第158話陰陽師の謎

 織田信長の術後の経過を診るべく心霊医学のルージュ・カートオア博士は王都アイリス国立病院に残る事に。そして獣凱製薬薬学研究所のマリア・ハーピスト所長は医療大臣マチルダ・グロッタに呼ばれていた。


 魔界時間11:00 医療省 大臣執務室


 マチルダ:来たか。待ってたよ。


 マリア:用件というのは?


 マチルダ:先ずはコレを見てくれ。


 赤と青の巾着袋きんちゃくふくろに入った丸薬を見せるマチルダ


 マチルダ:これは安倍晴明を発見した際本人が所持していた物だ。マリア。これをお前はどう見る?


 丸薬のあらゆる方法で確認するマリア


 マリア:結論から言わせてもらうと。これは製法こそ若干異なりますが、青い袋にあるのは霊魂安定剤。赤い袋にあるのは霊脈循環剤とみて間違いありません。


 マチルダ:やはり。しかし安倍晴明をはじめとする陰陽師達はどうやってコレの精製法を知ったのか。


 マリア:当時の日本の薬は古代中国より渡った漢方がベースとなっています。となれば古代中国は奇跡的というか偶然にこの精製法を見つけたと言わざるを得ません。


 マチルダ:安倍晴明は普段からこの薬を服用していたからこそ。別次元の自分の肉体に入っても昏睡状態に陥らなかったというわけか。


 マリア:あるいは奇跡的に両方共陰陽師だったが故に順応出来たとも考えられます。


 マチルダ:成る程な。ん?どうした?


 赤面しながらマチルダを見るマリア


 マリア:あ・・・いえ。ずっと気になっていたのですが。大臣のお身体は・・・その同じ女性の私でも目のやり場に困るほどの・・・その逞しいお身体をしているもので。


 背後から現れる麗華


 麗華:そやろそやろ〜♪この美貌に加え、黒褐色にオイルを塗ったような肌!鎧の様な重厚な筋肉!それでいて女性らしいしなやかなボディライン!出るとこはトコトン出て引っ込む場所はギュっと引き締まる!まさに生きた芸術!それがブラックオークの女どすぇ♡


 麗華の背後に詰め寄り手錠をかける風華


 麗華:ちょ!風華はん、何してはりますの!


 風華:お前またマチルダの屋敷に忍び込んで下着盗んだだろ?


 麗華:な!何を証拠にそないな事言ってはりますの⁉︎


 一冊の本を差し出す風華


 麗華:ん?『ゆららの観察日誌』?


 風華:王国議会の由良ゆらら議員の書いた観察日記だ。流石にお前の行為が犯罪と思ったのか私にコレを持ってきたんだ。コレにはお前の事が書いてある。


 麗華:ぐぬぬ!いつの間にこないなモンを!


 風華:というわけだ。例によってお姉さんが取り調べ室でお待ちかねだ♪


 麗華:ゆらら〜!覚えてなはれや!


 風華:つべこべ言わずにキリキリ歩け!


 マチルダ:・・・・・・


 マリア:え〜っと。


 マチルダ:と、兎に角お前にコレを見せて正解だった。


 マリア:お役に立てて光栄です♪


 マチルダ:また何かあったらルージュ共々頼りにさせてもらうよ。


 マリア:はい♪

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