第120話プロジェクトWB

 4界宇宙創生時代の旧天界宇宙エージェントが遺した無念を晴らし、4000億年の永きに渡る天界宇宙中央政府の闇を一掃するべくレイブンセキュリティ社社長ミシェル・ウスバッタは知人である14天界王西洋サイドの一角ヘラクレスに白い小箱を届ける計画『プロジェクトWB(ホワイトボックス)』が始動しようとしていた。


 魔界時間:10:00 レイブンセキュリティ本社 極秘任務専用会議室


 ミシェル:そんじゃ、始めるっスよ!


 重役A:それで社長。例の『白い小箱』の輸送方法ですが。如何致しましょう。


 ミシェル:『魁皇通運グループ』に依頼しようと思ってるっス。


 重役B:魁皇通運グループといえば、そこの社長は確か社長の学生時代からの親友でしたな。


 ミシェル:そうっス!持つべきものは親友っスから♪


 重役C:表向きはヘラクレス様への献上品輸送の護衛という名目でしたな。


 ミシェル:そうっス。天界宇宙最高権力者である天界大帝様のNo.2『14天界王』への献上品輸送護衛という名目だったら私が同行しても不自然じゃないっスからね♪


 重役A:確かに。それで、その表向きとなる『献上品』は何と?


 ミシェル:差出人はカントリア王国国王ラクス・カントリア18世。献上品は『ロイヤルクラウンビーの極上蜂蜜』


 重役C:ロイヤルクラウンビーの蜂蜜といえば、一粒1000京HN(日本円換算9垓円)する超高級蜂蜜ですよね。確か、超高額プロテインの原料でしたか。


 ミシェル:そうっス!勿論カントリア王の協力のもと本物も用意してるっス♪


 重役B:流石社長!


 ミシェル:魁皇通運の用意した輸送艦には防犯のため幾つかダミーの保管室があるっス。そのダミーの保管室の1つに『白い小箱』を入れるっス!


 重役A:それではその様に手配します!


 会議終了後 社長室


 秘書:重役方の中に『裏切り者』がいると?


 ミシェル:そうでない事を祈りたいっスけどねぇ。グローバリア公王直々の情報だから一概に嘘とは思えないっスよ。


 秘書:それで社長が肌身離さず持つ事にしたと。


 ミシェル:その方が安全っスから。


 秘書:今もお持ちで?


 ミシェル:そうっス♪この事は他言無用っスよ。


 秘書:勿論です。ではこの後のスケジュール調整がありませので。


 ミシェル:ほ〜い。お願いするっスよ♪


 社長室を後にする秘書


 秘書:・・・・・・はい。ウスバッタ社長が肌身離さず持つと申しておりました。


 謎の声:判った。引き続き目を光らせておけ。


 秘書:はい。


 同時刻 社長室


 ミシェル:やっぱり秘書が『裏切り者』だったっスよグローバリア公王陛下。


 グローバリア公王:フン!我が魔王具『万里の見聞録』の情報に嘘偽りなどあるものか。当たって当然だ!


 ミシェル:恐れ入りました♪


 グローバリア公王:では誰が持っていくのだ?


 ミシェル:それはぁ・・・・秘密っス♪












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