第234話蒸気の国のフローラ

 アオイ:次元工学の飛躍的進歩により交通の要から撤退し、観光資源として新たなスタートをして20万年。ここに鉄道会社から旅行会社に転身して大成功をおさめた会社があります。本日の主役はその会社の社長さんのお話・・・


 魔界時間15:00 トレイント共和国 首都ステーショナリア


 メインストリート旅行会社レールトラベラーズグループ本社


 重役:社長は何処だ?


 秘書:この時間でしたら『いつもの店』かと。


 重役:困ったな。16時から緊急会議だというのに!


 秘書:14天界王の八岐大蛇やまたのおろち様、クロノス様の接待でシルフィード王国王女杏姫様直々のご指名でしたね。


 重役:そうだ!あの14天界王様、しかも2柱もだ!我が社にとってこれ程大きなビジネスチャンスは一生あるかないかだ!


 秘書:しかし杏姫様という方は凄いですね。齢30歳(人界年齢3歳)という幼さで天照大神様とオーディン様の接待を見事成したとか。


 重役:今度の国土争奪戦争の対戦国が我が国とシルフィード王国という事で開戦当日までの間の接待だそうだ。


 秘書:心配には及びません。社長はそういう大一番の時ほどリラックスして成功させるために『あの店』に行くのですから。それに、社長が一度でも会議に遅刻した事がありましたか?


 重役:た、確かに。


 同時刻 メインストリート内スイーツショップ『スターライトパティスリー』


 フードコート


 フローラ:ん〜!あんま〜い♪そしてお〜いし〜♡


 アオイ:この方こそ今回の主人公フローラ・フロランタンさん。魔界宇宙ベスト5に入る巨大旅行会社レールトラベラーズの社長さん。種族は妖狐。いわゆる狐耳のお姉さんですね♪


 店員:如何でしょう?今回の新作『ショコラプリン』は。


 フローラ:いいね♪このまろやかな風味。クリスタルバニラを使ってる?それにこのチョコレートは・・・ロックカカオだね♪


 店員:流石です!ロックカカオのコーヒー豆に近い味わいと苦味。それを爽やかな甘さで抑えるクリスタルバニラが相性抜群で♪


 フローラ:(武人で自然界の親王八岐大蛇様とデスクワークタイプで刻の神王クロノス様。このタイプの違う2柱の神王様にこのショコラプリンの様に苦味のあるチョコを爽やかな甘味で優しく包む杏姫様。姫様のこの企画書を見せられた時は正直幼い子供の発想と思っていたけど、同じVIPという身を置いているからこそのという見方をすれば・・・か。)


 資料を見直すフローラ


 店員:フローラさん。これによく合うドリンクがあるんですけど。


 フローラ:ん?そお?じゃあ、それもお願いしようかしら。


 店員:かしこまりました♪


 フローラ:(これに『何か1つ』加えると・・・・)


 店員:お待たせしました。『ホイップソーダ』です♪


 フローラ:このホイップは生クリーム・・・じゃないわね。


 店員:はい。天界で採れるソウルハーブです。ソーダに加えるとホイップクリームの様な泡状のものになるんですよ♪


 フローラ:へぇ〜。面白・・・ハッ!そうか!(このソウルハーブのソーダの様に一見するとスイーツに合わない様に見えて実は2人には共通するものがある!だから姫様は『敢えて』この企画に)


 おもむろに立ち上がるフローラ


 フローラ:こうしちゃいられないわ!っとその前に・・・


 ホイップソーダを飲みきって完食するフローラ


 フローラ:アリガト。コレ絶対売れるわよ♪


 店員:有難うございます!


 フローラ:じゃ、コレお代ね♪


 店員:有難うございました〜♪




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