第269話空の司書と陸の魔王

 アオイ:遂に揃った3人の準主役の魔王達。今後アリスさんを加えた4人がどういう物語を描くのか?さて、今回は魔界宇宙最大の移動図書館『魔源図書館』の司書さんと前回新登場の莉音・ムツミネさんとの同時進行でお送り致します。それでは269話スタートです♪


 魔界時間11:50 温泉超大国ビバロン王国 王都テルマエユ 上空90000m


 魔源図書館 中央区画


 アオイ:魔源図書館。それは4000億年前に建設され。3000億年前からネットの爆発的普及によりデータ化した事で紙の本は魔界宇宙からこの図書館に集まるようになり、現在もなお増築を続けていて。その全長は銀河系の100倍に相当する大きさとなりました。


 先輩司書A:ここの仕事には慣れた?


 メリッサ:あ〜・・・いつもドジ踏んでばかりで。


 アオイ:この方は堕天使族のメリッサ・楨祥ていしょうさん。天界で悪名高い大企業『菅原インダストリー社』でOLをやっていて、天界宇宙政界の闇の根源だった天界宇宙政党反魔党の元代表である袋井耀蔵ふくろいようぞう逮捕・処刑された事で天界検察庁からの強制捜査の後に倒産。彼女はその1ヶ月前に退職していたのです。


 メリッサ:私の紹介ありがとうございます♪やっぱり悪魔の皆さんってみんな親切だなぁ♡


 先輩司書B:何?の話?


 先輩司書A:メリッサちゃんがここに来て2ヶ月になるなぁって。


 先輩司書B:前の職場ってあの菅原インダストリー社でしょ?


 メリッサ:彼処は本当に地獄でした。そんな身も心もボロボロの私を救ってくれたのはこの歌でした。


 アリスの歌を聴かせるメリッサ


 先輩司書A:シルフィード王国の魔王アリス・シルフィード女王ね♪


 メリッサ:天界では魔界に対して平和的に歩み寄る穏健派と敵対意識を持つ強硬派がいて、私の元職場は強硬派でした。でも、袋井耀蔵の裁判をキッカケに強硬派は一気に激減しました。


 先輩司書B:これで天界の人達とも仲良くなれたら嬉しいね♪


 メリッサ:はい!


 先輩司書B:で?アンタ達は誰推し?アタシは断然!次元鉄道超大国トレイント共和国の魔王スティーブン・ティーゼル大統領!イケメンだし歌超絶上手いし♪


 先輩司書A:私はメリッサちゃんと同じアリス・シルフィードね♪綺麗な歌声と勇気の出る歌詞は疲れた心奮い立たせる良い歌なのよねぇ♪


 メリッサ:はい!


 同時刻 地上 提灯街道


 街頭モニターのニュースでシルフィード王国の国土争奪戦争の特集が流れる。


 莉音:・・・ふむ。


 梨花:そういえば陛下は魔王検定に合格したという事は歌は上手いのですよね?


 莉音:ああ。力強くよく通る良い声だとよく言われる。


 梨花:これで専属の音楽家かアイドル楽曲を提供されれば国土争奪戦争でオープニングのライブバトルは有利になりますね♪


 莉音:ま。それはまだ先の事だな。


 梨花:そうですね。先ずは共に国を育てる仲間集めですね。


 莉音:うむ・・・・む?


 莉音の刀を見つめるリタ


 リタ:・・・・・おさむらいさん?


 小雪:ほえ〜!りっぱなカタナだべ!


 杏:カタナをもってるひとはおさむらいさんだってねえしゃまがゆってたです!


 アオイ:この子達はマリアンヌ・ベルゼブブ公爵様がネットに公開して以来魔界全土で人気の『もぐもぐガールズ』人間のリタ・ヌルマユちゃん。雪女族でフローズンダスト連邦魔王クラウド・アイゼンフリーズ大統領の娘さんで小雪・アイゼンフリーズちゃん。そして、この物語の主人公アリス・シルフィード女王様の妹、杏・シルフィードちゃんです♪みんな3歳の可愛い女の子達ですよ♡


 梨花:あ・・・・ああ!


 莉音:どうした?


 梨花:この子達は・・・あの『もぐもぐガールズ』♡


 莉音:有名人か?この子達。


 梨花:何言ってるんですか陛下!今魔界のお姉様方を虜にしている子達じゃないですか‼︎


 ミシェル:あ!こんなトコに居た!もう。探したっスよ。


 リタ:ミシェルおねえちゃん。おさむらいさん♪


 小雪:カッコいいべ♪


 杏:カッコいいです♪


 ミシェル:あー、わかったから。ホラそろそろ次のお店行くっスよ。次はきな粉アイスっス♪


 3人:きなこアイスーーーー‼︎


 再び 魔源図書館


 メリッサ:先輩。魔源図書館って結構大きいと聞いてましたけど。実際どれ位あるんですか?


 先輩司書A:実のところ私達司書は勿論、館長ですらその規模は把握しきれてないの。この図書館自体が『意思を持っている』から。何処に向かって移動してるかもわからないし、本も集まる度に増築が繰り返されてるから余計に把握しにくいの。


 メリッサ:ほえ〜!相当大規模なんですね。


 先輩司書B:この図書館は大きく分けて『政治』『経済』『軍事』『科学』の4つのエリアになってるの。それ等を統括するのが4人の室長そしてこの図書館の最高位にいるのが『館長』よ♪


 先輩司書C:私は〜、金融超大国バンクフルト合衆国の〜、ギリウス・G・バンクフルト大統領〜♡


 先輩司書B:相変わらずマイペースだな・・・てかバンクフルト大統領ってアンタの好み渋っ!


 メリッサ:ア、アハハ♪あ。そいうえばこの図書館って『意思を持ってる』って言ってましたけど。この図書館の『本体』ってやっぱり最深部・・・ですか?



 先輩司書A:う〜ん。あるにはあるんだけど、そこは館長ですら行った事ないらしいから。


 メリッサ:そうですか。


 司書長:はいは〜い!午後の休憩終わりよ!お仕事お仕事♪


 4人:は〜い♪


 再び地上


 莉音:さて。どうしたものか。


 梨花:陛下!この先の温泉旅館に医療大臣候補が宿泊しているとの情報が!


 莉音:何!それは本当か!


 梨花:はい!友人のグローバリア公妃ロゼッタからの情報なので間違いありません!


 莉音:ウエポニア帝国のフォートレット皇后といい、メディア超大国グローバリア公国のロゼッタ公妃といい。何者なんだお前は。


 梨花:わ、私の事は後日という事で。早く行かないとその方この国を出てしまいますよ!


 莉音:まあ良い。よし!急ごう!








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