第335話女盗賊の秘密と悪しき魔神(後編)

 アオイ:アラシノオトシゴの餌場襲撃事件の真相が着実に形になり、一行はいよいよ真犯人と思われる魔神の封じられてる島へと向かうのでした。


 魔界時間12:00 シュガール島南西封印の島 祭壇


 小無知:あれが封印の壺ねん♪


 ウグイス:さて、どうしたものか・・・


 テノテノ:こういう祭壇とかには決まって・・・


 祭壇に向かって石を放り投げるテノテノすると結界が弾く


 テノテノ:ほらね♪そしてこの辺りに・・・あった!これを〜、こうすると・・・


 結界が解ける


 テノテノ:ま、ざっとこんな感じよ♪


 小無知:すご〜い!『まるで』盗賊みたいねん♡


 テノテノ:まるでって何よ!まるでって。本職だから当然じゃないの!


 ボソッと呟く小無知


 小無知:・・・・レイラント王国・・・


 テノテノ:い、いいいきなり何言い出すのよ!


 ハル:(動揺してます)


 晃斗:(明らかに動揺してるな)


 ウグイス:(めっちゃ動揺してやがる)


 鬼鉄:(テノテノさんって本当に女王様なんだ)


 更にボソッと呟く小無知


 小無知:テノーラ・レイラント13世


 テノテノ:ストーーーップ!


 小無知の襟元を掴んで奥へ移動するテノテノ


 テノテノ:アンタ!絶対私の正体知ってるでしょ!


 小無知:さ〜て、何の事かしらん♡


 テノテノ:と・ぼ・け・るんじゃないわよ!


 壺の前に立つちびっ子3人


 杏:コレなにがはいってるですか?


 小雪:きっとおかしだべ♪


 リタ:リタしってる。こういうツボにはみずあめがはいってるんだよ〜♪


 小雪:あけてみるべ!


 壺の蓋を掴み開けようとする小雪


 小雪:う〜ん!あかないべ!


 杏:あんずもおてつだいするです!


 リタ:リタもおてつだいする〜!


 ちびっ子3人:う〜んしょ!う〜んしょ!


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 杏:あいたです!


 小雪:でもなんにもはいってないべ。


 リタ:がっかり。


 祭壇上空の暗雲と共に壺から妖しくも美しい女性の魔神が現れる


 魔神:我が名はシェリル。さあ、汝の願いは何・・・・ん?


 ちびっ子3人:う?


 シェリル:こ、子供⁉︎まあ良いでしょう。さあ、汝等の願いは何ですか?


 杏:おねがいごと?あんずはねぇ、うんとねぇ、こゆきちゃんとぉ、リタちゃんとぉ、ずっとなかよしでいたいです♪


 小雪:オラも♪


 リタ:リタも、さんにんいっしょでなかよし♡


 シェリル:あ、いやそういうのじゃなくて。ホラ、こう。永遠の命と美貌とか、永遠の富とか、絶大な権力とかあるでしょ?


 杏:そんなむつかしいことわっかんないです!


 小雪:なにいってるかサッパリだべ!


 リタ:リタすこしわかるけどそんなのいらない!さんにんとなかよしがいいの‼︎


 鬼鉄:(わかるんだ。リタちゃん凄いなぁ)


 シェリル:だーーーー!何故だーーー‼︎


 ソロモン王:何故も何も、純真無垢じゅんしんむくな3歳児にそんな事言ってわかるわけないだろう。


 シェリル:これでは心を喰らえない!


 ウグイス:ウチのお姫さん達と契約結んだ時点でお前は負けてんだよ、バーーカ♪


 シェリル:ウガーーーー‼︎


 ハル:普通ならあと300年すれば話は別でしょうが、姫様達では一生涯無理でしょうね。ご愁傷様です。


 シェリル:おおぅ。


 ウグイス:この場合正当な契約者っ誰になるんだ?


 3人を見るシェリル


 シェリル:そこの人の子になる。


 テノテノ:貴女どうして心を喰らおうとするの?


 シェリル:『契約者の願いを叶えてその代償に心を喰らえば堕天は浄化され元の女神に戻れる』と教えてもらったからだ。


 鬼鉄:誰ですか?そんなデタラメ教えたのは。


 シェリル:神族の幽霊だ。


 ウグイス:神族の幽霊で、そんなトチ狂った事吹き込むのは1柱しかいねぇ!ソイツの名は『ゲルマルク・うぐいす』って科学者のナリした奴じゃなかったか?


 シェリル:よく知ってるな。知り合いか?


 モニターに映るオリビア


 オリビア:・・・・える?・・・聞こえる?


 鬼鉄:オリビアさん!


 オリビア:良かった。やっと繋がった♪貴女達が追ってる事件の真相と関係あるかどうかわからないけど、ビバロン王国魔王、チョウスケ・ビバロン12世から報せがあって。ゲルマルクの奴過去に一度だけ封印を解かれ逃走した事があったらしいの!


 ウグイス:それって1000万と12年前じゃあないか?


 オリビア:よくわかったわね、その通りよ♪


 ウグイス:アイツ!生みの親ながらロクな事しかしやがらねぇ!


 シェリル:そんな・・・・私は騙されてたのか・・・


 女性の声:今からでも遅くはないぞ。


 リタ:フレイラ♡


 フレイラ:お待たせしました師匠♪


 シェリル:め、冥王ハデス様⁉︎


 フレイラ:一度堕天した者が再び返り咲くためには我等14天界王の1柱でも認めさせれば浄化の儀が可能だ。


 シェリル:それはどうすれば良いのですか!


 フレイラ:そのままこちらにおわす我が至高の御方でられる我が師、リタ・ヌルマユ様に浄化の価値ありと認めさせれば私が推薦状を書いてやろう。


 シェリル:ほ、本当ですか⁉︎


 フレイラ:くどい!冥王ハデスに二言は無い!


 リタに跪くシェリル


 シェリル:我が主リタ様!この魔神シェリル。全身全霊で尽くします!


 リタ:は〜い♪


 ウグイス:ところでよ、お前シュガール島で何か探してたらしいが。何探してたんだ?


 シェリル:ヴァルキリー如きに語る口は持ち合わせていない。


 ウグイス:んだとー!


 リタ:なにさがしてたの〜?だいじなもの?


 シェリル:はっ!私をこの忌々しい壺から自由に出来る宝玉です。私を封じたガプトラス教皇がそこに隠したらしいのです。


 リタ:そのタマがあればシェリルおねえちゃんはじゆうになるの〜?


 シェリル:はい!より一層リタ様のお役にたてるかと、それに私の事はシェリルと呼び捨てにしてくださいませ♪


 リタ:うん!わかった♪ねぇみんな、シェリルをたすけてあげよう。


 フレイラ:流石は我が師、海より深く空より広き御心。このフレイラ、感服いたしました♡


 シェリル:・・・・・ありがとうございます!


 テノテノ:さあ!行くわよ。シュガール島へ!


 全員:おーーー‼︎









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