第160話グリーンヒル王国復興への道

 次元大震災で被災した天界のグリーンヒル王国。女王アリスと14天界王西洋サイド筆頭ゼウスにより復興が進む。2人は魔界宇宙全域から集められた義援金を受け取りに行く事となる。


 魔界時間10:00 バンクフルト合衆国 黒煬こくよう銀行本店


 黒煬銀行、それは魔界宇宙4大メガバンクの1つ。地獄界の『妖魔銀行』獣王界の『牙城銀行』邪神界の『ネメシス銀行』そして魔王界の『黒煬銀行』である。


 黒煬銀行 頭取執務室


 社長:ど、どうしても駄目かね?


 エリカ:こんな不純な動機の稟議書りんぎしょなんて通すわけにはいきません。


 土下座する社長


 社長:ど、どうか!この通り‼︎


 エリカ:駄目なものは駄目です。お引き取りを。


 執務室を出る社長。


 社長:・・・・・フッ。あの冷え切って見下した目・・・良い♡ダークエルフの美女のあの視線が良いのだよ♪


 社長秘書:社長も好きですなぁ♪わざとあんな巫山戯ふざけた稟議書で土下座に持ち込むのですから。


 社長:これだから黒煬銀行以外の銀行に鞍替くらがえなどあり得んのだよ♪


 社長秘書:黒煬銀行の実力は勿論。粒揃いの美人ダークエルフが居ますからなぁ。


 社長:特に頭取のエリカ・カズクラフトはダークエルフ族の中でも絶世の美女♡


 再び頭取執務室


 エリカ:・・・・・はぁ。


 秘書:相変わらずドMの顧客にモテますね。


 エリカ:それは言わないで!


 モニターに映る受付


 受付嬢:頭取、グリーンヒル王国神王リディア・ヴィーナス13世並びにシルフィード王国魔王アリス・シルフィード両陛下がおみえになっております。


 エリカ:もうそんな時間⁉︎良いわ。お通しして。


 受付嬢:畏まりました。


 頭取執務室に転移する2人


 エリカ:お待ち申し上げておりました両陛下。黒煬銀行頭取エリカ・カズクラフトです。


 リディア:グリーンヒル王国13代女王リディア・ヴィーナスです。


 アリス:シルフィード王国女王アリス・シルフィードです。


 エリカ:本日赴いた用件はグリーンヒル王国復興義援金の受け取りでお間違いありませんね?


 リディア:はい。


 エリカ:ではこちらが義援金の総額です。


 アリス:いち、じゅう、ひゃく・・・・な、700那由多なゆた(日本円換算7000那由多)⁉︎無量大数の2つ手前。兆の12個上。


 エリカ:これはあくまで『途中経過』にすぎません。


 リディア:この上まだ集まり続けてるのですか⁉︎


 エリカ:それだけ我々魔族は次元大震災の凄惨せいさんさを身に染みて知っているという事です。そこで当行・・・いえ。というより私からの提案なのですが。


 リディア:提案・・・ですか。


 エリカ:はい。当行の調査員が独自に貴女の国を調査したところ。国の特産品である化粧品の原料の生産地並びに原料が無事という事。よって貴国の企業全てに義援金を贈りたいと思うのですが。


 リディア:我が国の関連企業全てですか⁉︎


 エリカ:当行にはそれだけの『準備』があります。如何でしょう?


 リディア:それは有り難いお話ですが・・・


 エリカ:ではこうしましょう。義援金を貴国に贈る代わりに、当行と貴国の独占契約を結ぶという形でならどうですか?


 リディア:そ、それなら♪


 エリカ:フフ。決まりですね♪


 涙を浮かべて礼を言うリディア


 リディア:有り難うございます!有り難うございます!


 エリカ:1日も早い復興を願ってますよ♪


 リディア:はい!











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