第70話3大勢力
魔界宇宙中央政府には3つの派閥がある。化け狸族の狸原(くりはら)源之助率いる狐狸党、ベリアル族ケビン・オゾノンの父ジェラルド・オゾノン率いるダイモン党、アバドン族のドナルド・カーチス率いる妖星党。今回の主役は『ある事』がきっかけで妖星党の若き党首となるのだ。
魔界時間19:45 料亭『香和野(かわりの)』
天聖社社長:香りに和む野原で香和野ですか♪
ドナルド:フフ、洒落ておるであろう?
天聖社社長:ええ。さて、これが約束の『例の物』です。
ドナルド:フフフ、いつも悪いな♪
天聖社社長:いえいえ、こちらも色々潤っておりますから、『魚心あれば水心』ですよ♪今後もよろしくお願いします。これはいつもの契約書です、お確かめを。
ドナルド:うむ。
廊下の奥から聞こえる女将の声
女将:困ります先生!この先のお座敷にいらっしゃるのは・・・
ドナルド:何だ?随分騒がしいな。
天聖社社長:ちょっと見てきましょう、
座敷を出る天聖社社長
青年代議士:天聖社社長、聖川 聖司(ひじりかわせいじ)だな?
天聖社社長:だ、だったらどうした?
青年代議士:その先に居るのは妖星党代表ドナルド・カーチスだな?
天聖社社長:な、何を言う!この座敷には私1人しか居らん!帰れ若造!
青年代議士:悪いが私にはこういう物がる!
強制執行権許可証を突き出す青年代議士
天聖社社長:ウッ!魔界帝王様の御妹君にして魔界宇宙中央政府内閣総理大臣の環様直筆の強制執行権許可証だと⁉︎
慌てて奥座敷に逃げ込む天聖社社長
天聖社社長:せ、せせせ先生!た、大変です!
ドナルド:どうした?お前も騒々しい。
座敷を出てからの経緯を説明する天聖社社長
ドナルド:何?その若手代議士が許可証を持って乗り込んで来ただと⁉︎
座敷の障子を豪快に開ける青年代議士
ドナルド:お、お前は!ロバート・ペンギン!貴様何しに来た?聞けば強制執行権許可証を持っていると聞いたが儂に何の容疑があるというのだ?
ロバート:この期に及んでまだシラを切るおつもりか?
契約書を突きつけるロバート
ドナルド:な⁉︎そ、それは!貴様いつの間に⁉︎
背後から銃を突きつける女性エージェント
ドナルド:そ、その装束。まさか!魔界最強の特務機関『黒妖(こくよう)』か⁉︎貴様程度の一代議士が動かせる奴等では・・・ハッ!まさか、環首相か!
ロバート:その通り、妖星党代表ドナルド・カーチス。4界宇宙通商法第35条『魔皇石』の不正取引並びに選挙管理法違反の容疑で魔源法廷に貴方を告発します!勿論、証拠はこの『契約書』です。
ドナルド:ぐ、ぐぬぬ〜!
天聖社社長:わ、私は出来ないだろう?曲がりなりにも天界の神族だ、私を逮捕すればお前の政治生命は終わりだぞぉ。ん〜?
ロバート:おっと、忘れるところでした。もう一つ。こういうのを預かっております。
一枚の書簡を広げ天聖社社長に突きつけるロバート
天聖社社長:そ、それは!天界大帝の御妹君にして天界宇宙中央政府内閣総理大臣沙羅(しゃら)様直筆の強制執行権許可証⁉︎貴様そんな物まで持ってたのか!
2人の背後に回り銃を突きつける天界・魔界のエージェント
ロバート:2人を連行しろ!っと、その前にドナルド先生には一つご報告が。
ドナルド:な、何だ?
ロバート:環首相の立会いのもと、正式に妖星党代表になりました。
ドナルド:な、なにーーーー!わ、私はどうなるのだ!え?
ロバート:勿論代議士の資格を剥奪の上家財没収、更に追徴金1000兆ヘルネス(日本円換算1京円)の支払い命令付きですよ。
ドナルド:そ、そんな・・・・・
ロバート:天聖社社長 聖川 聖司、お前にも天界中央政府より追徴金1000兆ヘヴンス(日本円換算10京円)更に神から天使への降格。天聖社はこれで事実上の倒産だな。
天聖社社長:そ、そんな〜。
連行される2人
秘書:先ずは妖星党代表就任おめでとう御座います。
ロバート:これからが忙しくなるぞ!
秘書:来週行われる『上院総連議会』ですね。
ロバート:ああ、そうだ!
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