第205話総理のグルメ ライコウ皇国(中編)
アオイ:一国の魔王、大銀行の頭取、そして新人ジャーナリストのSPという異色の3人が鉢合わせ・・・・あ。オマケも2人いましたね。
魔界時間12:00 ライコウ皇国 首都サンヨウ
天欄食堂前
ミリア:(この人確か魔界宇宙4大メガバンク黒耀銀行エリカ・カズクラフト頭取。そしてもう1人は人界で魔王を倒した女勇者。)
エリカ:(今は八咫烏文庫の新人ジャーナリスト缶塚桃の下でSPやってるってグローバルジャーナルの記事にあったわね)
リズ:(1人は一見武術はからっきしのように見えて魔法の腕は魔王級。そしてこっちの女はハレル宮司と同じ蹴り技を得意とするといったところか・・・この2人。できる!)
惠:何で3人共黙ってるのかニャ?
桃:多分つっこんだら負けだと思う。
惠:あ、ども。アクガリタル国で科学大臣をしてる惠・
桃:これはこれはご丁寧に有難うございます。私、八咫烏文庫週間グローバルジャーナルで記者をしてます缶塚桃です。
惠:へぇ〜。文芸王のお膝元で働いてのかニャ。優秀なんだニャ〜♪
桃:あ、あのぉ。3人共折角ですから相席しませんか?
リズ:ん?ああ。腹さえ満たせれば異存はない。
ミリア:そうだね。人界のことわざに『袖振り合うも他生の縁』って言うし。
エリカ:言い得て妙ですね♪
リズ:おい。ナレーター。袖振り合うも他生の縁とはどういう意味のことわざだ?
アオイ:はぁい。お答えします♪袖振り合うも他生の縁というのは、人の縁は全て単なる偶然じゃないって事ですね。それだけ深い因縁によって起こるものだからどんな出会いも大切にしてね♪という意味ですよ。
リズ:ふむ、良いことわざだ♪
桃:皆さん何にします?
この一言で空気が一変する3人
惠:え?え?え⁉︎どどど、どうしたのかニャ!
桃:う〜ん。この3人。接点無くて初対面だけど多分『同類』かも。こういうのを人界のことわざで『類は友を呼ぶ』だと思う。
惠:ど、どういう事かニャ?
桃:この前リズさん話してくれたんだけど、人界に居た頃色んなトコ行って食べ歩いては美食家みたいな事してたみたい。
惠:確かに言われてみると何か雰囲気がそっくりニャ。
ミリア:(さあ、どれにするかなぁ。ここは定番の餃子と小籠包にするか或いは・・・)
リズ:(餃子はもう食べた。私の気分は小籠包。それ以外にあり得ない!)桃、餃子や小籠包の肉は何を使ってる?
桃:魔界の料理の大半は人界の料理だから・・・豚ですよ。
リズ:(そうか。あれだけ食に妥協せず素材と味にこだわる魔族だ。他にも魔界の食材を使ったオリジナルの調理法で作られたのがあるに違いない!)
エリカ:(食材を聞いた?成る程、魔界の食材でどこまで工夫がされているか。その店の実力を見ようってわか。やるわね♪)
常連客A:お姉さ〜ん!『餃子・小籠包食べ比べセット』を!
一気に常連客見る3人
惠:おわ!3人共イキナリ何なのニャ⁉︎
桃:あ〜。多分餃子と小籠包どっちにしようか迷ったところに目から鱗のメニューが出たから一斉に反応したんだよ。
リズ:(なんて事だ!そんなメニューがあったとは。)
エリカ:(これは嬉しい誤算ね。さあ、この2人。どう出る?)
ミリア:(これはもう決まりでしょう♪)
3人:すみませ・・・・
常連客B:すみませ〜ん。『カールトンの欲張りセット』
ミリア&エリカ:な⁉︎
リズ:桃、カールトンって何だ?
桃:う〜ん。これは私が説明するよりナレーターさん。説明宜しくお願いしま〜す。
ナレーター:はぁい♪カールトンは農林水産超大国カントリア王国原産の食肉用の動物で超高品質乳製品でも知られる『魔界宇宙の歩く国家予算』っていうくらいの高級なもの。1グラム1億ヘルネス(人界換算10億円)の高級ブランド獣なんですよ♪こういうところにメニューとして出る事自体奇跡なんですよ。
リズ:ヘルネスや円とやらで言ってもピンとこないのだがな。
桃:う〜んと・・・リズさんの世界の通貨でいうと・・・金貨100億枚だね。
リズ:な!1グラム金貨100億枚だと!
桃:えっと、どうします?リズさんの良心ランクだとタダで食べられるけど。
リズ:(何!よおし。それなら!)おい!注文いいか?
店員:はあい。
ミリア:(ここで引き下がっては魔王の名が廃る!)
エリカ:(特Aランクにビビるなエリカ!天下の4大メガバンクの一角。恐るるに足らずよ!)
3人:カールトンの欲張りセットを!
後編に続く・・・
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