第309話総理のグルメinシーラント
アオイ:ミリアさんの豹変ぶり、怖かったですね。今回もそんなミリア?さんが出てくるようです。今回の被害者は・・・
魔界時間11:00 オーシャンリーフホテル 国賓専用フロア
ミリア:うぅ。成り行きで巨獣保護活動する事になっちゃった。
惠:その度に『アレ』になられたら命が幾つあっても足りないニャ〜。
シン:アレって『料理人モード』ですよね?調理器具持った瞬間人格が変わるっていう。
アオイ:この方はシンさん。ミリアさんの魔王秘書で本名シンシア・サタ・・・
無言で上を睨むシン
アオイ:すみません。
ミリア:?
真琴:中央政府議員になる前は伝説の料理人『灼眼の女神』だったんでしょ。お姉ちゃん覚えてないの?
アオイ:この子はアクガリタル国公安大臣の真琴・カサチライエン君。種族はインキュバス族。世間で言うところの『男の娘』ですね。本人は気にしてるようなのでこれ以上は触れませんけど。
ミリア:うん、覚えてない。幼い頃から料理人の修行してた頃以降の記憶が曖昧なんだ。
ダリア:その過程で何かあったのかもしれないな。
アオイ:この方はダリア・ハルルンさん。軍務大臣で種族はオーガ族です。
ミリア:まぁ、その話は一旦置いといて・・・あ。
ミリアのお腹が盛大に鳴る
惠:また豪快に鳴ったニャ〜。
ミリア:(うぅ。料理人の頃の話してたらお腹が・・・減った)
惠:今度は腹ペコ大魔王のスイッチが入ったニャ。
ミリア:(店を探そう!)
楓:シャワー終わったぞ・・・ん?何かあったのか?
アオイ:この方はアクガリタル国の次元エネルギー産業大臣の楓・エムカワさん。元豊穣の女神で現在は堕天して邪神に。ミリアさんの仲間になってから段々と影が薄くなりつつあるので覚えてあげてください。
惠:あ。居たのニャ?
バックドロップをキメる楓
惠:・・・・影薄くなってるのは・・・事実・・・ニャ。
シーラント諸島連合国本島 トワイライト島 トランスポートステーション
ミリア:(肉料理・・・ううん!今の私は肉って気分じゃない!この国特有の料理、それは・・・そう!魚料理♪)
ゲート前に立つミリア
ミリア:(修行時代に師匠からこの国に穴場の店があるって言うのを思い出した!確か・・・そう!フィッシュネル島だ!)
同時刻 フィッシュネル島
桜:さ・て・と。一仕事終えたし。昼ご飯の店探すか♪
案内板の前で店を探す桜
ミリア:あれ?桜さーーん♪
桜:ミリア♪
ミリア:桜さんもお昼ですか?
桜:そうだよ。
ミリア:この島に魚料理の美味しい店知ってるんですが、一緒にどうですか?
桜:舌の肥えたミリアだから期待しちゃおうかな♪
ミリア:かなり昔に聞いたから今もあるかわかりませんが。
桜:兎に角行ってみようか。
シーサイドレストラン『ブルーシャトー』
ミリア:あった!
桜:ここかい?
ミリア:間違いありません♪師匠が昔言ってた店です!
桜:(ミリアの料理人時代の師匠・・・か。あの豹変ぶりの理由を知ってるかもしれないねぇ)
ミリア:桜さん?
桜:ああ。何でもないよ。入ろうか♪
ウエイトレス:いらっしゃっいませ〜♪
桜:さて〜。ここのおススメは〜?
ミリア:チッチッチ。違うなぁ桜さん♪
桜:え?
ミリア:こういうお店はおススメを聞くより今旬の食材を聞いてセレクトするのが通ですよ♪
桜:成る程。
ミリア:(この時期この島で旬の魚はダイオウヒラメとゲッコウイカか)
桜:ミリア?
ミリア:・・・あ、すみません。えっと、ウエイトレスさん。この島でこの時期の旬はダイオウヒラメとゲッコウイカですよね?
ウエイトレス:そうですけど、どうして分かったんですか⁉︎
ミリア:桜さんに会う前に鮮魚市場をチェックしてたんです。もしこの店のオーナーシェフの『あの人』なら絶対この2匹を選ぶと思って♪
ウエイトレス:オーナーを知ってるんですか?
ミリア:幼い頃に会ったっきりであまり覚えてないのですが。
桜:で、ミリアのオーダーは?
ミリア:『ダイオウヒラメのカルパッチョ エメラルドリーフを添えて』と『ゲッコウイカのトメイク煮込み』
桜:では私もそれを。
ウエイトレス:かしこまりました♪・・・あの。
ミリア:はい?
ウエイトレス:実はここのオーナーシェフは私の祖父で、今入院してて父が代理でキッチンに立っています。この後祖父に会ってもらえませんか?祖父も喜びます。
ミリア:そっか。じゃ、この後行こうっと。
ウエイトレス:ありがとうございます♪
30分後・・・
ウエイトレス:お待たせしました!『ダイオウヒラメのカルパッチョ エメラルドリーフを添えて』と『ゲッコウイカのトメイク煮込み』です♪
ミリア:お〜!
桜:お!来たね♪
完食する2人
桜:いや〜、流石ミリアの選んだ料理だ♪
ミリア:・・・・・・ウエイトレスさん。
ウエイトレス:はい。
ミリア:この料理で使った『包丁』見せてもらっても良いですか?
ウエイトレス:え?
ミリア:お願いします。
ウエイトレス:やっぱり、分かりますか・・・・少々お待ちください。
桜:どうしたんだい?
ミリア:あのウエイトレスさんの持ってくる『包丁』を見れば分かります。
桜:?
奥の特別室から怒号が聞こえる
天界貴族:おい!いつまで待たせるつもりだ‼︎
ウエイター:もう暫くお待ちください!お客様のご注文の料理は時間がかかるのです‼︎
天界貴族:そんなのは聞き飽きた!早く持って来んか‼︎
桜:迷惑な客もいたもんだ。
ウエイトレス:これが父が使ってる包丁です。
包丁持つミリア
ウエイトレス:・・・・あの。
天界貴族:もういい!私が直接催促してやる!
ウエイター:お待ちください!それだけは!
天界貴族:ええい離せ!貴様、私を誰だと思ってる!14天界王西洋サイド筆頭ゼウス様の血縁デウス侯爵であるぞ!
桜:全くここは私がビシッと・・・
桜の腕を掴むミリア?
桜:(ヒィ!キ、キキキキキターーー!ミリア(裏)モード!)
冷たく鋭い眼光で語るミリア(裏)
ミリア(裏):あの馬鹿は私に任せろ。
デウス侯爵:ええい
ウエイターを振り払うデウス侯爵その頬めがけてナイフを投げるミリア(裏)
デウス侯爵:わ、私の顔に傷が!誰だ⁉︎無礼な愚か者は・・・
瞬時にデウス侯爵の眼前に移動して首を掴むミリア(裏)
デウス侯爵:だ。誰だ貴様は⁉︎
ミリア(裏):お前にナイフを投げた愚か者だよ。
デウス侯爵:貴様、私を誰だか知っての狼藉か!
ミリア(裏):あんな馬鹿デカイ声で言ってたら嫌でも聞こえる。
デウス侯爵:その王冠は貴様どこぞの国の魔王か⁉︎
ミリア(裏):だったらどうした?
デウス侯爵:こんな事をして貴様、自分の国を滅ぼすつもりか?私がその気になれば・・・ぐう!
更に締め上げるミリア(裏)
ミリア(裏):お前の愚行を正して滅びれば本望だ。
アロハの老人:その辺で許してくれませんか?
ミリア(裏):⁉︎
手を離すミリア(裏)
デウス侯爵:ゲッホゲホ!た、助かったぞジジイ。
突然殴りかかるアロハの老人
アロハの老人:こんの、愚か者が‼︎
デウス侯爵:何をする!
デウス侯爵の前に立つアロハの老人
アロハの老人:欲ボケして儂の声を聞き忘れたか?
サングラスを外す
デウス侯爵:ゼ、ゼゼゼ、ゼウス様⁉︎
ゼウス:そこのお嬢さん。どうしてこの馬鹿の注文した料理が時間のかかる料理なのか教えてやってくれませんか?
ミリア(裏):コイツがセレクトしたメニューの『カイザークラーケンのパールコアエメラルドリーフソース添え』は時季外れで入手困難な上、たとえパールコアのストックがあったとしても並みの料理人なら1ヶ月。ここのオーナーシェフ代理の息子なら2時間は調理に時間がかかる。それほど難しい。
ゼウス:だ、そうだ。ロクに理由も聞きもしないでこの愚か者めが!
デウス侯爵:う、うぅ。
ゼウス:お前は現時点をもって儂との絶縁申し渡し、侯爵の地位を剥奪。貴族最下位の男爵へ降格とする!後日天界宇宙中央政府から正式に通達があるから覚悟しておけ‼︎
デウス元侯爵:お、恐れ入りましたー!
ウエイトレスに包丁を返すミリア(裏)
ミリア:全ての食材にはその食材に合った調理器具があります。調理出来なくもないですけど、その包丁ではダイオウヒラメとゲッコウイカとの相性は悪い。
桜:じゃあ本来ならもっと美味しいって事?
ミリア:料理は調理器具で成り立つのではありません。どんなに良い調理器具もそれを扱う料理人が付いて来れないようではその調理器具の真価を発揮出来ないんです。
ゼウス:うんうん。流石は伝説の神童と謳われた料理人ですな♪
ミリア:神・・・・童・・・。
桜:ミリア?
ミリア:・・・・え?あ、すみません!
ゼウス:さて、儂は行くとしますか。目的の釣りも出来たし、美味しい料理も食べられましたしね♪
ウエイトレス:皆さん、ありがとうございました!
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