第56話翡翠色の天才科学者

 シルフィード王国の科学省には大臣ソフィア・クルーガーの厳選された人材が集い、今回の主人公もその1人


 魔界時間0:35 王立研究所


 研究員:お疲れ様です皇(すめらぎ)主任


 ヨウ:君もそろそろ帰りなさい。


 研究員:おっと!もうこんな時間でしたか。


 ヨウ:私は独り身だから良いけど。貴方は帰ったら大切な人が待ってるでしょ?


 研究員:はい。


 ヨウ:新婚さんは早く帰ってあげなさい♪


 研究員:はい!お先に失礼します。


 研究所を後にする研究員


 私はヨウ・皇(すめらぎ)大学の先輩でもあった科学大臣ソフィア・クルーガーにスカウトされ今はこの王立研究所のエネルギー工学部門主任を勤めている。


 ソフィア:おんや?まだ居たのかい?


 ヨウ:先輩こそ、まだ居たんですか?


 ソフィア:あたしゃこの研究所の最高責任者だからね。アンタ等が帰らないと帰れないんだよ。っと、そりゃあ例の魔王具のコアの解析結果報告書かい?


 ヨウ:はい。流石は魔道工学の権威ケイスケ・マクスウェル博士ですよ。


 ソフィア:ま、確かに彼は天才だが、アンタも負けてないよ♪マクスウェル博士みたいに魔道工学専門ってわけでもないのに古代魔道エネルギーの解析に成功したんだからね。


 ヨウ:とんでもないです!マクスウェル博士の論文と解析結果報告書が無ければこの結果には辿り着けなかったですし。


 ソフィア:どうして『本当の天才』ってのはこう謙虚なのばかりなんだろうねぇ。


 ヨウ:先輩が天才過ぎるだけですよ。


 ソフィア:あのな〜。アタシも『学界の魔女』なんて言われてるがそう周りが騒ぐ程大したモンじゃないさ。


 ヨウ:先輩も『本当の天才』ですね♪


 ソフィア:コイツぁ参ったね。ホラちゃっちゃと済ませて帰んな。アタシが帰れやしない。


 ヨウ:はいはい♪


 ソフィア:どうだい?この後独り身同士帰りに一杯。


 ヨウ:先輩の奢りで?


 ソフィア:フッ、好きにしな♪


 30分後都内BAR『レイライン』


 ソフィア:そいじゃお疲れ!


 ヨウ:お疲れ様でした♪


 乾杯する2人


 ソフィア:それにしてもアンタの髪綺麗な翡翠色だねぇ。流石ローレライ族♪


 ヨウ:先輩こそ、綺麗な紅い髪じゃないですか。流石ソロモン72柱のガミジン族♪


 ソフィア:アタシの場合はガミジン族とは関係無いだろう。


 ヨウ:次の国土争奪戦争で勝てば陛下は魔王具が使えるようになるんですよね?


 ソフィア:それがそうでもないのさ。


 ヨウ:それはどういう事ですか?


 ソフィア:あの子の魔王具は魔界宇宙創生時代の代物でね。国力を一定以上上げれば良い現代の魔王具と違ってそれに加えてこの国にある6つの遺跡の試練を合格して初めて使えるってやつなんだよ。


 ヨウ:それだけ強力な魔王具なんですね。


 ソフィア:そういう事。さ、明日からまた忙しくなるよ!


 ヨウ:はい!






  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る