3階でございます♪


桃:え〜っと・・・どこかな?


リズ:いた。成る程、アイツか。


桃:え?どこどこ?


リズ:ホラ。あそこで撮影している。


桃:めちゃくちゃ美人ですね!モデルですか?


クロス:映画超大国シネマド帝国で毎年開催されてる映画祭で3年連続主演女優賞を獲得した上に衣料超大国ドレストーラ国のドレコレ常連のスーパーモデルだよ♪


リズ:名はエリル・サバカン。私の剣のライバルで魔法剣士だ。


桃:ご飯のお供がもう1人。


エリル:リズ!リズじゃないか!


リズ:久し振りだなエリル。まさか芸能人になってるとは思わなかったぞ♪


エリル:魔王との一戦の後のあの時私は魔族への誤解を知り。今は魔族と共にこうして魔界で活動している。魔界に来た当初右も左もわからない時に拾ってくれたのが彼女だった。


クロス:自己紹介が未だだったな。ナレーターさん。ヨロシク!


アオイ:は〜い♪彼女はクロス・ローリー。元シネマド女優でローレライ族。引退後この芸能事務所を立ち上げた方なの。


エリル:魔界に来た人間は私とお前だけか?


リズ:いや。魔法使いの瑠空・カリントはリヴァイアス国際医科大学で医者の道を。武闘家の蓮・小籠はライコウ皇国で修行中。賢者のアリエル・コメッコパンはコメッコベーカリーというパン屋を経営している。そして僧侶の


エリル:このビルの隣のカフェに居るから。


リズ:承知した。













  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る