第12章 公安超大国ポリスティア合衆国

第371話公安超大国に迫る危機

 アオイ:シーラント諸島連合国編も無事完結。ここからは公安超大国ポリスティア合衆国編をお送り致します。


 魔界時間9:00 シルフィード王国王都アイリス クラウディア城


 休憩フロア『和みの間(秋色)』


 アリス:ふぃ〜。やっぱ自宅でジャージに炬燵こたつ、それに蜜柑だよねぇ♪


 ヴィオラ:陛下、良いのですか?こんなにのんびりしてて。


 アリス:良いの良いの。次の対戦国、公安超大国ポリスティア合衆国のダニエル・ハザード大統領も『休む間もなき公務は国土争奪戦争に支障をきたす。1週間休養をとってから来ると良い』って言ってくれてるし。


 ヴィオラ:確かに、ここ数ヶ月殆ど休む間も無かったですからね。


 アリス:杏達は今頃首都のジャスティアスに着く頃かなぁ。


 天界時間22:00 天王界某所


 幻龍会構成員A:『古代天界の狂気、魔の牢獄の番犬に祝福を与えた』


 幻龍会構成員B:了解、これで『あの国』は恐怖と混沌の渦に包まれるだろう。


 天使族の女刑事:(古代天界の狂気?魔の牢獄の番犬に祝福?何かの暗号かしら?)


 幻龍会構成員構成員B:誰だ!


 天使族の女刑事:(マズイ!気付かれた!)


 謎の声:こっちにゃ!


 天使族の女刑事:お、おやっさん!


 幻龍会構成員A:いたか!


 幻龍会構成員B:ダメだ、こっちにはいねぇ!


 幻龍会構成員A:チッ!逃げ足の速い奴だ!


 幻龍会構成員C:おい!時間だ、直ぐに戻るぞ!


 幻龍会構成員B:クソッ!誰だかわからねぇが運の良い奴だ!


 謎の声:行ったみたいだにゃ。大丈夫か?ジェニファー。


 ジェニファー:ええ、私は大丈夫です。サトウのおやっさん。


 アオイ:この方は天界宇宙国際警察組織犯罪対策課のジェニファー・三黒みくろ刑事。種族は天使族。とある事情からドラゴニックマフィアの幻龍会を追ってる方です。


 ゲン:相変わらず幻龍会の連中を追ってるのかにゃ?


 アオイ:こちらは天界、魔界、冥界、人界の4つの宇宙の国際警察を統括する4界宇宙統合国際警察で特別権力強制取締課に所属するゲン・サトウ警部。猫神族で愛称は『おやっさん』


 ジェニファー:ここにおやっさんがいるって事はおやっさんも幻龍会を追ってるんですか?


 ゲン:ああ。連中魔界のシーラント諸島連合国でキナ臭ぇ事してたからにゃ。


 ジェニファー:では今の奴等が言ってた暗号めいたあの会話は・・・


 ゲン:『古代天界の狂気』ってのは天界宇宙科学史上最悪のマッドサイエンティスト『ゲルマルク・うぐいす博士』の事にゃ。


 ジェニファー:では、『魔の牢獄の番犬』というのは?ケルベロスの事でしょうか?


 ゲン:いや、これが『魔の番犬』ならそう連想するだろう。だが違うにゃ。この場合の魔の牢獄の番犬は・・・


 魔界時間12:00 公安超大国ポリスティア合衆国首都ジャスティアス郊外


 幻龍会構成員D:『古代天界の狂気』が上手くやったぞ!


 幻龍会構成員E:これで『あのお方』が出てくる♪


 警官:誰だ!ここで何をしている‼︎


 幻龍会構成員構成員E:ここは一旦退くぞ『例の場所』で落ち合おう!


 散り散りになる幻龍会構成員


 警官:クソッ!逃げられたか!


 悪魔族の刑事:いたか?


 警官:クローズ刑事!駄目です、あと一歩で逃げられました。


 マサアキ:さっきの連中、幻龍会の構成員だったな。


 アオイ:この方は魔界宇宙国際警察組織犯罪対策課の所属で悪魔族のマサアキ・クローズ刑事。彼もまた幻龍会を追ってるようです。


 警官:はい、奴等『古代天界の狂気』が上手くやったぞとか、これであのお方が出てくるとか言っていました。


 マサアキ:古代天界の狂気?あのお方?何の事だろうな?


 謎の声:古代天界の狂気はゲルマルク・鶯博士、あのお方はおそらく幻龍会の『会長』の事だと思うわ。


 マサアキ:く、黒川先輩!


 鈴:久し振りね新人君♪


 アオイ:この方は4界警特権課の所属で黒川鈴くろかわすず警部、種族は悪魔族です。


 マサアキ:先輩、俺もう新人君なんかじゃないっすよ〜。


 鈴:フフッ、そのようね♪


 マサアキ:でも今魔界で国際指名手配中の鶯博士と幻龍会会長と何の関係が?


 鈴:古代天界宇宙の狂気、ゲルマルク・鶯博士と幻龍会の利害が一致して手を組んだのよ。


 マサアキ:利害の一致?


 鈴:そう、鶯博士は巨獣を暴走させて国を混乱と恐怖で感染型精神汚染物質カオスを増長拡散させるため、一方で巨獣の暴走で幻龍会会長を脱獄させる事が出来る。


 マサアキ:成る程・・・って!その暴走させる巨獣ってまさか⁉︎


 鈴:君の想像する通りよ、その巨獣は・・・


 ゲン&鈴:ポリスティア合衆国の巨獣『プリズンドーベル』


 同時刻 合衆国最北端『堅牢の森』


 プリズンドーベル:アオーーーーー・・・・ックション!


 くしゃみと共に放り出される囚人達


 警備隊A:なんてこった!プリズンドーベルがくしゃみする度に囚人達が放り出されてる!


 警備隊B:このままでは最深部に収監されている『彼女』も出てくるぞ!


 警備隊長:大至急、大統領官邸に繋げろ!特Aランクの非常事態だ!


 ポリスティア合衆国大統領官邸


 ダニエル:なんだと!どうなっているのだ⁉︎


 アオイ:この方こそ、シルフィード王国が挑む次の国土争奪戦争の対戦国、公安超大国ポリスティア合衆国第450万代大統領、ダニエル・ハザードさんです。


 オペレーターと通話するダニエル


 ダニエル:私だ、大至急シーラント諸島連合国大統領官邸に繋げろ!『ビーストガーディアンズ』に緊急出動要請をする!


 オペレーター:了解!


 アオイ:ビーストガーディアンズとは最近魔界各国で起きている巨獣の異変を解決するために国際自然保護機構の総本部でもあるシーラント諸島連合国の双子の大統領ハイビス姉妹が組織した巨獣保護のスペシャルチームです。


 再びシルフィード王国王都アイリス クラウディア城


 メイド:シルフィード女王陛下、ポリスティア合衆国ハザード大統領より緊急回線が入っています。


 アリス:え?ちょ!この格好はマズイって!待ってもらって。


 メイド:あ、ダメっぽい。


 ダニエル:休養中失礼する!


 アリス:お、遅かった・・・


 ダニエル:我が国の巨獣プリズンドーベルに突如激しいくしゃみが襲い、その度に囚人達が外に放り出されるという事態が発生した!


 アリス:何事も無かったかのようにサラッと流された。あ、それって囚人達が脱獄するって事ですか?


 ダニエル:いや、プリズンドーベルの縄張りである『堅牢の森』は14天界王の1柱、冥王ハデス様直々に張られた結界のお陰で『今のところ』脱獄の心配は無い。


 アリス:今のところ?


 ダニエル:1番恐れているのはその最深部に収監されている『彼女』がプリズンドーベルの外に出る事だ。


 アリス:彼女?


 ダニエル:幻龍会会長『龍神美琴たつがみみこと』だ。


 アリス:たった1柱でドラゴニックマフィアの5大組織フィフスドラグネアのボス達と対等に渡り合ったっていうとんでもない強さの女神ですよね?


 ダニエル:そうだ、更にヴァルキリーシングルナンバーズの一体『タイプ07』まで放たれたらそれこそ一大事。そうなればハデス様の結界が破られる!



 アリス:確かに緊急事態ですね。


 ダニエル:ハイビス姉妹から聞いた。君もビーストガーディアンズの一員らしいな。


 アリス:はい。


 ダニエル:ならば近々ハイビス姉妹より出動要請が出るだろう。


 アリス:その前に今すぐにでも貴国に向かいます!


 ダニエル:すまない、よろしく頼む!


 通話が切れる


 アリス:ヴィオラ姐さん、今すぐ支度して!ポリスティア合衆国に行くよ!


 ヴィオラ:承知致しました!


 天界某所


 ジェニファー:奴等の狙いがプリズンドーベルに収監されている幻龍神会長が目的なら行かないと!


 ゲン:まぁ落ち着け、たった今本庁からの情報で、ポリスティアのハザード大統領がビーストガーディアンズに緊急出動要請をしたそうにゃ。


 ジェニファー:ビーストガーディアンズ?


 ゲン:巨獣専門のスペシャリスト達にゃ。その実力は俺が保証する。だから俺達はポリスティアの大統領官邸に向かう。今回は天界・魔界双方の国際警察の連携が大きな鍵となるにゃ。


 ポリスティア合衆国首都ジャスティアス郊外


 鈴:今頃おやっさんがその刑事を連れてくるから君は彼女とコンビを組むのよ。


 マサアキ:りょ、了解っす。


 続く・・・

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