第210話再会する師弟

 アオイ:この師匠にしてこの弟子あり。元魔界宇宙一の天才ハッカーにも師匠がいたの。今回はその師匠との再会みたいですね♪


 魔界時間21:00 帝王都サタンヘイルダム 商業エリア


 DNSグループ本社 レイラ専用サイバールーム


 モニターに映る警備員


 警備員:社長、本社セキュリティの最終チェックに入ります。


 レイラ:は〜い。ヨロシク♪


 はじめて読む方のために、彼女の名前はレイラ・A・壱宮。DNS、デーモンネットサービスグループの社長さん。元魔界宇宙一の天才ハッカーで彼女の技術は未だ超えられてない凄い悪魔さんなのですよ♪


 同時刻 本社内総合司令室


 オペレーター:本社内のサーバーに何者かが侵入しました!特定を開始します!


 専務:誰だ?


 オペレーター:わかりません。どうやら狙いは社長のサイバールームの様です!


 中央モニターがレイラに切り替わる


 レイラ:全システムの操作権をこっちにまわして!この手口。貴女達の手に余る相手よ!


 オペレーター:りょ、了解です!


 複数の端末を一斉に操作するレイラ


 レイラ:まったく!この忙しい時に『あの人』は相変わらずだ。


 サイバールームに転移するディアナ


 ディアナ:手伝おうか?


 レイラ:今回は流石に手こずるよ?


 ディアナ:あ〜、察し。それじゃ、本気出しますか!


 侵入したウイルスを撃退する2人


 レイラ:ふぅ。


 ディアナ:流石にアンタの師匠だけあってキッツイわ。


 サイバールーム中央モニターに映る光の邪神龍族の男性


 レイラ:久しぶりね師匠。この忙しい時に空気読まないのは相変わらずね。


 ディアナ:天界宇宙の伝説のハッカー『盗作』レイラの師匠


 盗作:久し振りに会ったちゅうのにえらいご挨拶やないの。レ〜イラちゃ〜ん♪


 アオイ:この人は光の邪神龍族の盗作さん。本名は輪島二郎わじまじろう。元光属性の龍神で、天界宇宙最大のドラゴニックマフィアの1つ『光龍会こうりゅうかい』の元大幹部なのですよ♪


 盗作:ちょいちょいちょい!ナレーターはん。アカンわぁ。正体明かしたらワシのミステリアスなイメージが台無しやないのぉ!


 レイラ:なぁにがミステリアスよ。で、何の用?50年も連絡よこさないで今更。


 盗作:堪忍、堪忍や〜で〜。レイラちゃん。ホラ、ワシこう見えてごっつ忙しいやろ?


 レイラ:知らないわよ。


 盗作:ま、それはええんやけど。


 ディアナ:いいんかい。


 盗作:久方ぶりに可愛い弟子の腕が鈍ってないか。ま、抜き打ちの避難訓練や♪


 レイラ:そういうのは前もって言ってよね。


 盗作:かぁー!わかっとらんなぁ、レイラちゃん。前もって言ったら抜き打ちにならんやないかぁ。


 レイラ:どうせ訓練もフェイクなんでしょ?


 盗作:なんや、バレとったんかいな・・・つまらん。


 レイラ:用事は『古巣』絡み?


 盗作:あ〜・・・まぁ・・・そのぉ・・・なんや。


 レイラ:図星か。


 ディアナ:図星ね。


 盗作:じゃ、じゃかあしい!兎に角ワシの頼み聞いとったらええねん!


 レイラ:で?頼みって?


 盗作:光龍会傘下の閃生組せんりゅうぐみの組長が行方不明になっとってな。昔の舎弟共が泣きついてきよったんや。


 レイラ:そういうのは警察の仕事でしょ?


 盗作:それがそうもいかんねや。これ見てみぃ。


 1通のメールを出す盗作


 レイラ:何々〜『輪島の兄さん。暫くの間組を頼む』って、これだけ?


 盗作:アイツは昔っからこういうの苦手なヤツでな〜。メールも必要最低限な事しか送ってこんのや。いわゆる機械音痴ってヤツやな。


 レイラ:何か厄介ごとに巻き込まれてるって事?


 盗作:ま、そういう事や。詳しい事はこれに書いといたさかい。後は頼んだで〜♪


 通信を切る盗作


 レイラ:あ、逃げた。


 ディアナ:で?やるの?その組長さん探し。


 レイラ:チャチャっと探すよ。この内容から大体の見当はついたし。


 ディアナ:場所は?


 レイラ:温泉超大国ビバロン王国。


 ディアナ:まさか観光に行ってるとか?


 レイラ:そんなチャラい人じゃないみたい。どっちかっていうと師匠とは真逆のタイプだね。


 ディアナ:じゃあやっぱり『訳あり』って事?


 レイラ:そういう事だね。









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