第108話産業大臣昏葉
農林水産業、鉱業、製造業、建設業、運輸・通信、商業、金融、保険、不動産業等。これ等を財政省が取りまとめてきたが、急速なシルフィード王国の発展に財政省は悲鳴をあげ、ここで商業、金融、保険に集中させるべく、新たに産業省の設立が急がれた。
魔界時間9:08 天城平野
アリス:ここはかつて天魔対戦時代、天界軍が魔界との決戦時に当時軍師で現天界宇宙中央政府『4宰相』の軍政大臣ゼーレが前線基地として建設した城があった地なんだよね?
シキ:はい、私が眠りにつく前は完成したばかりの頃でしたが。今はもう無いのですね・・・
平原に1人佇む有角の女性
アリス:あのヒト・・・酒呑童子族だよね?
シキ:肌の色とあの背丈はオーガ族の様ですが、ハーフでしょうか?
有角の女性:両方、ハーフだ。
アリス:速いね♪
有角の女性:驚かないところを見ると私の動きを読んでたか。見事だ♪私は昏葉(くれは)・レイナード。
アリス:私は・・・
昏葉:アリス・シルフィードだろ?テレビで観た事がある。
シキ:マスターもすっかり有名人ですね♪
アリス:現役時代なら良くない事だけど、今は良い事かな♪
昏葉:1つ問おう。この地を見てどうしたい?
アリス:まぁ、普通は観光地にするなんて言うところだろうけど。私は畑や牧場とかが良いと思うな♪土の質も良いし、天然で且つ良質な牧草もあるし。先生もそう言うと思う。
昏葉:先生?
アリス:農林水産超大国カントリア王国の王様、ラクス・カントリアさんだよ♪
昏葉:カントリア国王から師事を受けているのか。
アリス:師事を受けてまだ1カ月だけど。
昏葉:それでその発想に至るなら大したものだ♪これなら文句ないな!
アリス:?
昏葉:『産業大臣』となる人材を探してるのだろう?
アリス:ウン!グローバリア公王の奥さんが『天城平野で素敵な出会いありますよ♡』って教えてくれたから♪
昏葉:フッ♪じゃあ決まりだな。世話になる!
アリス:アリガトー♪
昏葉:土いじりしていたら汗をかいてしまってね。何処か温泉とかないか?
アリス:じゃあウチ(城)の風呂入る?
昏葉:ああ、助かる♪
2時間後魔界時間11:08 王城大浴場 露天風呂
昏葉:アリス・シルフィードが親日家とは聞いていたが、まさかここまでこだわるとは!
マチルダ:ふぅ〜♡
昏葉:ほぉ、魔界宇宙貴族一の温泉通で知られるマチルダ・グロッタがくつろぐくらいだ。素晴らしい!
物陰から覗く麗華
麗華:マチルダはんの重厚な筋肉とは対照的にあんヒトはスラっとしていながらにぎっしり詰まった筋肉、いわゆる細マッチョ!嗚呼、尊い♡この2ショットは尊いどすえ♡
背後から手錠をかける風華
麗華:うお!風華はん!
風華:じゃ、行こうか♪取調室でお姉さんが待ってるぞ♡
麗華:いーやーやー!
アリス:麗華ちゃん・・・
昏葉:そういえば、マチルダはいつからいるんだ?黒褐色の肌が全身真っ赤だが。
アリス:マチルダ姐さんかれこれ4時間は入ってるって。
昏葉:よ、4時間⁉︎
アリス:そんじゃあがりますか♪
昏葉:あいや、アレは良いのか?のぼせるぞ!
アリス:大丈夫だよ、6時間入っててもピンピンしてるから♪
昏葉:ブラックオーク族は暑さに強いと聞いた事あるが、あれは流石に規格外だぞ。
魔界時間12:00 休憩フロア『和みの間』
アリス:ささ、入って入って♪
昏葉:まさか和室完備とは・・・
アリス:風呂上がりに炬燵で甘酒、至福だよね〜♪
昏葉:ああ、そういえばアリスは未だ未成年だったな。
アリス:お酒は200歳になってから♪
アナスタシア:後30年はまた気の遠くなる話ね。
アリス:そお?魔族にとっては3年感覚だよ。
昏葉:私の産業省は?
アリス:既に完成してる。後は昏葉姐さんが来るの待つだけだよ♪
昏葉:上出来だ♪
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