第384話事故の真相
アオイ:大使館で起こった殺神事件。偽装のために使用した残留思念の持ち主が明らかになります。そしてそれが犯人の計画と殺神の動機も明らかとなるのです。
魔界時間13:00 魔界宇宙国際警察 科学捜査研究所
ゲン:犯行に使用した魔法陣に込められた残留思念の持ち主がわかったのかにゃ?
科捜研研究員:はい、現在閻魔庁で照合作業を依頼しており、結果待ちです。
ゲン達に駆け寄る警官
警官:警部!
ゲン:どうしたのかにゃ?そんなに血相変えて。
警官:が、害者が・・・、害者が!
迅乃助:ホレ、これでも飲んで一旦落ち着きなはれ。
麦茶を飲む警官
警官:あ、ありがとうございます!・・・・・ふぅ。死んだと思われていた害者が生きておりました!
鈴:それは本当なの⁉︎
警官:害者本人の話では背後から気管支に妨害結界を張られた直後、身の危険を感じた大使閣下は咄嗟に仮死魔法を自身にかけて一命を取り留めたとか。その時残留思念が流れてきて、それが知り合いだったというのです。
マサアキ:これは閻魔庁の照合結果待つより本人に聞いた方が良さそうですね。
同時刻 首都ジャスティアス 大聖堂
盗作:こうして見ると魔族も信心深いって思うわなぁ♪
アオイ:この方は盗作さん、本名は
盗作:ちょちょちょ!いちいちヒトの過去晒すなや〜。しかもチャッカリ番宣しとるし。
レイラ:師匠の方こそ毎回誰と話してるのよ。
アオイ:こちらはレイラ・A・壱宮さん。魔界宇宙通信事業最大手の社長さん。この方について詳しくは138話『DNSグループ』をご覧ください。
レイラ:で?この大聖堂に何かあるの?
盗作:奴等の情報探っとったら昨日この国の天界大使館で殺神事件があってな。その凶器として使われたんが、妨害結界なんやけどな。その残留思念の持ち主がこの大聖堂におるんや。
レイラ:ふ〜ん。その人間が犯人?
盗作:いや、ただ偽装工作にその人間の残留思念が使われたってだけや。それに被害者の大使は仮死魔法使こて生きとった。
20分後 国立総合病院 国賓専用特別病棟
ダニエル:失礼します。
アオイ:この方がこの公安超大国ポリスティア合衆国の魔王ダニエル・ハザード大統領です。
ゲイリー:入りたまえ。
アオイ:この方が天界宇宙中央政府の在ポリスティア合衆国大使ゲイリー・フォードさんです。種族は秩序の神です。
ダニエル:ご無事でなによりです、フォード大使閣下。
ゲイリー:ああ。
モニターに映る看護師
看護師:フォード大使閣下、コン・フォックスという獣人の方が面会を求めておりますが如何致しますか?
ゲイリー:通してくれ。
看護師:畏まりました。
ゲイリーの病室に転移するコン達
コン:久し振りだなゲイリー。
迅乃助:なんや、あんさん等知り合いかいな。
ゲイリー:あの事故では申し訳ない事をした。
コン:いや、お前が神族のみ許された『転生術』のお陰でこうして生きていられるのだから。
ゲイリー:結果的に君の性別を変えてしまう事になった。
コン:いや、あの時お前のした行動は正しかった。性別が変わった事などあの
ゲイリー:気にしないでくれ、2度と使えぬ事を対価に尊い命を救えたのならそれこそ安い買い物だ♪
コン:それに魔界では女性同士の恋愛も子作りも可能で寛容な宇宙だ。性別が変わった事以外大して苦にはならんよ♪
ゲイリー:そうか・・・っと、私に聞きたい事があったのではないか?
コン:おっと、そうだった。お前、今日までに人間と接触した事はなかったか?
ゲイリー:人間?ああ、地球のフランスとかいう国で僧侶をやっていたという人間がいたな。僧侶で会話の内容から文明レベルは近代と推測される。私が神と知ると祈りを捧げたいと言ってな、それ以来度々話し相手になっている。
コン:名前は?
ゲイリー:その人間の名は・・・
同時刻 大聖堂内部
魔族の子供:ママ〜、おなかすいた〜。
魔族の母親:もう少し我慢なさい、お祈り終わったらご飯食べに行くから。
魔族の子供:や〜だ〜!
小雪:にいちゃん、これたべるべか?
アオイ:この子は魔界宇宙全土のお姉さま方のアイドル『もぐもぐガールズ』の1人で小雪・アイゼンフリーズちゃん。30歳、人間でいうところの3歳の女の子。東北弁がチャームポイントです♪そして、フローズンダスト連邦のクラウド・アイゼンフリーズ大統領の娘さんです。
子供:これなぁに?
小雪:オラのばっちゃのはたけでとれたサツマイモで『ヤキイモ』っていうだ!あまくてうんまいぞ〜♪そのままガブリといくべ。
焼き芋を食べる子供
子供:おいしい♡
小雪:だべ♪
人間の僧侶:ほお、焼き芋ですか。日本という国に行った時食べて以来ですね♪
小雪:おめさもたべるべか?
シスター:あ!こんな所にいた!探しましたよ、パトリックさん。
パトリック:おや、何かありましたか?
アオイ:この方はパトリック・シルベストルさん。フランス出身の僧侶で現在は魔界宇宙第3位の権力者6大魔王様のお一人、ヨハン・ガプトラス教皇様が治めるガプトラス教国で神父をやっています。
シスター:警察の方がお話を聞きたいと来ています。
パトリック:警察の方が?はて、何でしょう?今行きますとお伝えください。
シスター:はい。
大聖堂応接室
パトリック:お待たせしました。私がパトリック・シルベストルです。
ジェニファー:天界宇宙国際警察組織犯罪対策課のジェニファー・
パトリック:大使館での事件・・・ですか?
ジェニファー:ええ、実は大使館でゲイリー・フォード大使閣下殺神・・・いえ、一命を取り留めていますので殺神未遂事件ですね。その現場に残っていた凶器の魔法陣に貴方の残留思念がありました。だからと言って貴方が犯人というわけではありません。
パトリック:残留思念・・・ですか。
ジェニファー:ええ、私達天族や魔界の魔族には体内に魔力変換の臓器がありますが。人間の場合は思念、つまり精神力を媒介にして魔法を使います。つまり、残留思念は指紋と同じなのです。
パトリック:そこに私の残留思念があったと。
ジェニファー:ええ、ですがこれは貴方に罪を着せようとした『偽装工作』によるものです。
パトリック:その根拠は?
ジェニファー:精神力を媒介にした魔法は1番新しい残留思念が残るんです。そうなると1番古いものでも2日前の残留思念が残っていないといけないのです。ですが、事件現場に残っていたのは・・・
盗作:2ヶ月前のもの・・・やな?
ジェニファー:そうですけど・・・あ!輪島二郎‼︎
盗作:本名言うなや!って、お嬢ちゃん⁉︎
パトリック:お知り合いですか?
ジェニファー:え、ええ。私が追ってるドラゴニックマフィアの1つ『幻龍会』を追ってる中で度々会うんですよ。
レイラ:すみません、ウチの師匠が。
ジェニファー:コホン!話を戻します。2ヶ月前、貴方は何処にいましたか?
パトリック:その頃はまだガプトラス教皇様からこの国の神父として赴任するよう仰せつけられた時でまだ出国の準備の真っ最中でした。
ジェニファー:そう、これによりパトリックさんは完全に容疑から外れるんです。そこでお聞きします。貴方は出国前、聖堂か教会でお祈りしてませんでしたか?
パトリック:ええ、新天地でも平穏に過ごせるようにと神にお祈りしておりました。
ジェニファー:その時礼拝に来てた者の中にこの女性がいませんでしたか?
パトリック:・・・・・・!いました!神の像というより、私に向けて祈りを捧げるような感じでした。
ジェニファー:(間違いないわね、彼女はこの時に祈りに込められた残留思念を抜き取っていたんだわ)わかりました、ご協力感謝致します!
パトリックに敬礼するジェニファー
パトリック:いえ、私でお役に立てるのでしたらいつでも仰ってください。
同時刻 国立総合病院
鈴:フォード大使閣下、このリストの中で貴方が所有している物はありませんか?そしてそのメイドはそれを持っていないか聞いていませんでしたか?
モニターに映ったリストを見つめるゲイリー
ゲイリー:・・・・・・あ、これだ!
ユニコーンの涙を指すゲイリー
鈴:やっぱり。フォード大使閣下、これらはヴェルキリー製造に必要な材料なのです。
ゲイリー:ヴァ、ヴァルキリーだと⁉︎
鈴:ええ、幻龍会は4界宇宙国際協定法で固く禁じられてるヴァルキリーを密造しようとしています!
警官:皆さん!
ゲン:どうかしたにゃ?
警官:先程本庁より容疑者確保の一報が!
ゲン:にゃんだと⁉︎わかった、直ぐ行くにゃ!
ダニエル:容疑者の取り調べは私自らやる。私の魔王具『秩序の警棒』があれば必ず喋る。
病室を去ろうとするコンを呼び止めるゲイリー
ゲイリー:コン。
コン:ん?
ゲイリー:改めてあの時はすまなかった。
コン:気にするな♪
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