魔王少女物語

第59話宣戦布告！

　科学超大国サイエント共和国による宣戦布告の情報を得ていたクルーガー科学大臣。ここにきて遂にその時がやってきた。

　魔界時間9:58 王立研究所

　俺の名はケイン・三吉。クルーガー科学大臣にスカウトされてこの研究所で研究員をしている。そして今の俺の肩書きは『技術部主任』だ。実は大臣は勿論この国に黙っているある『秘密』がある。それは意外な形でバレちまうんだがな。

　ソフィア:ソイツが例のブツかい？

　ケイン:なんか闇取引現場みたいになるから止めてくださいよ。

　ソフィア:まぁ〜いいじゃないかい♪で？どうなんだい？

　ケイン:丁度試運転するところですよ♪

　ソフィア:コイツが完成したから残り4つの遺跡も直ぐに見付かりそうだねぇ♪

　無事試運転も終わり王城へ向かう・・・

　魔界時間:11:08 王城謁見の間

　ケイン:天楼樅の遺跡に張られた結界の残留エネルギーを解析し、それをもとに作ったのがこの探知機です。これには残留エネルギーをベースに幾パターンに基づいて残り4つの遺跡の位置を特定するというものです。

　アリス:これなら残りの遺跡も直ぐに見付かるね♪

　ケイン:その通りです陛下。では次に・・・ん？

　中央の液晶モニターに映る赤髪の女性

　赤髪の女性:お取り込み中失礼♪

　ケイン:げっ！ヤバイ‼︎

　ソフィア:久しぶりだねぇ・・・クレア♪

　クレア:ソ、ソフィア‼︎

　アリス:え〜・・・っとぉ。誰？

　麗華:ソフィアはんの『元カノ』どすぅ。

　アリス:え〜⁉︎節操ないなぁソフィア姐さん。

　ソフィア:あのねぇ、ありゃ向こうが勝手にそう思い込んでるだけで・・・

　クレア:何をぬけぬけと・・・・・⁉︎

　ケイン:こそ〜り・・・・

　クレア:な⁉︎兄さん？

　一同:に、『兄さん』⁉︎

　ケイン:あちゃ〜、見付かった〜。

　ソフィア:でもアンタの苗字『三吉』だよね。コイツぁどういう事だい？

　クレア:三吉は母様の旧姓よ。そんな事より兄さん、どうしてシルフィードにいるの⁉︎

　ケイン:俺は魔王の器じゃないからな。気ままな科学者が性に合ってるんだよ。

　クレア:まったく、勝手に国を飛び出して何をしていたかと思えば！

　ソフィア:おいおい、こんなトコで兄弟喧嘩は止めとくれ。

　クレア:・・・コホン。この件は戦争が終わってからキッチリ話し合うとして。ここに我が国は貴国に対し宣戦布告を宣言させてもらいます！

　アリス:その宣戦布告、謹んでお受けします。サイエント大統領閣下。

　クレア:我が国が要求するのは貴国にある我が国との国境にある学術都市フラスコープとその最高責任者ソフィア・クルーガー科学大臣！

　アリス:では我が国は貴国の工業都市メタリアとその市長リーシャ・メタリカを要求します。

　クレア:な⁉︎よりによってメタリカとリーシャですって⁉︎

　アリス:そちらが我が国の閣僚を要求するのですから当然の『対価』と思いますが？これでも最大限に『譲歩』したつもりですが？

　クレア:うぅ、わかりました。それで手を打ちます。では失礼します・・・

　通信を切るクレア

　ケイン:え〜・・・・・・・・っと。黙っててすんません。

　薫:まあ良い。お陰で『対策』が打てる。なぁ？ケイン・三吉・・・いやぁケイン・サイエント？

　ケイン:はい。協力させていただきまっす！