第58話政界の剣

 シルフィード王国議会、選りすぐりの政治家のいる中、正義感に燃える『政界の剣』の異名を持つ代議士が居た。その彼女の名はヒナ・リーズレット


 魔界時間13:00 王国議事堂


 レイラ:これより、王国議会午後の部を執り行う!私は王国議会最高議長レイラ・H・ドレイクであーーーーる‼︎


 麗華:あの子、黙ってれば超絶美人やねんけど、絶対アレで損しとるわ。


 レイラ:では本日の議題は近く宣戦布告をしてくる科学超大国サイエント共和国、その対策であるが、午前の部以外で何か意見はあるか?


 凛とした出で立ちで挙手をする女性議員


 レイラ:む、ヒナ・リーズレット議員か。申してみよ。


 ヒナ:今回の宣戦布告の情報。クルーガー大臣が入手したそうですが、それはどなたから?


 ソフィア:いきなり鋭い切り口できたねぇ。流石、『政界の剣』その通り名は伊達じゃないね♪サイエント共和国にいるアタシの友人さ。


 ヒナ:その友人はサイエント共和国大統領側近の化学長官、祐・葛城ですね?『スパイ』と疑わなかったのですか?


 ソフィア:手厳しいねぇ。だが生憎アイツはそんな器用な事が出来るタマじゃないさ♪


 ヒナ:その数日後サイエント共和国からサイエンティストランクSクラスの人物が来ていたそうですが。これはどうお考えで?その時も彼女にお会いしていますよね?こちらの独自の調査によれば彼女は大統領の親戚らしいですが?


 ヒナの目を真っ直ぐに見つめ語るソフィア


 ソフィア:親戚といっても赤の他人に近しい遠縁。それに蜃気楼衆の調べでも『白』と言っている。これがその調査報告書だ。素材は『閻魔帳』に使われているものだ。これでもまだ疑うかい?『政界の剣』さんよ〜。それでも疑うなら『出るトコ』出ても良いんだよ♪


 一切動じないヒナ


 ヒナ:良いでしょう。そこまで証拠を揃えているなら問題ありません。お騒がせしました議長。続けてください。


 レイラ:うむ、外交大臣旭野殿、彼の国は何を提示するとお考えか?


 薫:フム、今回の戦争は大統領個人の私情は明白。となれば要求するのはサイエント共和国と我が国にある国境学術都市フラスコープ。そしてその最高責任者科学大臣ソフィア・クルーガーだろうな。


 レイラ:その根拠は?


 薫:簡単な事だ♪ソフィアが元サイエント共和国研究員で大統領の『元カノ』だからだ。女同士の恋人などこの魔界では珍しくないし、常識だろ?


 麗華:ソフィアはん、大統領にまで手ぇ出してたんかいな。ウチの事とやかく言えへんやないのぉ。


 ソフィア:アイツの場合はあっちが一方的に彼女面してただけだ。


 ヒナ:兎に角、次の参戦者5名を選抜しなくてはいけません!


 レイラ:では各自参戦者候補を探し、次の議会で決定とする!本日の議会はこれまで‼︎


 魔界時間20:00都内BAR『サザンクロス』


 マスター:いらっしゃい。


 ヒナ:マスター、いつもの。


 カクテルを差し出すマスター


 ヒナ:マスター、私コレ頼んでないわよ?


 マスター:アタシからの奢りだ。アンタ、少し疲れているようだったからね。カントリア王国産のロイヤルハニーを使ったカクテルだ。疲れが取れるようにね♪


 ヒナ:ありがと。遠慮なく頂くわ♪


 マスター:今度の相手はサイエント共和国なんだって?


 ヒナ:ええ、それもクルーガー大臣との痴情のもつれ。色恋沙汰のゴタゴタで戦争ふっかけてきたら堪んないわ。


 マスター:あそこの大統領は思い込みの激しい一面があるらしいからね。


 ヒナ:クルーガー大臣も一方的なものだって言ってたわ。


 マスター:さ、今日は程々にして。早く帰んな。


 ヒナ:そうね、そうさせてもらうわ。お代ここに置いとくわ。


 マスター:奢りって言ったろ?


 ヒナ:これは愚痴を聞いてくれた『相談料』代わり。


 マスター:フッ、そういう事なら貰っとくよ♪


 ヒナ:それじゃ、お休み。


 マスター:ああ、お休み♪



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