第141話開催!魔界国際首脳会談(中編)
魔王界各国より集いし魔王達。年に2度集うこの会談で挙げられた議題は無限金庫より発見された『白い小箱』とその内容であった。
セシル:それでは今年の議題だが・・・
ウエポニア帝国:今年の議長国はドクトルハイド連邦のセシル・R・ドクトルハイド大統領か。
セシル:各国魔王も知っての通り。シルフィード王国にあるゴルドラド遺跡。そこから発見された無限金庫を解錠する『無限錠』とその『鍵』その中にあった『白い小箱』その内容についてこの者達から説明がある。
中央のモニターに映るディアナとレイラ
レイラ:うお!ここに居るの全員魔王なの⁉︎
ディアナ:レイラ!もうカメラ回ってる!
レイラ:え⁉︎し、失礼しました‼︎
ディアナ:コホン。シルフィード王国のアリス・シルフィード女王陛下からの依頼で白い小箱の中身を解析した結果。その内容は4界宇宙創生時代。旧天界宇宙中央政府の一部の政治家達による戦争を利用した悪事の数々が記載されていた事が判明しました。
会場内が騒めく
セシル:静粛に!続けろ。
ディアナ:はい。その筆頭となっているのは七福神布袋族、袋井家初代当主。『袋井兼光』とありました。
アリス:袋井兼光。反魔党代表『袋井耀蔵』の祖先。成る程ねぇ。執拗に魔界批判してたのは『魔族嫌い』じゃなくて、現代に至るまでの悪事の露見を恐れて、どうせ見つからないなら『魔界ごと証拠隠滅』ってわけかぁ。
レイラ:現にバンクフルト合衆国に本店を置く妖魔銀行。そこにも我が社の基地局があり、先日そこのサーバーがダウンしました。
バンクフルト大統領:確か犯人は天界宇宙中央政府専用回線が大元と君の会社のバンクフルト合衆国支社長から報告があったが。間違いないかね?
レイラ:はい。それに相違ありません。白い小箱の内容から、黒幕は袋井耀蔵代表かと。
バンクフルト大統領:ふむ、朝唯社長より妖魔銀行の朝倉頭取宛に届いたメールの内容に『天より白き宝狙う盗人あり』とあったのはそういう事だったか。
ディアナ:勿論、朝倉頭取の了解を得た上での事ですが。そこにあった白い小箱は『フェイク』です。
セシル:フッ、敢えて偽物で釣って黒幕を燻り出すか。誰かさんみたいだ。なぁ、レプチャーダ。
女帝クラリス:あらあら、人聞きの悪い♪
皇女クラリス:あの方も私と同じ『クラリス』なのですね。
アナスタシア:同じ名前が2人いるとややっこしいな。
セシル:で?釣れたのはどんな獲物だ?
レイラ:釣れたのは天界宇宙中央政府通信省官僚、チャールズ・クラフトです。
セシル:その名に聞き覚えがある。かつて天界で名を馳せた元天才ハッカーの1柱だな。
レイラ:はい。彼の手口は、天界・魔界・冥界・人界と4つの宇宙のネットワークを巧みに経由して撹乱させ情報を盗み出すものです。
セシル:だが結局は朝唯社長の餌に釣られたと。
ディアナ:そういう事です。これはレイラの協力無しでは成功し得なかった事でした。
レイラ:ディアナ♪
セシル:それではここで一旦休憩を挟むとしよう。
後編へ続く・・・
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