第153話女王ヴィーナス
《ルビを入力…》 次元大震災後、魔界宇宙中央政府軍務省の捜索隊により最初に救出された旧グリーンヒル王国女王リディア・ヴィーナス13世。彼女の入院している病院にある魔物が訪れていた。
魔界時間11:00 リヴァイアス
ジン:ここか・・・
3時間前 外交省大臣室
ジン:旧グリーンヒル王国の女王陛下がですか?
ドラクロス外相:うむ。次元大震災で国を失った神王リディア・ヴィーナス13世。彼女が現在リヴァイアス国際医科大学附属病院に入院している。君は彼女と面識があるそうだね?
ジン:はい。
ドラクロス外相:宜しい。そこで彼女に『ある事』を聞いてもらいたい。震災後間も無いのにこの様な事を聞くのは酷な事だとは思うが、重要な事なのだ。
そして現在・・・
病室のドアを叩くジン
女性の声:どうぞ。
ジン:お久し振りです。女王陛下。
リディア:本当にお久し振りですね。ショウ・ジンさん。
ジン:実はお聞きしたい事が・・・
病室の外から数人の声が聞こえる
ミランダ:ひ、姫様!私は良いですよ。
ミランダの肩に乗り髪を引っ張る杏
杏:ほらほら、ミランダしゃん。はずかしがってないでれっつごーです!
リディア:この声、ミランダ⁉︎
ミランダ:イ、イタタ!わ、判りましたから!
病室に入るアリス達
アリス:リディア姐さん、その後お加減如何ですか?
杏:こんちわです!
アリス:この子は杏。私の妹です。
リディア:フフ、可愛らしいお姫様ね♪それに久し振りね。ミランダ。
ミランダ:へ、陛下!
アリス:あ、ジンさん。
ジン:暫く振りです。アリス女王陛下。
ハル:恐れながらヴィーナス陛下。彼女。ミランダは訳あって杏姫様と主従契約で堕天してますが、それは震災で陛下が亡くなったと思い姫様に陛下の面影を重ねたが故の事。
ミランダ:おいハル、何を言い出す⁉︎
ハル:ついては彼女と姫様との主従契約を解除して陛下の御力をもって堕天を浄化し陛下の下へ再びお仕えさせたく。
静かに首を横に振るリディア
リディア:それはなりません。杏姫を見て私は確信しました。ミランダの主人に相応しいのは杏姫以外あり得ません。彼女もきっとそれを望んでるでしょう。ね?ミランダ。
ミランダ:はい!
ハル:・・・・・・・・チッ!
ミランダ:貴様、今舌打ちしただろ?
そっぽ向くハル
リディア:仲良いのね♪楽しそうで安心したわ♡アリスさん。なんとお礼を言ったらいいか。
アリス:いいえ。困った時はお互い様ですよ♪
苺大福を出すハル
ハル:さあ姫様。ちょっと早いですけどオヤツにしましょ♪
リディア&杏:い、苺大福♡
ミランダ:そういえばヴィーナス様も好きでしたね。和菓子。
アリス:お見舞い和菓子にすれば良かったね。それはそうと、ジンさんもお見舞い?
ジン:いえ、それもありますが。4宰相ドラクロス外相よりヴィーナス陛下に聞いておいてほしい事を頼まれまして。
リディア:私に?
ジン:はい。震災の心の傷も癒えぬ内にこの様な事を聞くのは心苦しいのですが・・・
リディア:構いませんよ。
ジン:それでは・・・陛下。次元大震災より1ヶ月前何者か尋ねて来ませんでしたか?そしてその者はこう聞いてきませんでしたか?『国の国土全てを譲って頂けませんか?』と。
リディア:ど、どうしてそれを⁉︎
ジン:・・・・・やはりそうでしたか。実は次元大震災にあった被災国の大半がその国の神王のもとに訪れいずれもそう聞いてきて断った1ヶ月〜2ヶ月後に震災の被害にあっています。
アリス:じゃ、じゃあもしかしてリディア姐さんのトコに来たのってコイツじゃなかった?
次元エネルギー精製プラントで起こった『空白の1時間』の映像を観せるアリス
リディア:ええ、間違いありません。この方です。格好もこの映像の通りです。
アリス:やっぱそうか・・・これがあるからこの映像を消したがってたのかぁ。袋井の奴!それはそうとリディア姐さん。今後どうするの?
リディア:ゼウス様のご厚意で一からまた国を創る事になりました♪私1柱ではどうにもなりませんが、臣下と国民が戻ればきっと立ち直る事が出来ます。それに、魔界の方々から心強い援助も頂いて・・・
涙を浮かべるリディア
リディア:本当に・・・なんとお礼を言ったらいいか・・・・
そっと肩を叩くアリス
アリス:お礼なんて言ったら私達魔族には失礼ですよ。皆んな助け合いの精神を持って生きているんですから。それが魔族なんで気にしないで。リディア姐さん達が幸せになれればそれが私達にとって1番の『謝礼』ですよ♪
ジン:アリス女王陛下の言う通りです。陛下には1日でも早く良くなって復帰して下さい。やる事は山ほどあります。我々魔族が全力でサポートしますから!
リディア:はい!
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