第243話魔王会談

 アオイ:杏姫に次いでついにトレイント共和国に入国したアリス女王一行。両国魔王は互いに国土争奪戦争で何を求めるのでしょう。


 魔界時間10:00女王アリス・シルフィード トレイント共和国入国


 首都国際ターミナル 国賓専用ホーム


 アリス:やっと着いたー!いや〜。トランスポートでパッと行くのも楽だけど、こういう電車に揺られての鉄道旅も良いねぇ♪


 薫:そういえば杏は先に来ていたんだったな。


 アリス:うん。先行して来ていた八岐大蛇やまたのおろち様を先に宿泊先に案内してたそうだけど・・・何処に泊めてるんだろ?


 薫:さあな。14天界王様は皆競う様に杏の接待の権利を巡って言い争ってたらしいからな。『生まれて初めて味わった至高の接待が受けられる』ってな。


 アリス:杏・・・あの子一体どんな接待してるんだか。


 物陰から姿を現すアズサ


 アズサ:どうやら姫様と八岐大蛇様は首都郊外にある民宿『トメ』のに居るようです。


 アリス:み、民宿ーー⁉︎


 薫:天界宇宙最高権力者のNo.2を民宿に・・・。


 車掌:シルフィード王国女王アリス・シルフィード陛下でございますね?


 アリス:あ、はい。


 車掌:あちらの車両にて大統領官邸まで向かいます。


 アリス:は〜い♪


 20分後 トレイント共和国大統領官邸


 アリス:来ないね。ティーゼル大統領。


 官邸内アナウンス:まもなく〜。大統領執務室前に〜。魔王様がぁ〜。まい〜ります!危険ですので〜。室内にてお待ちください!


 アリス:通路にあった線路ってまさか・・・


 薫:そのまさかみたいだな。


 スティーブ:やあ!よく来たね。僕がトレイント共和国第46万代大統領。スティーブン・ティーゼルだ。気軽にスティーブと呼んでくれても構わないよ♪


 アリス:は、はぁ。私がシルフィード王国女王アリス・シルフィードです。


 スティーブ:君かぁ!ミリアから聞いてるよ♪


 アリス:ミリア姐さんと知り合いなんですか?


 スティーブ:ははは!知り合いも何も。彼女とは中央政府時代の同期さ♪


 アリス:そうだったんですか♪


 スティーブ:さて。早速で申し訳ないが、例の話を進めようか。貴国は我が国の何処をご所望だい?


 アリス:我が国が貴国に求めるのは我が国の国境にある『テッキョウ渓谷』です。


 スティーブ:彼処かぁ。確かに綺麗な所だけど、とりわけ貴国にあまりメリットがあるとは思えないけどね。


 スティーブに事情を説明するアリス


 スティーブ:成る程。彼処がかつての旧クラウント王国の国土だったのか。


 アリス:それでは次はこちらから。スティーブン・ティーゼル大統領。貴国は我が国に何を求めますか?


 スティーブ:我が国が貴国に求めるのはズバリ!貴国の西方エリアにある『ガーネットフォレスト』だ♪


 アリス:ガーネットフォレストの最奥エリアにある遺跡。その奥に安置されている秘宝『真紅の宝玉』ですね。貴方の魔王具『鉄道王の杖』にあったその片方の宝玉。


 スティーブ:ご名答!アレが無いとこの鉄道王の杖は真の力を発揮出来ないからね。


 アリス:わかりました。貴国の要求、承りました。


 スティーブ:こちらも貴国の要求。しかと承りましたよ♪


 中央政府外交省官僚:それでは両国同意とみなし、この承諾状にサインを。


 承諾状にサインする2人


 スティーブ:それじゃ、開戦の日時は後日お知らせという事で♪


 アリス:お互い正々堂々いきましょう♪


 スティーブ:フェアプレイだね♪


 固く握手を交わす2人


 中央政府外交省官僚:では私はこれで。


 スティーブ:ご苦労様だったね♪






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