第176話動きだす4界警

 アオイ:4界警。これは4界宇宙国際統合警察の略称なの。天界宇宙中央政府の闇の中心となっている神様。反魔党代表の袋井耀蔵ふくろいようぞう彼の容疑は固まりかけてるんだけど、どうやら証拠が無くて手出し出来ないでいるようね。でも『ある人』からの情報で一気に動きだすようよ♪ホラ、彼処だけ黒い雨が・・・


 魔界時間18:00 帝王都サランヘイルダム中心市街 BAR『クラブハーツ』


 鈴:ええ!天界宇宙史上幻の『告発文書』が見付かった⁉︎


 黒露雨:シーー!声が大きいよ警部サン。周りを見てみな。


 周囲の客が反応するが鈴が辺りを見回した途端視線を逸らす


 黒露雨:ここに居る客の9割はマスコミや何処ぞの国の諜報員とかだからね。


 小声で話す鈴


 鈴:で、何でまたそんな貴重な情報を私に言う気になったの?


 黒露雨:そりゃ〜、4界警の方が報酬が良いからさ♪で、例の告発文書だけど。どうやら天聖銀行所有のトレーズタウンにある旧大金庫に中に保管されてるみたいなんだよ。と言っても今は天聖銀行のビル・ゴットフリー頭取本人すら手出し出来ない状態みたいだけど♪


 鈴:どういう事?


 黒露雨:天聖銀行ギャンブレット支店の支店長クロード・ヴァンクスって知ってる?


 鈴:クロード・ヴァンクス。確かグリーンヒル王国支店の元支店長じゃなかったっけ?


 黒露雨:ご名答!これがまたどうしよもないくらいのギャンブル依存性でね。借金のカタにしたのが・・・


 鈴:告発文書の保管されている旧大金庫のあるトレーズタウンの土地権利書。


 黒露雨:またまた大正解。権利書を担保にしたという事は所有権を譲渡するという事だからゴットフリー頭取は手出し出来ないって事さ♪


 同時刻 天界宇宙中枢天王界 帝都ヘブンクラウン郊外高級料亭『天城』


 ジョン:とんだヘマをしてくれたものだね兄さん!


 ビル:うるさい!お前だってヘマして捕まったではないか!幾ら保釈金をつぎ込んだと思ってるんだ‼︎


 ジョン:な、なんにせよマズイよ兄さん。


 ビル:わかってる‼︎クロードの馬鹿めが!『グリーンヒル王国の一件』例の次元大震災のどさくさに紛れて揉み消してやった恩を忘れおって!


 ジョン:カジノの無いところに飛ばすべきたったね。


 ビル:全くだ!よりにもよって妖魔銀行に借金するとは。しかも1番手放してはならない権利書を担保にしおって!


 ジョン:そもそも何でクロードにそんな大事な物預けたんだい?


 ビル:預けたのではない!奴め、何者か雇って盗ませたようなのだ。どうせギャンブルで金が無くなった時のためにそれをネタにして金を強請ゆするつもりだったのだろう。


 ジョン:もしこの事が4界警の耳にでも入れば・・・


 ビル:我々は一巻の終わりだ!袋井先生の耳に入れば尚更だぞ!


 ジョン:それどころか4界宇宙大法廷に全員引き摺り出されるよ!


 ビル:ううう。何とかしなければ!


 再びBARクラブハーツ


 鈴:アリガト!コレ報酬と、ここのお代。


 黒露雨:え!奢ってくれんの♪いよっ!太っ腹☆


 鈴:じゃ、私はこれで!


 黒露雨:ちょっと待った!


 鈴:何?急いで本庁に戻って捜査令状の申請したいんだけど。


 黒露雨:まぁそう慌てなさんな。奢ってくれたお礼にもう一つとっておきのネタを。


 耳打ちする黒露雨


 鈴:・・・・え!それホントなの⁉︎


 黒露雨:奢ってもらったお礼に嘘ついてどうすんの。本当も本当よ。嘘だと思うなら『あの場所』行って自分の目で確かめる事だね♪


 鈴:わかった!アリガト♪






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