第22話深淵の森の秘宝

 深淵の森の遺跡より持ち帰った秘宝の入った宝箱。その箱には鍵穴がなく、科学省の研究所で解析が行われていた。


 魔界時間9:00 シルフィード王国 王立研究所


 ソフィア:ふぅ〜ん、これはこれは・・・


 アリス:ソフィアちゃん。なんか判った?


 ソフィア:あぁ、コイツぁ面白いねぇ!特殊な魔道錠がかかってる。


 アリス:魔道錠?錠前なんて何処にもないよ?


 ソフィア:コイツはね、『宝箱そのもの』が魔道錠なんだよ。


 麗華:勿体ぶらんと教えておくれやす。


 ソフィア:コイツを解くには魔道錠を仕掛けた当人かその子孫でなければ開けられないようだね。


 アリスが宝箱に触れると宝箱が開く


 ソフィア:コイツぁ〜驚いた!まさかアリスがこの宝箱の所有者の子孫とは。


 麗華:これは・・・杖?


 ソフィア:これは魔王具だね。それもとんでもない力を持った代物だ。


 研究員:大臣閣下、宝箱と共にあった古文書の解読が終わりました。


 ソフィア:で?何て書いてあったんだい?


 研究員:はい、どうやらその杖について書かれていました。その杖の名は『静寂王の錫杖(しゃくじょう)』詳しい効果は書かれていませんでしたが、扱うにはかなり難易度の高い魔王具の様です。


 ソフィア:成る程・・・だが、アリスはまだ扱えない。


 アナスタシア:どうして?


 ソフィア:魔王具を扱うには『国力』が圧倒的に足りないんだよ。『最低』でも国力1000万は必要だ。


 アナスタシア:い、1000万⁉︎


 麗華:あと2つの超大国に『連勝』すれば可能どすぅ。


 アナスタシア:差し当たって次に宣戦布告してくると予想されるカントリア王国とあと1カ国って事か。


 アナスタシア:ご名答〜!


 ???:対カントリア戦、私が力を貸して差し上げましょうか?


 薫:『敵の敵は味方』とはよく言ったものだ。カントリア王国の領海を挟んだ隣国シャークハルト共和国シリウス・J・シャークハルト大統領。『力を貸す』とは?


 シャークハルト大統領:対カントリア戦となれば海上戦になります。魔界宇宙一の造船技術を誇る我が国が貴国の女王専用艦を建造して差し上げますが、如何か?


 アリス:その『対価』は?


 シャークハルト大統領:話が早くて助かります。『対価』はズバリ、貴国の図書館に保管されている『ある海域の海図』それを頂きたい。


 アリス:海図?


 ソフィア:あぁ、あの海域の海図の事か。


 アリス:知ってるの?


 ソフィア:たまたま見つけてね。どの道シャークハルト共和国の領海だからウチが持っててもそれこそ宝の持ち腐れの様な海図だ。もっとも、シャークハルト大統領、アンタにとっては『別』だろうけどね。どうする女王様?


 アリス:シャークハルト殿、この海図、貴殿へ進呈いたします。


 シャークハルト大統領:交渉成立ですな。シルフィード殿。


 アリス:えぇ、お願いします。シャークハルト殿。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る