第20話深海の神秘

 大使として活躍する人界のアナスタシア、一方ですっかり内務大臣シオンの通訳と化した シールズ帝国の皇女クラリス。彼女はある地に興味を示し、彼の地にいたのであった。


 魔界時間13:09 シルフィード王国 南方エリア サウスバーグ公爵領 碧の都


 クラリス:・・・・これは、言葉を失うほどの美しさですわ♡


 カリン:お、お褒め頂き、光栄です皇女殿下!


 クラリス:カリンさん。今日は宜しくお願いしますわ。


 カリン:お、お任せください!


 クラリス:早速ですけど、この美しいエネラルドグリーンの海は何というのですか?


 カリン:こ、この海の名は『翠玉(すいぎょく)海』といいます。因みにこの海は農林水産超大国『カントリア王国』と、造船・水産超大国『シャークハルト共和国』との国境海域でもあるんです。


 クラリス:つまりこの海は3つの国の国境って事ですの?


 カリン:はい、そういう事です。この翠玉海は古くからカントリア王国とシャークハルト共和国が『あるもの』の漁獲権をかけて争っているのです。


 クラリス:『あるもの』の漁獲権って事は『魚介類』って事ですわよね?


 カリン:はいそうです。その『あるもの』というのは『カイザークラーケン』という超巨大なイカなんです。


 クラリス:イカって、あの刺身とかにすると美味しい足が10本ある白い生き物ですわよね?この前初めて見た時は少々グロテスクと思いましたけど物凄く美味しかったですわ♡『超巨大』ってどれくらいですの?


 カリン:平均全長1千万mです。


 クラリス:い、1千万!


 カリン:身も美味しいんですが、1個で大陸丸ごと買える程の値がつく深海の珍味『パールコア』というカイザークラーケンの心臓が絶品なんですぅ。


 クラリス:それが3つの国の国境海域の交わる中心にあるのですわね。


 カリン:はい〜、そのため漁獲権を巡って両国が何度も国土争奪戦争を仕掛けあってるんです。建国以来10万年以上も。


 クラリス:気の遠くなるようですわね。


 カリン:今までは2カ国間だけだったんですけど。今はシルフィード王国があるから・・・


 クラリス:この国に戦争を仕掛けれるのも時間の問題ですわね。


 カリン:でもでも、暫くは問題ないかと。


 クラリス:どういう事ですの?


 カリン:今度はどちらがシルフィード王国に仕掛けるかで争うからです。


 クラリス:あ〜、成る程。


 カリン:そろそろお食事にしましょう。南海の海の幸をご用意させて頂きました〜♪


 クラリス:それは楽しみですわ♡




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る