第308話結成!ビーストガーディアンズ
アオイ:ビバロン王国で封印が解け逃亡している天界宇宙最悪のマッドサイエンティストの亡霊ゲルマルク・鶯博士の凶行を阻止するべく巨獣専門医オリビア・火乃酉さんを筆頭に巨獣保護チームが結成されるようですね。
魔界時間10:00 シーラント諸島連合国大統領官邸
ジェシカ:ヤッホー!ジェシカだよ♪
ジュリア:・・・どうもジュリアです。
アオイ:この方達が金角・銀角族の双子の大統領、姉のジェシカ・ハイビスさんと妹のジュリア・ハイビスさんです。
杏:なんでおよばれしたですか?
アオイ:この子は主人公の妹さんでシルフィード王国のお姫様の杏ちゃん。種族は悪魔族です。
小雪:うみであそびたいべ〜。
アオイ:この子はフローズンダスト連邦のアイゼンフリーズ大統領の娘さん。種族は雪女族です。
リタ:ねもい。
アオイ:そしてこの子はロシア出身で人間の女の子。この子達がこの物語のマスコットと化したもぐもぐガールズですね♪
ハル:私も呼ばれましたが、理由は伺っておりません。
アオイ:こちらはヴェルキリー最強の機体シングルナンバーの1体でハルさん。杏ちゃんのお世話役です。
オリビア:あら貴女達も来てたの?
アオイ:この方は巨獣専門医オリビア・火乃酉さん。種族はダークエルフ族。
晃斗:どうやら俺達以外にも呼ばれてるようだな。
アオイ:こちらの方はオリビアさんの専属の護衛で
ミリア:えっと。何で私呼ばれたんだろ?
アオイ;この方はこの魔王少女物語の準主役の1人アクガリタル国のミリア・アクガリタル総理大臣。普段ほんわかしてるけど料理人モードになると凄く強くそして怖いです。
桜:それは私もおんなじだよ。
アオイ:この方は魔界宇宙最強の傭兵団『黒翼の剣』の副団長で魔界宇宙最強のスナイパー。今回はミリアさんの護衛を依頼されてこの国に来てるようですね。
エリカ:す、すみません!遅れました!
アオイ:そしてこの方は魔界宇宙4大メガバンクの1つ『
ジェシカ:ナレーターさん。一人一人の紹介ご苦労様♪
ジュリア:さて、皆さんに集まってもらった理由を説明する前にもう1人・・・どうぞ、入ってください。
大統領執務室に入るハイエルフ族の女性
オリビア:ア・・・アンタ!リネフィ⁉︎
リネフィ:久し振りねオリビア♪
ジェシカ:さあナレーターさん。もう一仕事♪
アオイ:この方はハイエルフ族の生物学者リネフィ・ローランさん。天界から医療系の名門大学リバイアス国際医科大学でオリビアさんが獣医学部で彼女が生物学部だった仲なのですよ。
ジェシカ:ジュリア、皆んな揃ったから説明ヨロシク♪
ジュリア:わかったわ姉さん。さて、ビバロン王国国王チョウスケ・ビバロン12世より聞いていると思いますけど、天界宇宙史上最悪のマッドサイエンティストであるゲルマルク・鶯博士が各国の巨獣に悪さをして魔界に恐怖を振り撒いているとの事で、この国でも3体の巨獣が被害にあっています。
オリビア:ハルの翻訳機能のお陰で巨獣との会話も可能になった事でやり易くなったわね♪
晃斗:次の救助対象は何だ?
ジュリア:次の救助対象は深緑の銀狼『エメラルドフェンリル』です。
リネフィ:エメラルドフェンリル。全長5000万mその巨体から想像も出来ないほど高速で移動する事から別名『神速の銀狼』とも呼ばれてるこの国特有の個体ね。
ジュリア:流石は生物学者。エメラルドフェンリルの『エメラルド』の由来は毛の色が美しいエメラルドグリーンである事からきています。
ジェシカ:今回は現地の先住民ウォルフ族と協力してもらうよ♪
晃斗:ウォルフ族?
ジュリア:ウォルフ族はハーフエルフで古くからエメラルドフェンリルと共にある部族です。中でも特に『深緑の巫女』はエメラルドフェンリルが心を開くと聞きます。
オリビア:場所は?
ジェシカ:ここから遥か南西の島。リーフラ島だよ!
ミリア:あの、私達が呼ばれた理由・・・
ジュリア:あ、そうでした。
ジェシカ:今日集まってもらったのはエメラルドフェンリルの件もそうだけど、このメンバーで巨獣救助チーム『ビーストガーディアンズ』を結成してもらうよ♪
全員:ビーストガーディアンズ⁉︎
ミリア:桜さん達ならわかるけど、どうして何の取り柄もない私が?
桜&エリカ:(え〜取り柄がない〜?うっそだぁ〜)
杏:あんずやるー!
小雪:オラもやるべー!
リタ:リタもやる♪
杏:ハルしゃんもやろう?
ハル:姫様の仰せのままに♪
ジュリア:皆さんを選んだ理由は先ずオリビアさんは獣医としての知識は勿論、リーダーの指揮能力の高さ。リネフィさんの専門知識。晃斗さんと桜さん。そしてミリアさんの戦闘能力。
ミリア:え?私が?え?
ジュリア:巨獣に好かれる杏姫、小雪ちゃん、リタちゃん。巨獣の言葉を翻訳出来るハルさん。
3人:えっへへ〜♪
ジュリア:そしてエリカさんの魔法援護能力
エリカ:あ、そういう事。
ジュリア:それに杏姫は女神顔負けのズバ抜けた治癒魔法の強さもメンバー選抜の理由です。
桜:報酬は出るのかい?
ジュリア:貴女に関しては団長さんから許可は取ってあります。『度々フラフラ遊び呆けてるのだから無償でこき使ってやってください』だそうです。
桜:アキのやつ、余計な事を!
オリビア:エメラルドフェンリルはこの国の植物には欠かせない存在。皆んな!行くわよ!
1時間後 リーフラ島
晃斗:この島だけ凄く緑が生い茂ってるな。
リネフィ:これがエメラルドフェンリルの能力よ。エメラルドフェンリルは島々を巡って命を吹き込み育む。そして病気の植物を治す事から『森林の医師』とも言われてるわ。
ウォルフ族長:お待ちおりました。
オリビア:ビーストガーディアンズのオリビアです。エメラルドフェンリルの様子がおかしいと聞いたのですが。
ウォルフ族長:詳しくは深緑の巫女にして孫娘のリレシュに聞いてくだされ。この時間は深緑の銀狼様の御前でお祈りをしている頃ですから。
深淵の森最奥 深緑の銀狼祭壇
エメラルドフェンリル:・・・・・・・・・・
エメラルドフェンリルに祈りを捧げるリレシュ
杏:ほわ〜!おっきいオオカミさんです!
ミリア:大き過ぎて頭しか見えない。
桜:綺麗なエメラルドグリーンの毛並みだね。しかも艶やかだ♪
リネフィ:フェンリル種の中でも森属性持った個体は魔界宇宙でも彼だけだからね。
リタ:このオオカミさんげんきない。
小雪:ホントだべ。
オリビア:早速問診を始めよう。ハル、通訳お願い。
ハル:はい。
オリビア:リネフィも来て。
リネフィ:わかったわ。
オリビア:杏ちゃん達は狼さんが怖がらないように一緒にいてあげて♪
3人:あい!
エメラルドフェンリル:グルルルル!
エメラルドフェンリルの鼻に手を当てる杏
杏:よしよ〜し。だいじょうぶですよ〜♪
小雪:オラたちはオオカミさんをげんきにしにきたんだべ♪
リタ:こわくないよ♪
一気に警戒を解くエメラルドフェンリル
リレシュ:凄い!私以外で深緑の銀狼様が心を開くなんて!
オリビア:先ずはあなたの縄張りに入った事をお詫びするわ。私達はあなたが具合を悪くしてると聞いて助けに来たの。あなたの言葉は彼女が訳してくれるわ。
ハルをジッと見つめるエメラルドフェンリル
ハル:・・・はい。彼はこう言っております『貴公等の事は同胞のコウテイペリカンから眷属を通じて聞き及んでいる。フォートレストータスとアイランドクラブの件についても我からも礼を言う』と。
オリビア:具合が悪くなったのはいつ頃?
ハル:・・・わかりました、伝えます。彼が言うには『3日前から。いつもの様に主食であるヤクジュ島の
リレシュ:合ってる!私でも断片的にしかわからないのにこの
オリビア:あなたの体毛を一本もらえないかしら?原因を調べたいの!
ハル:『わかった。良いだろう』と言ってます。
エメラルドフェンリルの体毛を採取するオリビア
オリビア:早速分析してみるわ。リネフィ。貴女はエリカと一緒にヤクジュ島に行ってくれない?確実にそこに原因がある筈だから。
リネフィ:わかった。
エリカ:何で私?
オリビア:エリカは植物に詳しいでしょ?
エリカ:そりゃあ趣味で植物採集してるけど。
オリビア:じゃあお願い♪
50分後ヤクジュ島
リネフィ:見たところ何も変わったところはないようだけど・・・あ!
エリカ:流石生物学者。気付いたようね♪
リネフィ:薬樹草の根元・・・これは『
エリカ:それも只の虫瘤じゃない。『ある昆虫』の縄張りを示す『縄張り虫瘤』あえて虫瘤を作る事で自身の縄張りを示す。その証拠にこの虫瘤は赤く変色してる。
リネフィ:薬樹草は殺虫効果のある薬草で、エメラルドフェンリルの主食。彼が薬樹草の殺虫成分を身体から散布する事で植物に巣食う害虫を死滅させてから防虫効果のある成分も散布する。更にリーフオーラを放って植物を癒して成長を促進させる。
エリカ:昆虫はこの薬樹草には絶対に近寄らない。その昆虫の天敵とも言うべきこの薬樹草に虫瘤を作れるような図々しい昆虫といえばただ一種だけ。
リネフィ&エリカ:
地下をスキャンするリネフィ
リネフィ:・・・・いない。1匹もいない。
エリカ:やっぱりね。砂塵蟻は地下に巣を作るんじゃなくて植物に巣を作る。つまり・・・
リネフィ:エメラルドフェンリルは気付かずに女王蟻ごと食べた。
エリカ:その結果、消化しきれず体内で彼の身体を蝕んでる。
リネフィ:なにせエメラルドフェンリルの身体の6割が植物だから。砂塵蟻にとって彼の体内は格好の餌場!
デバイスで通話するリネフィ
リネフィ:オリビア!
オリビア:原因がわかったのね。
リネフィ:ええ。原因は砂塵蟻よ!
オリビア:え⁉︎砂漠の国ガルガジア王国にしか生息してない砂塵蟻が何でこの国に・・・。そうか!ゲルマルクの仕業ね!
ミリア:砂塵蟻かぁ。アレ結構美味しいんだよねぇ〜♪・・・じゅるり♡
オリビア:え?アレ食べれるの?
ミリア:お尻は毒性の強い酸があるから熟練の料理人でも調理に手間がかかるけど。
桜:嫌な予感しかしない。
エリカ:うん。ちょっと
オリビア:因みに調理方法は?
ミリア:えっと。冷気に極端に弱いから、先ずは女王蟻を凍らせて動きを止める。そうしないと毒性の酸を辺り構わず撒き散らすように命令するから。
オリビア:それから?
ミリア:女王蟻の指示が止まって命令待ちで固まってる働き蟻と兵隊蟻のお尻を素早く切断、切断したお尻を一箇所に集めて凍らせる。そして胴体をカラッと揚げると世にも美味しい砂塵蟻の唐揚げの出来上がり♪
オリビア:それでいきましょう!というわけだからエリカは戻ってきて。
エリカ:え〜!またアレやるの〜?
桜:ビーストガーディアンズの一員になったからには諦めた方がいいよ。
エリカ:うぅ。最近こんなんばっかだ〜。
ミリア:因みにお尻は綺麗に毒抜きすれば食べられるよ♪
オリビア:毒抜きってどうやるの?
ミリア:毒性の酸も冷気に弱いから凍らせた時点で消滅するよ。10分くらい凍らせればOK♪
リーフラ島に転移するエリカ
ミリア:来ましたね♪それじゃあエメラルドフェンリルの身体の中へ〜。レッツゴー♪
桜&エリカ:ゴ、ゴ〜。
エメラルドフェンリル体内食道
トランクから包丁を取り出した瞬間人格が変わるミリア
ミリア?:よし。調理開始だ。桜!働き蟻と兵隊蟻の触角を打ち抜け!エリカ!結界魔法と同時に女王蟻を氷漬けにしろ!
桜&エリカ:ア、アイアイサー‼︎
蟻達が怯んだと同時に瞬時に蟻の尻を切断するミリア?
エリカ:相変わらず鮮やかな包丁捌き。
ミリア?:エリカ!ボサッとするな!一箇所に集めるから凍らせろ!
一箇所に集めるミリア?
エリカ:ええい!
集めた尻を瞬時に凍らせるエリカ
エリカ:凍らせるなら小雪ちゃんでも良かったんじゃないかなぁ。
桜:幼いレディにトラウマを植え付けるつもりかい?
エリカ:・・・ごもっとも。
トランクから大鍋を取り出して揚げ始めるミリア?
エリカ:おお〜!芳ばしい匂いが♡
桜:あの蟻食べられるって本当だったのね。
エリカ:ミリア先生〜!蟻揚げる時油使わないんですかぁ?
エリカの方を見るミリア?
桜:オイオイオイ。怒らせたんじゃないのかい?
ミリア?:・・・・・良い質問だ。砂塵蟻の胴体は敵を焼き殺すために常に菜種油がついている。だからこれだけ群れてると油を注ぐ必要はないのだ。
エリカ:ほえ〜。
ミリア?:あとは香り付けに千畳ネギを加えて・・・出来た!砂塵蟻の唐揚げだ。
調理器具を仕舞うと元の人格に戻るミリア
ミリア:おおー!砂塵蟻の唐揚げだぁ♡頑張ったから皆んなで食べよう♪
エリカ:良いの?
ミリア:勿論だよ〜♪揚げたても最高だけど、冷めても美味しいしね。
エメラルドフェンリル:グフォ〜。
オリビア:口から芳ばしい匂いがする。
小雪:おなかすくにおいだべ〜。
リタ:おなかすいたー!
杏:ごはんは〜?
3人:ご・は・ん!ご・は・ん!
口を開けるエメラルドフェンリル
ミリア:皆んなー!お昼にしましょう♪
3人:ごはーーーーん!
オリビア:皆んなご苦労様。具合はどお?エメラルドフェンリル。
エメラルドフェンリル:アオーーーーーン♪
小雪:げんきになったべー♪
杏:アリさんおいしいね♪
小雪:サクサクだべぇ♪
リタ:あふっ!あふっ!
おもむろに立ち上がり島を離れるエメラルドフェンリル
エリカ:あ、行っちゃった。
オリビア:病床にある間に出来なかった島々の植物の手入れをしに行ったのだろうね。
リレシュ:あ、あの!
オリビア:ん?
リレシュ:皆さんありがとうございました!皆さんがいなかったら深緑の銀狼様はどうなっていた事か。
リネフィ:気にしないで。私達はそれがお仕事だから♪
3人:おしごとだから♪
オリビア:さあ皆んな!報告に戻るわよ!
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