第209話茶葉香る深緑の国

 アオイ:アクガリタル国の北東に位置する新興国が隣国に陥落させられた。理由はただ1つ。その新興国から宣戦布告を受けたからだそうですね。ミリアさん大丈夫でしょうか?


 魔界時間10:00 アクガリタル国総理官邸


 ミリア:北東の国が陥ちたーーー⁉︎


 シン:無謀にも宣戦布告をしたそうですよ。因みに新興国の国力は230。対する受けた側の国力は8800億。シルフィード王国は9000億なのでシルフィード王国とほぼ同等の国に挑んだ事になります。


 ミリア:アリス女王の様に大局を見極められないんだから無理しない方が良かったのに。


 同時刻 バイセン共和国首都 センジ


 リズ:ここが次の取材先か。で?ターゲットは誰だ?


 桃:だ〜か〜ら!そのターゲットって言いかた止めてくださいよ〜。暗殺者か何かと間違われるじゃないですか〜!取材対象でしょ。取・材・対・象!


 リズ:で、誰だ?


 桃:はぁ。もう良いです。今回の取材対象はこの国の魔王アサヅミ大統領。先月宣戦布告してきた国との国土争奪戦争についてですよ。


 リズ:確か完膚なきまでに叩きのめされ国の命とも言うべき『テリトリーフラッグ』を差し出して全面降伏して滅亡したんだったな。いくら血の流れず、死者の一切出ない4界宇宙一平和な戦争とはいえ哀れだな。


 桃:アサヅミ大統領はアリス女王と同じで自分からは絶対に戦争を仕掛けないとして有名な魔王様なんですけどね・・・あれ?


 リズ:どうした?


 桃:あそこにいるのシルフィード王国の財政大臣と医療大臣ですよ。


 リズ:ん?あ、本当だ。


 麗華:なぁなぁマチルダはん、ええやろ?


 アオイ:この回がはじめて読む方のために。この人は主人公のアリス女王様の仲間の1人で財政大臣の鈴峰麗華すずみねれいか。種族は貧乏神で筋肉フェチの変態さん♪


 マチルダ:断る!


 アオイ:そしてこちらは医療大臣のマチルダ・グロッタ。種族はブラックオークで農林水産超大国カントリア王国の元伯爵様。アリス女王様の器の大きさに惚れ込んで貴族の地位を捨てたのよ。しかもエルフ族が嫉妬する程の凄い美人さん♪


 麗華:何で〜?その巨大な尻を頬ずりさせてほしいだけやないの〜♪


 マチルダ:こんな往来でやらせるわけないだろ!


 麗華:魔界での女性同士の恋愛は普通やないの〜。知ってるくせにいけずやわ〜♡


 顔を真っ赤にするマチルダ


 マチルダ:キスならまだしも、そんな変態じみた事させるか!


 麗華:え!キスならええの?



 グーで殴り襟元を引っ張り麗華を引きずるマチルダ


 麗華:は、激しいどすぇ♡


 リズ:アレ確実に死ぬヤツじゃないのか?凄い音がしたぞ。


 桃:邪神族は不死身だからあの人にとってはご褒美みたいなものですよ。さっ、大統領閣下を待たせるといけないから行きましょう。


 リズ:あ、ああ。


 バイセン共和国 大統領官邸 大統領執務室


 カリン:ようこそ。バイセン共和国へ。ではナレーターさん。私の紹介よろしく♪


 アオイ:はぁい♪彼女はバイセン共和国魔王。カリン・R(リョクチャ)・アサヅミ大統領。大統領自身もお茶の栽培から生産もするのよ♪


 桃:では早速ですが、バイセン共和国は魔界宇宙一お茶の一大生産国なんですよね?


 カリン:ええ。そうよ。


 桃:民主制で選挙の方法がこの国独特なんですよね?


 カリン:その通り。政治手腕の他に利き茶での優勝。そして品評会で金賞を受賞する事。そして国民の支持率。これが1つでも欠けたら大統領になれないの。


 リズ:随分厳しいな。それだけ超大国の魔王に必要な事という事か。


 執務室の外から声が聞こえる


 マチルダ:だーー!尻に顔を埋めるなーー!


 麗華:ふぉれふぁふぇふぉふぉひいひりひゃひゃふぁい、ふぇふぃふぇふぃふぃふぁふふぇふぉふぇふぇひゃひゃいふぉ♪


 アオイ:・・・ええっと、『これだけ大きい尻やさかい、ケチケチせんでもええやないの♪』だそうですよ。


 マチルダ:ええい!尻に顔を埋めながら喋るなーー!


 麗華:ぷっは!3mの高身長にエルフが嫉妬する美貌。黒褐色の肌に鎧の様な重厚な筋肉に巨大な乳とこの尻!こないな贅沢な身体独り占め出来るなんてウチ幸せやわぁ♡


 マチルダ:こんの!いい加減にしろ‼︎


 再びグーで殴るマチルダ


 マチルダ:失礼する!


 カリン:フフ♪相変わらずね麗華。


 麗華:久しぶりやなカリンはん。


 マチルダ:何だ。知り合いだったのか?


 カリン:ふぅん。彼女がそうなのね・・・いい身体してる・・・じゅるり♡


 麗華:言っとくけどこれはウチのや!


 マチルダ・・・はぁ。成る程、類友か。って、誰がお前のものだ!サッサと本題に入れ!


 麗華:へぇへぇ。カリンはん。『例の物』貰い受けに来たえ。


 カリン:わかってる。はい。いつものお茶。


 麗華:いつも助かるわぁ。鈴峰家の法事にはこの国のお茶が無いとあかんねや。


 カリン:どういたしまして。バイセン共和国と鈴峰家は切っても切れない縁で結ばれてるからね♪


 麗華:ほな用事も済んだ事やさかい。この後ホテルでしっぽりと・・・


 マチルダ:するわけないだろ!さ、帰るぞ!


 麗華の襟元を掴み引きずって帰るマチルダ


 麗華:あ〜ん!マチルダはんのいけずぅ〜!


 桃:あっはは。で、では取材の続きを。


 カリン:そうね♪


 リズ:殆どあの2人に出番を取られたな。















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