第27話山頂の修道女
シルフィード王国東方エリア富城(ふじょう)山頂にてワームホール発生の報せを受け、山岳警備隊総動員して調査した結果。警備隊は1人の人間の女性を発見するのだった・・・
魔界時間19:00 富城山 9合目山小屋
警備隊長:お加減は如何ですか?シスター。
シスターと呼ばれた女性:ええ、手厚い看護のお陰ですっかり良くなりました。
警備隊長:差し支えなければお名前を伺っても?
アグネス:アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ、アグネスとお呼び下さい。
警備隊長:それではアグネスさん。突然の事でさぞ困惑していると思いますが、先ず落ち着いて聞いて下さい。
アグネス:はい。
警備隊長:先ず、ここは魔界のシルフィード王国という国の東方エリアの富城山という山の山頂付近になります。
アグネス:魔界・・・
警備隊長:我々は魔族、貴女のいた人界でいうところの『悪魔』です。
アグネス:それは一目見て判りました。ですが、あなた方が悪魔だからといって私は『悪』と決めつけたりは致しません。あなた方には『悪意』というものを一切感じないのですから♪
警備隊員:隊長、軍務大臣閣下より、報告を求められております。
警備隊長:わかった直ぐ行く。というわけなので暫しお待ちいただけますか?
アグネス:ええ。
警備隊長:暫くお相手して差し上げろ。
警備隊員:ハッ!
同時刻 王城休憩フロア
静香:アグネス?
警備隊長:ハッ!本人はそう名乗っております。年齢は23歳、カトリック教会の修道女だそうです。
アリス:ん〜?カトリック教の修道女でアグネスっていったら・・・ああ‼︎
静香:どうしたのアリス?
アリス:アグネス・ゴンジャ・ボヤジュ。本人はそう言ったんだね?
警備隊長:ハッ!間違いなくそう答えました!
アリス:間違いないよ、その人、人界の超有名人『マザー・テレサ』だよ!
静香:マザー・テレサっていったら『神の愛の宣教者会』の創立者の?確か1979年にノーベル平和賞を受賞した人よね。でもその人20年前に亡くなってるんじゃなかった?
アリス:うん、亡くなった時の年齢は87歳の筈なんだけど・・・
静香:という事は・・・23歳の頃に現代のこの国にタイムスリップしたって事かしら?
麗華:その可能性は大きいどすなぁ
アリス:そんじゃ、吹雪が止んだらこっちから迎えに行くからそれまでお願いできる?
警備隊長:ハッ!食料等も問題ないのでお任せ下さい!混乱しないよう一通り説明しておきます。
魔界時間20:30 富城山 9合目 山小屋
警備隊長:お待たせしました。我が国の女王陛下が貴女に是非ともお会いしたいとの事でした。しかしながら現在吹雪の影響で一週間程足止めされてしまいますが、迎えが来る間に魔界の仕組みなどを説明いたします。
アグネス:ええ、お願いします。
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