第4話寡黙な死神?

 天上平原、そこは美しい緑の大地。その美しさから天界の様と言われたためこの名がついた。


 アリス:ほわ〜!綺麗だなぁ〜♡あれ?あそこに誰かいる。


 広大な草原に1人ポツンと座る黒髪の女性


 アリス:この国の人じゃないようだけど、観光かな?私はアリス。一応この国の女王様やってるの。貴女は?


 黒髪の女性:・・・・・・・・


 アリス:ふ〜ん、シオンさんかぁ〜。


 シオン:⁉︎


 アリス:え?『私の言いたい事が分かるの?』って?うん、分かるよ♪


 シオン:・・・・・・・・・


 アリス:ふむふむ、『昨日まで霊界で死神の仕事してたけど』


 シオン:・・・・・・・・・


 アリス:ほうほう、『なんだか自分の求める仕事じゃないと思って辞表を出して辞めて今は無職、自分に合った就職先を探してる』と。


 アリス:じゃあ、貴女の特技は何?


 シオン:・・・・・・・・


 アリス:ほうほう、『私の特技は記憶力と速読、それと事務能力。あと鎌を使った武術が得意』かぁ・・・じゃあ、内務大臣やってみない?今ウチの国人手不足でさ。シオンさんみたいな人がやってくれたら心強いなぁ〜って。駄目かな?


 シオン:・・・・・・・


 アリス:え?『面白そうだからやってみたい』って?


 シオン:・・・・・・コクン


 アリス:ありがと〜♡


 魔界時間11:15 王城


 静香:ヴィオラ、貴女に聞きたい事があるの。


 ヴィオラ:何でしょう?


 静香:雪ヶ岳山脈で見せたあの構え、アレは酒呑童子に伝わる格闘術『酒呑蒼牙(しゅてんそうが)流』のものね?


 ヴィオラ:流石は『氷の剣聖』ご存知でしたか。


 静香:アレは並みの格闘家では習得出来ない筈、となれば相当な手練れ、一度手合わせ願い・・・ん?


 アリス:たっだいまー!


 ヴィオラ:お帰りなさいませ陛下。


 アリス:内務大臣になってくれる人見つけたよ♪


 静香:な⁉︎もう見つけたの?


 アリス:うん、良いよ、入って来て。


 シオン:・・・・・・


 静香:貴女は!


 シオン:・・・・・


 アリス:え?ふむふむ、『氷の剣聖 雹堂 静香、それにそっちは酒呑蒼牙流皆伝のヴィオラ・クローズか』って?


 静香:アリス、彼女が誰か知ってるの?


 アリス:死神のシオン・レーニックさんでしょ?


 静香:死神は死神でも、霊界じゃかなり名の通った死神よ!確か通り名は『神速の死神』目に見えぬ程の神速と聞くわ。


 アリス:へぇ〜、シオンさんってそんなに有名な死神さんだったんだぁ。


 シオン:・・・・・・・・・


 アリス:ふむふむ『辞める時上司から辞めるなと泣きつかれて説得するのに苦労した』と、大変だったね。


 静香:アリス、さっきから彼女と会話してる様だけど、彼女が何を言いたいのか分かるの?


 アリス:うん、分かるよ。ちょっとコツが要るけど。


 静香:そのコツって?


 アリス:それはねぇ〜・・・およ?


 アリスのデバイスが鳴る


 アリス:はいは〜い、あ、レプチャーダさん?


 ヴィオラ&静香:⁉︎


 アリス:うんうん、ちょっと待ってて。


 静香:アリス、レプチャーダってまさか、6大魔王の『クラリス・レプチャーダ』の事?


 アリス:そだよ、軍事超大国『レプチャーダ帝国』の女帝クラリス・レプチャーダさんだよ。


 静香:どういう関係なの?


 アリス:私が料理の師匠でぇ、レプチャーダさんが弟子なの、


 静香:ええ⁉︎


 ヴィオラ:雹堂大臣閣下、陛下の交友関係でいちいち驚いていたら身が持ちませんよ。


 アリス:ちょっと教えてくるから待っててね♪


 静香:あ、アリス、ちょっと!


 シオン:・・・・・・・・・


 静香:ヴィオラ、彼女何か言いたそうなんだけど、何言ってるか分かる?


 ヴィオラ:私が分かるわけありませんよ。


 静香:ヴィオラは表情筋死んでるけど喋る分まだ分かるけど・・・


 ヴィオラ:何気に失礼な事言いますね。


 静香:彼女はその上喋らないから余計に分かりづらい。


 内務省職員:大臣〜?あ、居た居た!


 シオン:・・・・・・・・


 内務省職員:そうですよ、そろそろ来ていただかないと。


 静香:ちょ、ちょっと待って!


 内務省職員:何でしょう?


 シオン:君は彼女の言いたい事が分かるの?アリスはコツがあるって言ってたけど。


 内務省職員:あぁ、そのコツの1つは頭の『アレ』ですよ。


 ゆらゆら動くシオンのアホ毛


 静香&ヴィオラ:アレ(アホ毛)かぁーーーー!

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