第7章 4界宇宙大法廷
第173話優しき声を追って
国土争奪戦争フローズンダスト連邦戦の興奮冷めやらぬ中。テレビ局ではある番組の企画会議で1人の堕天使の話題が出ていた。
魔界時間22:00 OHNテレビ 会議室
『魔王少女物語』企画会議
プロデューサー:この番組のナレーターだけど、やっぱりAOIさんに戻したいと思うんだけど・・・どうかな?
ディレクター:そうですね。今のナレーターはドキュメント番組的にはアリなんでしょうけど。視聴者からは『何故AOIじゃないの?』という問い合わせがいまだに殺到してきますよ。
AD:何で番組降板になったんでしたっけ?
プロデューサー:確か家族で事故か何かにあって看病のため長期の活動休止を事務所に申し出た・・・じゃなかったっけ?
AD:そろそろいいんじゃないっスかね?
ディレクター:そうだな・・・・そうだ!『彼女』に頼んでみたらどうでしょう?
プロデューサー:今年入った新人アナウンサーのサクラ・アレッサかい?
ディレクター:そうです。彼女。密着取材以来メールのやりとりする仲らしいですから今回の芸能界復帰交渉、適任だと思うのですが。
プロデューサー:よし!報道局には俺から話通しておくよ。
会議後 局内 報道局
サクラ:え!私がですか⁉︎
局長:君、AOIと交流があるそうじゃないか。
サクラ:・・・はい。ですが、活動休止以降メールでのやりとりだけで最近は会っていませんよ。
局長:君も心配じゃないのかね?
サクラ:それは。心配ですし、気にはなりますよ。
局長:じゃ、決まりだな。芸能界復帰交渉・・・やってくれるね?魔王少女物語はどこか視聴者を和ませるところがある。だからあの番組にはどうしても彼女の声が必要なんだ。わかるね?
サクラ:・・・・・はい。
局長:頼んだよ。
2時間後 超高級マンション『ナイトメアヒルズ』
アオイ:姉さん。具合どう?
クリス:ああ、だいぶ良いよ♪私はもう大丈夫だから。そろそろ芸能界に復帰しても良いんじゃないか?
アオイ:姉さん・・・
クリス:ん?
アオイ:もう『シャドーエンジェル』は退役したんだよね?
クリス:今更何言ってるんだ。その証拠にこうして堕天して魔界でお前と暮らしてるじゃないか。
アオイ:うん。今はスタントマンとして働いてる・・・でしょ?でもその怪我。本当に仕事での怪我なの?
クリス:ああ、かなり危険なスタントでね。流石に危なかったよ。
インターホンが鳴る
アオイ:誰だろ?は〜い。
サクラ:お久し振りですアオイさん。
アオイ:サクラ⁉︎ちょと待ってて。
ドアのロックを解除して開けるアオイ
アオイ:どうしたの?
サクラ:実はお願いがあって来ました。
アオイ:ここじゃなんだからあがって・・・あら?
その後ろから来るミランダ
ミランダ:ここはクリス・ミロードの自宅で間違いないか?
更に後ろからミランダの髪を引っ張る杏
杏:いきなりしつれいです!ちゃんとごあいさつするです!
ミランダ:いっイタタタタ!ひ、姫様。わ、わかりましたから髪だけは!
ハル:プッ!ざまぁ♪
杏:ひとのふこうをわらうハルしゃんにもおしおきです!
閻魔の鈴を鳴らす杏
ハル:ヒィ!姫様それだけは!
アオイ:・・・・・ええっと。
ミランダ:私はクリスのかつての上司でミランダ・レイナードという者だ。
杏:ミランダしゃんがおみまいにいきたいといったのできたです!
アオイ:そうなんだぁ。2人をしっかりリードして偉いねぇ♪
杏:あい!
アオイ:さ、皆んなあがってあがって。
クリス:誰だったん・・・・⁉︎長官!
ミランダ:今は『元』が付く。お前の方こそ怪我は良いのか?
クリス:ええ。
ミランダ:すまないが、2人きりで話がしたい。ハル。
ハル:わかった。さ、姫様。こちらでオヤツにしましょう♪
杏:あい!
アオイ:フフ♪じゃ、皆んなの分のお茶用意しますね。
サクラ:すみません。私も手伝います♪
ミランダ:その怪我。仕事でできたものじゃないな。
クリス:お見通しでしたか。ええ。アオイが『天裏の衣』に最近狙われているのです。
ミランダ:お前の妹が?
クリス:おそらく『例の任務』で『ある証拠』を持っていると思っているのでしょう。私が退役して妹と暮らすようになった所為で。
ミランダ:そうだったか。
別室
サクラ:お願いですアオイさん!皆んなアオイさんの芸能界復帰を待ってるんです!
杏:あんずもアオイしゃんのおこえまたテレビで聴きたいです!
リビングに入るクリス
クリス:皆んなもこう言ってるんだ、私はもう大丈夫だから。またその声で魔界の皆んなを癒してやってくれ。
アオイ:うん!
サクラ:じゃあ!
アオイ:復帰するわ♪
サクラ:あ、有難うございます!
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