第154話検査開始!性転換の謎

 安倍晴明、織田信長。元々男性の2人。次元刑場遺跡の内部で性転換する謎を解明するべく王立医療研究所で集中検査が始まった。


 魔界時間7:56 王立医療研究所


 研究員A:これより対象のスキャンを開始します。


 研究員B:クルーガー大臣閣下。閻魔庁より2人のDNAデータが届きました。


 ソフィア:ありがとさん♪さて、鬼が出るか蛇が出るか・・・


 データと一致する


 研究員B:ピタリと一致しましたね。


 ソフィア:でも妙だね。


 研究員A:はい。完全に一致したならここには男性の信長公が居る筈なんですが・・・


 ソフィア:ピタリと一致したのに性別は『女性』コイツは一体どういう事だい?


 研究員B:別室で検査中の安倍晴明様も同様に閻魔庁より届いたDNAデータと一致したそうです。


 ソフィア:念のためだ。血液・毛髪・体液何でもいい。生体データを集められるだけ集めといてくれ。


 研究員一同:はっ!


 研究所内休憩スペース


 ソフィア:・・・・・ふぅ。


 コーヒーを差し出すアリス


 アリス:お疲れだね。


 ソフィア:なぁに。興味深い事だらけだよ♪


 市:兄様の様子、どうでしたぁ?


 ソフィア:相変わらず緊張感の無い喋り方だな。DNA『生きた図面』の事だが、今の信長公と生前の信長公のデータサンプルを照合した結果。完全に一致した。それにより本人とみてまず間違いないだろう。『今のところは』な。


 アリス:今のところはって何か奥歯に物が引っかかる様な言い方だねぇ。何か気になる事でもあるの?


 ソフィア:安倍晴明もそうだったが、もしDNAデータサンプルと完全に一致したなら2人共ここに居るのは『男の2人』の筈なんだ。


 アリス:あ!そうか。女性なら『一致するのは不自然』なんだ!


 ソフィア:その通り。そこが最大の『謎』なんだ。


 慌てて入る研究員A


 ソフィア:なんだい?騒々しい。


 研究員A:大臣閣下!念のため魂と肉体別々にDNAデータサンプルと照らし合わせてみたのですが・・・


 ソフィア:結果は?


 研究員A:肉体の方は『全くの別人』です!どうやらデータサンプルが完全に一致していたのは『魂』の方で。


 ソフィア:なんだって⁉︎


 研究員A:肉体の方のデータサンプルとの適合率は85%。不適合部分は性別です。大臣閣下。これってもしかして・・・


 ソフィア:多分・・・いや。確実にアンタの想像通りだと思うよ♪


 アリス:どゆ事?私達にわかるように説明してよぉ。


 市:お願いしますぅ。


 ソフィア:あ〜。それもそうだね。2人には人界宇宙は無数の異世界で構成された4界宇宙一複雑な宇宙というのは説明したな。


 アリス:うん。そこには何人、何十人、何百人と同じ『自分』が存在する・・・だったね。


 市:1人1人同じ人物でも性格や性別が違うだったわねぇ。


 ソフィア:そう。その遺伝子情報の適合率は80%〜90%。つまりその誤差は10%〜20%。肉体の適合率85%の女性の信長公の場合、そこに男性の信長公の魂が入ると、閻魔庁の男性の信長公のデータだと『完全に一致する』という事実の出来上がりってくるわけだ。


 アリス:じゃあ、安倍晴明も同じ原理?


 ソフィア:先ず間違いない。2人共同じ次元の宇宙の者だ。おそらく2人共なんらかの理由で魂が離脱して現在の状態だと推測される。なんにせよもう少し詳しく検査してみないとわからないね。


 研究員A:大臣閣下。そろそろお時間です。


 ソフィア:さ!もう一踏ん張り!


 アリス:頑張って!


 市:兄様をお願いしますぅ。


 ソフィア:ああ!任せとけ‼︎





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