第48話考古学者イーグレット

 新たに発見された天楼樅の遺跡。獣王界三大名門大学の1つ『ワイバニア芸術文化大学』から遺跡調査の申し出がアリスのもとにきた。その遺跡調査を担当するのは・・・


 魔界時間15:00 獣王界ワイバニア芸術文化大学


 ワイバニア学長:来ましたな。お待ちしておりましたぞハヅキ・イーグレット教授。


 ハヅキ:お待たせしました学長。それで、調査をする遺跡とは?


 ワイバニア学長:魔王界はシルフィード王国で新たに発見された天楼樅の幹にある遺跡ですよ。


 ハヅキ:天楼樅、魔界創世時代からある天高くそびえる樅の木ですね。

 いつしかクリスマスの聖夜祭の主役としてでも有名な木ですよね?


 ワイバニア学長:その通り、魔界の長い歴史の中で唯一超大国にまで成長させた魔王の遺跡の1つと文献にもあります。


 ハヅキ:今まで見つからないのが不思議なくらいですね。


 ワイバニア学長:シルフィード王国の独自の調査によると、遺跡周辺には特殊な結界が張られていた痕跡があったそうですよ。


 ハヅキ:人払い系の結界でしょうか?


 ワイバニア学長:いや、どうも幻惑系の結界だったようですよ。しかもその遺跡にはアダムとイブによって絶滅したと伝えられていた筈の『エデンの果実』の種が発見されたそうで。


 ハヅキ:あのエデンの果実ですか⁉︎


 ワイバニア:その前に発見された深淵の森にあった遺跡にはその遺跡を建造した当時の魔王の『魔王具』が発見されたとの事で。何方も興味深いものばかりですよ♪


 ハヅキ:彼の国には後幾つ遺跡があるのでしょう?


 ワイバニア学長:全部で6つと聞いておりますな。しかも深淵の森には初代魔界宇宙帝王サタン様の奥方妲己様が居られたとか。


 ハヅキ:妲己様ですか!


 ワイバニア学長:今回貴女に頼むのは天楼樅の遺跡です。既に女王アリス・シルフィード陛下には許可を頂いております。早速向かってもらえますか?


 ハヅキ:はい!


 翌日魔界時間10:00シルフィード王国北方エリア雪白(ゆきしら)温泉郷


 ハヅキ:6大魔王の一角の国、極寒のザルダジア連邦の支配下に隣接したエリアだけあって寒い。


 ソフィア:待っていたよ、アンタが考古学者のハヅキ・イーグレット教授かい?


 ハヅキ:は、はい。では貴女が?


 ソフィア:シルフィード王国科学大臣ソフィア・クルーガーだ。


 ハヅキ:ソロモン72柱の大悪魔にして学界の魔女としても有名な奇跡の天才科学者ですよね!


 ソフィア:奇跡かどうかはわからないけどまぁ、そんなトコだね♪


 ハヅキ:学界の超有名人と調査が出来るなんて♡


 ソフィア:ま、アタシも調査し足りなかったからねぇ。ヨロシク頼むよ♪


 ハヅキ:はい!


 魔界時間15:35 天楼樅遺跡最深部


 ハヅキ:ここに『エデンの果実』の種があったんですね。


 ソフィア:あぁ、今はカントリア王国で栽培されている。


 ハヅキ:魔界宇宙で唯一古代植物を再生出来る魔王ラクス・カントリア18世ですよね!


 ソフィア:あぁ、そうだ。


 ハヅキ:この遺跡を含め6つの遺跡は魔界創世時代からあるんですよね?


 ソフィア:ワイバニアの爺さんから聞いたのかい?その通りだ。その頃の魔王以来この地を超大国にまで育て上げた魔王は存在しない。


 ハヅキ:今の魔王アリス・シルフィード陛下にその可能性を見ているのですね?


 ソフィア:どうしてそう思うんだい?


 ハヅキ:貴女は過去どの国の閣僚に属しても1週間以上留まってはいないからです!


 ソフィア:参ったねぇ。そこまで知っていたとはね。


 ハヅキ:さ、調査を再開しましょう♪


 ソフィア:あぁ♪









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