第212話総理のグルメ バイセン共和国

 アオイ:閣僚経験を持つ元豊穣の女神の情報を得たミリアさん達。早速彼女のもとに向かったのだけど。どうやらミリアさんの『持病?』が出たようですね。


 魔界時間12:55 首都センジ センチャ通り3丁目付近


 ミリア:え〜っと。センチャ通り3丁目の・・・・5番地『マンションウーロン』はっと・・・あ!あった!


 マンションウーロン120階 エムカワ宅


 楓:そろそろ来る頃・・・か。


 インターホンが鳴る


 楓:来たか。今開ける。


 ミリア:こ、こんにちは!アクガリタル国内閣総理大臣ミリア・アクガリタルです!


 楓:話は聞いている。立ち話もなんだ。先ずはあがれ。


 ミリア:失礼〜しま〜す。


 楓:お前は!惠⁉︎


 惠:お久しぶりニャ〜♪


 ミリア:ちょっと惠!アンタ、楓さんと知り合いなの?


 惠:お知り合いなのニャ〜♪ゴールドバグ王国に行く前楓のトコで一時期お世話になってたニャ。


 ミリア:そうだったんだ。あ、それで・・・例の件ですけど・・・。


 楓:誘いは嬉しいが、残念だが私では力になれそうにない。だからこの件は断らせてもらう。


 惠:え〜!それはないのニャ〜!


 ミリア:(はぁ〜。やっぱ駄目かぁ〜・・・そういえば今朝はお預けくらったままだったなぁ〜。こんな時間だし。がっかりしたらなんだか急にお腹が・・・減った)


 惠:あ、ヤバイ『あのスイッチが入った』ニャ。


 シン:あのスイッチ?


 おもむろに立ち上がり無言で外に出るミリア


 シン:そ、総理⁉︎


 楓:(な、何が起こった?さっきまでの表情が一変しただと⁉︎・・・は!そうか。これは私に『いつまでもくさってないで黙って私について来い』という事か)


 ※違います


 惠:か、楓?


 楓:すまないが、暫し留守を頼む。ミリアは・・・いや。総理は私を立ち直らせようと試しているのだ!


 惠:絶対違うニャ・・・ってもういニャい。


 センチャ通り飲食店街


 ミリア:(何処だ?何処にある!私の舌と胃袋を満たしてくれる店は!)


 楓:(何かを探してる?・・・そうか!私を試す場を探しているのか!)


 ※違います


 ミリア:(ありふれたものには用はない!・・・ん?『食べるお茶』・・・だと⁉︎これだ!これこそバイセン共和国ならではのもの。ここにしよう!)


 楓:(ここは・・・飲食店?ここで何を?・・・いや、きっと何か考えがあるに違いない!)


 ※何も考えてません


 店員:いらっしゃいませ〜♪2名様ですか?


 楓:ああ。


 店員:ではこちらの席へどうぞ〜♪


 楓:(さて、ここで何を試そうというのか?それとも何か伝えたい事があるのか?)


 ※残念ながらどちらでもありません


 ミリア:(ほうほう。食べるお茶というだけあってメニューも色々あるなぁ〜・・・お?茶粥かぁ。先ずはコレ・・・そして。サイコロステーキ。これに使っているのは鹿肉とニンニクにバターそしてお茶かぁ。そして茶葉を使ったサラダにデザートにお茶のアイス・・・ヨシ!この『茶葉香るステーキセット』で決まりだ!)


 楓:(ん?決まったのか?)


 ミリア:すみませ〜ん!


 店員:はぁい。


 ミリア:『茶葉香るステーキセット』で。


 店員:はぁい。そちらのお客様は?


 楓:同じものを。


 店員:はぁい。『茶葉香るステーキセット』2つですね♪


 暫くして・・・


 店員:お待たせしました〜♪


 ミリアセレクト『茶葉香るステーキセット』


 楓:(メニュー見るよりかなり多いな。さて、これに何の意味が隠されているのか)


 ※何も隠されてていません


 ミリア:(うんうん。ちゃんと美味しい!誰も想像出来ないお茶との組み合わせ・・・アリだね♪茶葉が鹿肉の臭みを消している。それにこのボリューム。う〜ん!文句ナシ!)


 楓:(この想像だにしない組み合わせ。形に囚われない発想がこの美味を生む・・・は!そうか。そういう事か!無理だ無理だと決めつければ私の未来の行く末を見失う。私自身が新たな道を歩まなければ何も変わらない。これを通じてそう言いたいのか!)


 ※違います


 楓:(『その場を私が用意する。だから私に付いて来い!』そう言いたいのだな!)


 ※違います


 楓:(説得するよりこうして行動に移して私に示したかったのか!)


 ※ただただ食欲を満たしたいだけです


 全部平らげ満面の笑みを浮かべミリア


 ミリア:(素晴らしいかった♡)ご馳走さまでした♪


 楓:ミリア!・・・いや、総理!


 ミリア:え!え?楓さん⁉︎


 楓:先程の件。喜んでお受け致します!


 ミリア:え?え⁉︎あ、有難う。














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