第146話情報屋黒露雨
雨女、それは雨を呼ぶ女性の妖怪。メディア超大国グローバリア公国公王、チャールズ・グローバリア13世から情報を得るためその『対価』となる情報を情報屋『黒露雨』から得ようとしていた。
魔界時間13:09 シルフィード王国・グローバリア公国国境ワイズ平原
シキ:本当にここなんですか?
アメリア:あぁ、間違いないさ。『黒露雨』って情報屋はグローバリア公王の欲しがる情報を持っている。
シキ:どうやって見付けるのですか?確かその情報屋の種族は雨女。一概に雨が目印と言っても魔界には何万・何十万って雨女がいるんですよ。
アメリア:大丈夫だ、ソイツは雨女の中でも特に珍しいタイプなんだ。
シキ:というと?
一軒のBARを指すアメリア
アメリア:彼処に居る。
シキ:な!彼処だけ『黒い雨』が⁉︎
アメリア:そう。それが『黒露雨』の名前の由来さ。ソイツは雨女族の中でも特に希少な『色違いの雨』を降らす雨女なんだよ♪
BARに入る2人
黒露雨:待ってたよ。
アメリア:久し振りだな。50年といったところか。
黒露雨:アンタが突然現役を退いたって聞いて驚いたよ。この国の女王様に惚れたとか。アンタが惚れるなんて相当な御仁なんだね。
アメリア:まぁな♪で、そろそろ本題に入りたいんだが。
黒露雨:あ〜。あのグローバリア公王の爺さんが欲しがってるっていう『アレ』の情報か。ホント相変わらず偏屈な爺さんだよ。情報が特産品のグローバリア公国で見返りに金ではなく情報を求めるなんてね。
アメリア:魔界きっての知識欲の塊の様な爺さんだからね。自分が知らない事があるのが気に喰わないんだろ。で、その『情報』っていうのは何だ?
手を差し出す黒露雨
黒露雨:あたしゃグローバリアの爺さんとは違うんだ。それなりの『報酬』が無いとね♪
アメリア:判ってる・・・・ほら。
封筒を渡すアメリア
黒露雨:毎度〜♪さて、あの爺さんが欲しがってるっていうのは天界宇宙の旧グリーンヒル王国で起こった『次元大震災』その直前に起こった『空白の1時間』を映した記録映像。本来異常が起こった際に記録映像は原因究明のため緊急転送される筈が、行方不明になったって大騒ぎになった件だろ?
アメリア:そうだ。ウチの女王陛下がソレを探してる。知ってるんだろ?その行方不明になった『記録映像を持ってる奴』を。
黒露雨:ま、報酬を受け取ったんだ。教えてやるよ。そいつの名は『チャールズ・クラフト』天界宇宙通信省官僚。あのバンクフルト合衆国にある妖魔銀行から『白い小箱』の情報を盗もうとして失敗した『元天才ハッカー』だよ。
アメリア:何でソイツが持ってるんだ?
黒露雨:大方、任務失敗した時の『保険』で持ってるんだろ?
アメリア:そういう事か。
黒露雨:んじゃ、貰うモンは貰ったし。知ってる事は教えたし。あたしゃこれで失礼させてもらうよ♪
アメリア:ああ、ご苦労さん♪
BARを出る黒露雨
シキ:これでグローバリア公王から『例の情報』を引き出せますね。
アメリア:ああ。そうだな♪
黒露雨:天界宇宙中央政府の『闇』に触れる・・・か。
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