第206話総理のグルメ ライコウ皇国(後編)

 アオイ:三者三様、似た者同士。見た目は凄い美人でカッコいいのに食の事になると中身がちょっと残念になる3人・・・おや?どこかで見た顔ぶれが来店したみたいですね♪


 魔界時間12:30 ライコウ皇国首都サンヨウ


 天欄食堂 店内


 リズ:ふむ、魔界宇宙最高級の食肉獣を使った贅沢な逸品か。愉しみだ♪


 別の席に座る面々


 シエル:パーティーならこの前シルフィード王国の王城でやったじゃない。


 ミシェル:このメンバーで祝いたかったっスよ♪


 結衣:ま、私は別に良いけど・・・


 シセリア:・・・・・


 結衣:何でシセリアまで?


 レイラ:弁護士も検事も裁判が終わればオフサイドでしょ?


 ディアナ:上手い事言うわね。


 シエル:確かここ。アンタの馴染みの店・・・だっけ?


 ミシェル:そうっス。毎年父さんの命日には必ず来るっス。小さい頃どんなに忙しくても父さんは私の誕生日には必ず連れてきてくれたっス♪


 結衣:亡くなったお父上との思い出の店だったのね。


 シセリア:・・・・・すまない。軽率だった。


 ミシェル:あ〜。良いっスよ。父さん賑やかなのが好きな方だし。それに・・・ここには常連客しか知らない『裏メニュー』があるっスよ♪


 一斉に振り返る3人


 惠:おわ!今度は何ニャ⁉︎


 桃:多分さっきの裏メニューに反応したんだと思う。さっき注文したばかりなのにまだ食べるつもりだよ。この人達。


 惠:どんだけ食いしん坊なのニャ。


 店員:お待ちどう様でした〜!『カールトンの欲張りセット』で〜す♪


 惠:これで3人前・・・軽く10人前位あるのニャ。


 桃:惠ちゃん。忘れないで。この人達。この上さっき反応した裏メニュー頼むんだよ。


 ミリア:(ふふん。想定内の量ね♪)


 リズ:(フッ。これなら例の裏メニューも余裕で入りそうだ♪)


 エリカ:(私からしたらちょっと物足りないけど例の裏メニューがあれば丁度良いかも♪)


 桃:ほらね。


 惠:コイツ等の胃袋はバケモンかニャ。


 シセリア:で?例の裏メニューっていうのは?


 一斉に聞き耳をたてる3人


 ミシェル:それは〜・・・・


 3人:(そ、それは?)


 ミシェル:魔界宇宙三大珍味の中でも一際レア中のレアとされる希少食材。『オーロラフェニックスの卵』を使った『餡掛け炒飯』っス♪


 ミリア:(オーロラフェニックスでだって⁉︎)


 エリカ:(市場でも滅多に出回らない。一個1兆ヘルネスはするのに!)


 リズ:桃、オーロラフェニックスって何だ?


 桃:ナレーターさんお願いしま〜す。


 アオイ:はぁい♪オーロラフェニックスの卵は陸のカールトン。海のカイザークラーケンに次ぐ魔界宇宙三大珍味に1つ。他の鳥獣類と違って卵を産む場所が決まっていない上に産む周期が全くの不明である事から見付けて手に入れるのが非常に困難な食材。見付けただけで一生分の奇跡が起きたというくらい珍しいの。


 桃:その価格は一個1兆ヘルネス。日本円で10兆円。リズさんトコの金貨なら100兆枚だよ。


 リズ:ひゃ、100兆だと⁉︎


 シエル:そんな超高級食材よく手に入ったわね。


 ミシェル:門外不出の特別な仕入先があるそうっスよ。種の保存のために魔界宇宙中央政府からキツく口止めされてるらしいっス。


 シセリア:それは愉しみね♪


 ミシェル:それじゃ、注文するっスよ。お姉さ〜ん!


 店員:はいは〜い♪


 ミシェル:『オーロラフェニックスの餡掛け炒飯』を。


 店員:はぁい。餡掛け一丁!


 ディアナ:一皿で良いの・・・あ、貴重だから数量限定なのか。


 ミシェル:う〜ん。それもあるけど、アレ一皿が凄い量なんっスよ。だから数量・複数人限定。だから逆にお一人様用は無いんスよ。


 ミリア達見て声をかけるミシェル


 ミシェル:そっちの3人もどうっスか?量が多いから勿体無いし。


 リズ:い、良いのか?


 ミシェル:これも何かの縁っス。ど〜んと来いっス♪


 相席する5人


 レイラ:こりゃまた随分大人数になったね♪


 ミシェル:あの餡掛け炒飯これくらいじゃないと食べきれないっすよ。


 店員:お待たせしました〜。こちらが『カールトンの欲張りセット』で・・・


 6人がかりで運ぶ店員達


 店員:こちらが当店の裏メニュー『オーロラフェニックスの餡掛け炒飯』で〜す♪


 惠:で、デカイニャ!そして凄い量ニャ!


 桃:こ、これ。チャレンジメニューか何かですか?


 ミシェル:オーロラフェニックスの希少性の理由は鮮度が落ち易いから保存が効かないってことなんっスよ。オマケに卵自体が物凄く大きいから料理にするとどうしてもこのサイズになるんっス。


 ミリア:それでは・・・・


 全員:いただきま〜す!


 ミリア:(これは!ふんわり柔らかくそれでいて凄い存在感!)


 リズ:(米に満遍なく絡み他の具材の持ち味も殺さないむしろ活かされてる!)


 エリカ:(これはまさに母性の象徴そのもの!そしてカールトンとの相性も抜群!)


 ミシェル:3人共急に黙りこんだっスね。


 桃:多分、心の中で思いっきり食レポしてるんだと思います。


 20分後・・・


 惠:たった20分で殆どこの3人で完食したニャ。こうなるとこの3人の胃袋はいよいよバケモンニャ。


 シエル:ほんと・・・ウップ!見てるこっちが胸焼けしそう・・・


 ディアナ:しかも完食してなおケロッとしてるところが・・・ウッ!凄い。


 レイラ:私・・・もう・・・駄目。


 ミリア:さあ!後はデザートね♪


 リズ:そうだな♪


 エリカ:すみませ〜ん。『至高の杏仁豆腐』3つ♪


 全員:まだ食べるんかーーーい!










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